(その3からの続き)
-箱根湯本(9:10発)-塔ノ沢(9:28着)-
三線軌条に変わる入生田駅の先で早川を渡り、右岸経由で箱根湯本駅へ向かいました。
箱根湯本駅からはいよいよ登山電車が登場します。
先ほどのホームを改札方面に戻ると、別の電車が待機していました。
待機していた電車は強羅へ向かうベルニナ号の3両編成。
箱根湯本駅の標高はまだ96メートルですが、
ここから9km弱で450メートルほど登ります。
ここまでの登りはウォーミングアップにもなっていない。
強羅方面は2面2線で運用。
基本的には車止めのある3番線のみを使用し、
向かい側のホームは入出庫や混雑時の降車ホームとして使用されます。
ここから先の登山区間は急勾配だけでなく、急カーブも連続します。
そのため、車両間の貫通路は原則使用できません。
また、勾配区間のカーブ通過時にはレールの摩耗防止のために撒水を行うため、
箱根湯本到着時に給水が行われています。
箱根湯本駅を出ると、列車はいきなり80‰の急勾配に挑みます。
これは同じ車両の端と端で1メートル以上の高低差が生じる勾配です。
少しわかりにくいですが、明らかに橋桁が斜めっていますよね。
それでは、いよいよ登山区間突入です。
屋根は途切れましたが、まだ人通りは多め。
早川沿いに出ました。
左奥に見えるのが土木遺産にも登録されている函嶺洞門。
交通上の問題から、洞門を迂回するルートに。
一気に山間の風景に変わりましたね。
そのまま進んで千歳橋にさしかかりました。
こちらも土木遺産に登録されています。
千歳橋を渡ると塔之沢の集落です。
早速趣ある温泉旅館がお出迎え。
ふっと右に目をやるとこの看板。
箱根湯本側からだとUターンするようなアプローチなので、
この看板が無いと見落とす可能性が高い。
しかも、アプローチ路がこの階段だからなおさら。
急な階段を登ったあとも、遊歩道をどんどん登りました。
遊歩道とはいえ、道はしっかりしている。
そして突き当たった場所に塔ノ沢駅がありました。
ぱっと見でも無人駅とわかる駅舎。
標高は153メートル。
電車はわずか1kmで60メートルほど登ったことになります。
ホームは2面2線の相対式。
両側はトンネルに挟まれています。
トンネルを跨いで向かいのホームへ。
ホーム脇には銭洗弁天があります。
一応小銭を洗ってみましたよ。
塔ノ沢駅では列車の行き違いが頻繁に行われます。
トンネルに片足突っ込むほど小さな谷間に佇む小さな駅。
箱根登山鉄道屈指の秘境駅です。
俗に言う秘境駅とは異なり、乗降はそこそこありますが。
(その5へ続く)
入生田駅先から箱根湯本駅までのGPSログ(1/13,500)です。