根室本線全駅間歩き4(釧路-落石) その1・いきなり丘越えからスタート | 駅から駅まで・旅のあしあと

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鉄道路線全ての駅間を歩く全駅間歩きを10年以上続けています。
今は東海~北海道エリアを歩いていますが、目指すは全国全路線全区間踏破!
そんな壮大な目標、たぶん一生レベルでかかるので、長い目で見守っていただけるとうれしいです。
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お待たせしました!

いよいよ北海道全駅間歩きシリーズの始まりです。

 

2006年の宗谷北線を皮切りに

ほぼ毎年北海道のどこかを歩いています。

昨年は芽室から釧路までを歩き、

札幌-網走-釧路-新千歳空港という「コの字ルート」が繋がりました。

 

今年は根室本線の最深部、

釧路-根室間を歩くつもりで準備を進めていました。

この区間には「花咲線」という愛称がつけられており、

釧路から根室までの間を厚岸町や浜中町を経由する135.4kmで結んでいます。

駅数は釧路駅を含めても20しかなく、平均駅間(鉄道)距離は北海道の中でも長めです。

 

 

当初は7泊8日の行程で、

うち5泊6日を全駅間歩きに費やす予定でした。

 

ところが3日前、あの地震が発生してしまいました。

確かに釧路・根室周辺の被害は最低限だったようですが、

物流がストップしてしまい、肝心の花咲線まで長期運転見合わせとなってしまいました。

こうなっては、満足に全駅間歩きが進められません。

やむなく当初日程を延期することにしました。

 

そして直ちに代替日程を確保しました。

夏休みの一部を急遽キャンセルして代替日程に回すという迷惑(?)な方法をとりつつ、

9月29日から10月4日までの5泊6日を確保することができました。

 

 

なんとか5泊6日の日程が確保できたので、

計画通り釧路から根室までを歩くことにしました。

ところが、延期日程が近づくにつれ、怪しい雲が南海上に現れました。

 

 

台風24号です。

 

 

最も恐れていた出発日直撃は免れそうでしたが、

欧米の予想天気図は、行程中に釧路方面へ台風が引き寄せられる図を描いていました。

10月頭に釧路近海に達する予報円が出たところで根室まで歩くのは諦めました。

台風当日は歩かない、台風シフトをあらかじめとることにしたのです。

 

9月に入ってからしばらく台風自体発生してなかったのに、

なんで歩くタイミングで台風が接近してくるかなぁ?

 

 

根室までは歩けませんが、可能な限り根室に近づきたいと思います。

そして、可能な限り北海道を満喫したいと思います。

 

[そのほかの日程はこちらから]

2日目: 釧路-別保 尾幌-厚岸

4日目: 厚岸-霧多布

5日目: 霧多布-厚床

6日目: 厚床-落石

 

[そのほかの根室本線全駅間歩きシリーズはこちらから]

第1回:落合-十勝清水

第2回:十勝清水-芽室

第3回:芽室-釧路

第5回:落石-根室

第6回:滝川-落合

 

 

朝イチの飛行機で羽田を発ち、10時半少し前に釧路駅に着きました。

 

まずはその足で今日泊まるホテルに向かいました。

さっそくチェックイン…ではなく、1ヶ月以上預けっぱなしだった荷物を取りに行きました。

熊撃退スプレーとかキャンプ用ガスとかは飛行機に乗せられないため、

持ち込もうと思えば、あらかじめ宅急便を使うしかありません。

 

 

 

そして、釧路駅から花咲線の列車に乗り込みました。

 

 

え?

釧路駅から歩くんじゃないの??

 

 

当初はそのつもりでしたし、自分もそうしたかったです。

しかし、翌日以降の天気が崩れそうだったのと、

釧路から歩くと無人地帯の林の中で日没を迎える可能性がきわめて高かったため、

別保-尾幌間の「丘越え区間」を先に歩いてしまうことにしました。

計算すると、これでも尾幌駅到着は結構ギリギリです。

予定より早く別保駅を出発したいところです。

 

乗り込んだ列車は、定刻11時12分発の快速「ノサップ」。

ところが、列車は発車時刻になっても動きませんでした。

地震による徐行運転の影響で、接続する特急列車が20分以上遅れていたのです。

結局、列車は15分遅れて釧路駅を発車しました。

 

 

駅順通り読みたい方はこちらへ

 

 

9月29日(土)  歩行区間:別保-尾幌  天気:晴れ時々曇り

別保(11:44発)-国道・道道交差点(13:56着・14:10発)-上尾幌(14:59着)-

 

 

11時40分少し前、スタート駅の別保駅に着きました。

予定より早くスタートして余裕時間を作るつもりが、

予定よりも10分近く遅れてしまいました。

 

いきなりこれでは、先が思いやられる…。

 

 

 

ホームは1面1線の片ホーム。

かつては反対側にホームがあったことは、右手の空き地を見るだけでも分かります。

 

 

 

駅を一通り撮影したら、

息つく暇無く全駅間歩きをスタートしました。

スタートする感慨に浸りたかったところですが、遅れていては仕方がありません。

 

 

 

ここは釧路市街地の東端ともいえる場所です。

左奥に見える高架橋は、建設中の釧路外環状道路です。

 

北海道は道路が良い…

歩く時にはその恩恵にあやかっているわけですが、

それが鉄道のシェアをさらに奪うわけで、鉄道好きにとっては複雑な気持ちです。

 

 

 

跨線橋を渡ってしまえば、そこはもう原野。

民家は1軒もありません。

 

 

 

しばらく進むと、国道44号と国道272号が分かれました。

根室方面は国道44号へ進むのが最短ですが、

まずは国道272号を歩きたいと思います。

 

 

 

分かれてすぐに根室本線をオーバークロスしました。

 

 

 

このあたりは近年道路が付け替えられた区間です。

中央分離帯もあれば、路肩もしっかりしています。

 

 

 

別保駅から約5kmの地点に阿寒バスの鹿又農園バス停がありました。

当初プランでは、1日目は釧路駅からここまで歩くつもりでした。

 

ここまで50分弱。なかなかのハイペースで進んでいます。

 

 

 

牧場が点在する丘の谷間をしばらく進みました。

のんびり歩いていたら、傍らに鹿の轢死体が転がっていて、ちょっとびっくり。

 

 

 

緩やかな登り坂が始まりました。

 

 

 

北海道の坂は総じて緩やか。

高低差は100メートルあまりですが、登り坂が地味に長く続きました。

 

 

 

人っ子ひとりいない山奥でも、道路工事をやっていました。

高速道路はまだ計画段階だし、国道の付け替えでもやるつもりなんだろうか。

 

 

 

鹿出没地帯だけに、ガードもチョッパーですか…?

いや、彼はトナカイか。

 

 

 

ようやく登り坂の頂点にさしかかりました。

左手の塔は、確か航空関係の保安施設だったような…

 

 

 

まっすぐ進めるはずの道なのに、謎の道路工事で迂回することに。

どうしてこうなった…。

 

 

 

林の中を黙々と歩き続けました。

車はそれなりに通っているので、孤独感や恐怖感はありませんでした。

 

 

 

青看に「上尾幌」という文字がありました。

ここで国道272号に別れを告げました。

 

 

 

道道に入ってすぐ、道端で休憩しました。

約13kmを2時間ちょいで歩いてきました。

約15kgの荷物を背負っている割には、なかなかのハイペースです。

 

休憩中にハイドレーションを確認しました。

実は、歩いている最中に水を飲もうとしたところ、

いくらハイドレーションのマウスピースを吸っても、水が出てこなかったのです。

ザックを下ろして確認してみたのですが、どうにもこうにも…。

時間ばかりが過ぎてしまったので、今日のところはハイドレーション使うのをやめました。

 

水が飲めなかった理由は実にばかげていたのですが、その話は後ほど…。

 

 

 

道道を歩き出して15分ほどで厚岸町に入りました。

カントリーサインは、アヤメと厚岸大橋です。

 

さっきの丘を登り切ったら厚岸町だと思っていたのに、

ここまでずっと釧路町を歩いていたのかと思って地図を出してみると、

さっきの丘からここまでは標茶町を歩いていたようです。

もっとも、その間は民家の一軒すら無かったわけで、

どこでもいいじゃないかと言われそうですが。

 

 

 

さらに少し進むと、「緑ヶ丘霊園」と書かれた古ぼけた看板が現れました。

その先には「上尾幌墓地」と書かれたそこそこ新しい看板が立っていました。

きっと、通称だった「上尾幌墓地」が今では正式名称のように使われているんですね。

 

 

 

下り坂が始まり、右へ左へカーブを切りはじめました。

 

 

 

坂を下りきると、民家が現れました。

踏切の先は上尾幌集落です。

 

 

 

上尾幌集落に入りました。

 

 

 

「上○○」という集落はたいてい小さな集落だから、

ここも小集落だろうと思っていたのですが、

駅前通りには郵便局もあり、思った以上にまとまった集落でした。

 

上尾幌駅はすぐそこ。

花咲線最長区間もまもなく終了です。

 

 

その2へ続く

 

 

別保駅から国道・道道交差点付近までのGPSログ(1/105,000)です。

所々にアップダウンがありますが、そこまできついものではありません。

 

この区間も一応バスで途中脱出することは可能ですが、

バスの運行本数は非常に少なく、バス停の間隔も非常に長いため、

途中脱出は考えず、一気に歩ききることを前提にした方が良いかもしれません。