






















4年半前、バロックリュートに初めて張ったガット弦はAQUILAのHUタイプ。(Unsplit lamb gut strings type "HU")
当時はまだHLタイプはなかったと思うが、現在はHUタイプとHLタイプについて以下のような説明がある。
HU タイプの弦は、リュート、テオルボ、アーチリュートなどの撥弦楽器のchanterelleには使用できません。
そのような楽器には、オイルを塗った滑らかな牛ガット弦 HL を使用する必要があります。
*Oiled smooth beef gut strings HL Type(HLタイプは最大径が1.6㎜なのでそれ以上はVタイプを使用するになる。)
*Venice gut roped strings V type
オイルを塗った弦でロープのように撚られていますが表面は滑らかで、他のナチュラルガット弦よりも高いねじれ強度を誇り
高い弾性が特徴です。これにより、高調波が豊かになります。
*HUタイプは3ヶ月のみの使用でGamut製に変更し4年間使用してきた。
今回エクステンション(9コースー13コース)の5本以外をAquila HLタイプに変更した。
その理由は、
①Gamut製は弦がかなり柔らかいので1フレットの音程が高くなる。
この対策としてナットの内側にクラシックギター用サドルを加工した板を必要なコースに挟んでいた。
この傾向はAquila製でもあるが程度は低いのでサドル板は外した。ただ抑える指の力を弱めにフレット近くを抑える事が必要。
②最近の円安で輸入弦は高くなったが元値がAquila製の方が安い。
③ネットの購入サイトはドイツの Music-strings を使っているので、Aquila以外のSAVAREZ、PYRAMID、KÜRSCHNERも同時に購入出来て便利。
*HLタイプの印象
まだ張ってからの日数が少ないが、期待通りのパフォーマンスを持っているようだ。
HUタイプは中域の音のざらつき感がガットらしいと思っていたが、HLタイプはオイルを塗って有るためそれほどでもない。
これくらいが自然で良いと思う。1フレットの音程問題も抑え方に慣れれば克服できるレベルだ。

(参考)CDストリングス
バスライダー式のバロックリュートには中低域にCDタイプの合成弦を張っているが、AQUILAのサイトに分かりやすい特徴が掲載されている。
発売当初は結構切れたが現在ではそれは解消されている。
*CDストリングス
CD タイプの弦は、リュートおよびバロックギターの低音域および中低音域で使用される合成弦で、
押出成形段階で合成材料に金属銅粉末を充填してあり比重が大きいことが特徴です。
表面は天然腸の表面に似ています。 弦はパーカッシブでボーカルのトーンを持っていますが、そのサウンドは豊かで、
オクターブでペアの弦と完全にブレンドされます。
弦はチューニングの安定性に優れています。 明るすぎてリュートの本来の性質に適合しない現代の巻弦の代わりとなります。

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
反田恭平(ピアノ) アンドレア・バッティストーニ指揮 RAI国立交響楽団
録音:2016年 セッション録音(トリノ) 1SACD
反田恭平という名前を知ったのは彼が2021年のショパン・コンクールで第2位になったニュース。
その時のライブ録音は音が悪く、ディスコグラフィを探していたらラフマニノフの2番が見つかった。
これを聴いて驚いた。今までこの曲を色々聴いてみたが良い録音は見つかっていなかった。
本CDは素晴らしいピアノソロとオーケストラ、そしてその演奏を優れた録音がとらえている。
ピアノは明確で爽やかな音、オーケストラは豊かな重低音に支えられ重厚で聴きやすい。
早くショパンの協奏曲を録音してほしいものだ。
2024年元日に、Wachet auf ruft uns die stimmeを録音した。
以前も録音しているが、Nigel Northの新CDに収録されていたのを聴いてTAB譜を見直しした。
色々と気になるところもあるがなんとか納得できる録音になったと思う。
パイプオルガンで弾かれる四声の音をなるべく省かないようにしたつもりだが演奏は非常に難しい。
https://youtu.be/kA07Sp5g2NM

ブラームス ヴァイオリン協奏曲
エマニュエル・チェクナヴォリアン(ヴァイオリン) クリスティアン・マチェラル(指揮) ケルンWDR交響楽団
録音:2020年 1CD
チェクナヴォリアンはウィーン生まれでアルメニアで育つ。指揮、作曲も行う新進のヴァイオリニスト。
使用楽器はストラディバリウス。
この録音を聴いてまず感じたのが、ヴァイオリンの音が信じられないほど美しいことと、オーケストラの音の分解能が高いこと。ヴァイオリンが鮮明な音でしかも聴きやすい。オーケストラは総奏でも音が団子にならずに各楽器が明確に聴こえる。ブラームスの協奏曲の録音でこのような音はほとんど聴いたことがない。
演奏も素晴らしくソロは重厚なオーケストラのサポートを受けて堂々としたブラームスを聴かせてくれる。指揮者のマチェラルも新進の精鋭だがチェクナヴォリアンとともに今後が大いに期待できる。
ブラームスのヴァイオリン協奏曲は、Batiashvili (ティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデン)の録音がベストと紹介していたが録音が2013年とさすがに音がかすんで聴こえてしまう。近年の録音技術の進歩は凄いと感じる1枚だ。