J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタ・パルティータ

 

神尾真由子(ヴァイオリン)  ストラディヴァリウス1731年(Rubinoff)

 

録音2020年6月   ステレオ・セッション録音 1SACD Hybrid

録音場所  東京、浜離宮朝日ホール

 

収録曲

パルティータ ロ短調 BWV.1002

パルティータ ニ短調 BWV.1004

パルティータ ホ長調 BWV.1006

 

 今回は無伴奏ヴァイオリンソナタ・パルティータからパルティータ3曲を録音されているが、ソナタ3曲も早く聴きたいものだ。BWV.1004に有名なシャコンヌが含まれている。

 

 録音はかなりの近接録音で神尾らしい時には美しく時には激しい芯の通った音がとらえられている。

 ソロ楽器の録音においてはこの録音のように目の前で演奏しているかのようなものと、ホールで少し間接音も入れて演奏会で聴いているかのようなものが有る。私は演奏者自身の聴いている音は前者でありその方が演奏者の意図を直接的に表しているのではないか、と思う。(勿論、オーケストラや室内楽などでは全く異なる考えがあるが)

 

 演奏はもはや円熟の域に入ってきたかのごとく確信を持った演奏で、バッハ独特のフレージングやアーティキュレーションは共感できるもの。例えばシャコンヌで数十種類の演奏を比較してみても奇をてらわない堂々たる表現は群を抜いていると感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


J.S.バッハ ブランデンブルグ協奏曲

ベルリン古楽アカデミー
録音:2021年3月、5月  ベルリン、イエス・キリスト教会 セッション録音、2CD

 

 この録音にはヴァイオリンにイザベル・ファウストが参加している。この組合せではJ.S.バッハのヴァイオリン協奏曲集も出していて気心の知れた仲なのだろう。ファウストが入ったことでの相乗効果は大きなものだ。ファウストはメイン楽器であるストラディバリウス(スリーピング・ビューティ)ではなくヤコブス・シュタイナーを使用している。ベートーベンの協奏曲などは前者で弾いていて使い分けているようだ。

 

 録音は有名なベルリンのイエス・キリスト教会で行われているが、ここではカラヤン・ベルリンフィルの録音他、数多くの著名なオケ、演奏家が演奏している。

 教会は一般的に残響時間が長いのでオーケストラ録音では解像度が落ちたりする場合があるが、今回の小編成の録音では素晴らしい解像度と聴きやすい音を捉えている。バッハのヴァイオリン協奏曲集はスタジオ録音だがそれを上回る出来栄えになっている。

 

 第1番と2番は管楽器が活躍するが私は好みの第3番から聴き始める。時折聴かせるファウストのソロの素晴らしさに加えて中低音弦楽器の絶妙な絡みを最新録音の技術で録音している。周波数帯域の広い録音が爽やかな音場を形成して聴く者を引き付けて離さない。

奥入瀬、十和田湖観光

 

 五所川原立佞武多を見た後バスで連泊のロックウッドホテルへ22時頃戻った。朝、カーテンを開けると旅行中初の青空が見えた。ツアーの最終日は観光だけで八甲田山を越えて奥入瀬、十和田湖を観光し仙台に夕方到着する工程。

 

 

夏の奥入瀬渓流

 

奥入瀬 石ヶ戸

 

十和田湖のひととき

 

十和田湖 乙女の像

 

 

 

バスツアーの全工程

 

 

 秋田から康楽館、青森、龍飛岬、五所川原、奥入瀬、十和田湖、盛岡と正味3日間で約700Km、12時間のバス走行になる。

特筆すべきは、今回は添乗員に加えてバスガイドが全工程付いたこと。最近はバスガイドが付かないツアーが殆どらしいがベテランのガイドで雨模様の観光でも明るく前向きにしてくれ詳細な解説も聞けたのでツアーの価値が倍増した気がする。

添乗員、運転手の献身的なサービスにも恵まれ阪急トラベルには感謝の意を捧げたい。

五所川原立佞武多 最終日 2025年8月8日

 

動画 大型立佞武多 暫

   

   大型立佞武多 閻魔

 

   大型立佞武多 素戔嗚尊

   

 

 斜陽館から五所川原立佞武多の観覧席に到着したのは祭開始の2時間前。天気予報が外れ本降りの雨が降り出してきた。

 自由時間、自由夕食なので立佞武多の館の隣のマルコーセンターでのっけ丼や焼きイカ等を食べる。外は雨が強くなり雷の音もしてきて中止すら頭をよぎった。開始1時間前には雨宿りの為多くの人がマルコーセンターへ避難してきたが机といすを確保していたので座って時間待ちをした。

 19時過ぎに祭は始まり、踊り隊や太鼓台車に先導された大型立佞武多「暫」を先頭に間に中型、小型佞武多を挟んで大型立佞武多「閻魔」と「素戔嗚尊」が巡行する。祭の前半は傘が必要な位の雨が降ったが後半には殆ど止んできた。

 大型立佞武多は高さ23mでビルの8階相当なので目の前に来たときは真上を見上げる感じだ。デザインや色合いは斬新で繊細かつ鮮やかで夜空に映えて美しく、「ヤッテマレ!ヤッテマレ!」の掛け声や太鼓の音、そして雨の降りしきる中の懸命の演舞に感動を覚えた。

 昨年、立佞武多の館で大型佞武多を見て(2024年6月掲載)祭で見てみたい、と思った夢が実現したので大満足。

 

 

 

 

龍飛岬等 観光

                                                      (龍飛岬灯台)

 

 青森のねぶた運行、花火を見た後、岩木山中腹のロックウッドホテルに到着したのは23時頃。簡単なバイキングを頂いて温泉に入り寝たのは1時半頃。

 翌朝はゆっくり出発しすぐ近くの鶴の舞橋へ(2024年6月掲載)。その後、ひたすら北上し三厩を経て2時間ほどで竜飛岬へ。

 

             (龍飛岬展望台)

展望台からは北海道(松前辺り)が見えた。プレートを見ると北海道のすぐ右側に見えるのは下北半島のようだ。

            (きれいに咲いた北国の草花)

 

            (奥に見える夏泊半島)

 

               (斜陽館)

時間の余裕が出来たのでサプライズで太宰治の斜陽館に立ち寄り中も見学出来てラッキー。

ここからバスで20分ほどの五所川原立佞武多の会場に向かった。

 

 

青森ねぶた 海上運行 最終日 2025年8月7日

 

 

 

動画  青森ねぶた 海上運行 20250807

 

 小雨の中、秋田のホテルをバスで出発し小坂町にある芝居小屋「康楽館」へ。

近くのホテルでの昼食後青森に向かうがバケツをひっくり返したような雷雨。

県境の長いトンネルを抜けるとなんと青空も見えて雨も上がっている。

 

 早めに有料観覧席に入って明るいうちに上の動画を撮影した。

左右の突堤で囲まれた青森港を、賞を獲得したねぶたを台船に乗せて周遊する。

その間、花火が雰囲気を盛り上げる。周遊が終了する20時頃からは本格的な花火が打ち上げられフィナーレを飾る。

 

 動画を見ると左側から、旧青函連絡船八甲田丸、微かに煙を上げる大型クルーズ船、青森港旅客船ターミナルビル、右側の突堤外にクルーズ船飛鳥・・・

 会場運行と花火のイベントはそれだけで言うと物足りないかもしれないが、ねぶた巡行は、むかし秋田での東北きずな祭で見ているし今後も見る機会が有るかもしれないので自分には意味がある。

 

秋田竿灯 最終日 2025年8月6日

 

動画  秋田竿灯20250806

 

 

 昨年6月、青森ねぶたと五所川原立佞武多の展示館を見て(2023年5月、2024年6月のブログに記載)実際の祭で見たいと今回再度の青森、秋田訪問となった。

 自分でホテルや有料観覧席を手配できないことは無いがかなり難度が高い。そこで阪急トラベルの仙台発着ツアー利用とした。能代の里帰りもするため前泊して2日目に秋田でツアーと合流した。

 まずは秋田竿灯だが、メトロポリタンホテルから観覧席まで徒歩30分の往復、観覧中も本降りで準備はしていったものの大変だった。

 演技する人の苦労には頭が下がる思いで雨で滑るし風も吹くのでバランスが普段より難しいだろう。実際、動画にも倒れる様子が映ってしまったが、こんな厳しい環境でも祭をやり抜くという気概に感動し決して忘れられない思い出になった。

 

 



バッハ ヴァイオリン協奏曲

イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)、ベルリン古楽アカデミー
2017、2018年録音、セッション録音、2CD

収録曲は以下の協奏曲以外にも興味ある曲がある。
● ヴァイオリン協奏曲ニ短調 BWV.1052R
● ヴァイオリン協奏曲ホ長調 BWV.1042
● オーボエ、ヴァイオリン、弦と通奏低音のための協奏曲ハ短調 BWV.1060R
● ヴァイオリン協奏曲ト短調 BWV.1056R
● ヴァイオリン協奏曲イ短調 BWV.1041
● 2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BWV.1043

 名手ファウストによるバッハ協奏曲でこれだけの曲を聴けるのでもう決定版といってもよいと思う。
 ファウストの明確で美しい音色とベルリン古楽アカデミーの爽やかな競演が素晴らしい。オーボエなどの共演者の好演も光る。
 録音は、Harmonia Mundi伝統の煌びやかで鮮明な音で聴いていて幸せな気持ちになれる。

 

 以前、gooブログの時に違うタイトルで書いていたが、Amebaブログに引っ越しするタイミングで内容を一新することとした。

 30歳台にはオーディオマニアをやっていた時もあった。
その時に買ったもので今も現役なのはJBL4343のみだが、何回かコーンエッジを張り替えたり修理はしたが今でも良い音で鳴ると思う。

 コンサートも出来るだけ行くようにしたが大学時代は京都交響楽団をメインにカラヤンのベルリンフィル、大阪フェスティバルホールでワーグナーのトリスタンとイゾルデ、ワルキューレ等々。ギターでは全盛期のブリームやイエペスを聴いた。
 就職してからはコンサートへ行くのは難しくなったが、リタイヤして、ニューヨークでニューヨークフィルやメトロポリタンオペラのカルメン、蝶々夫人、カーネギーホールでムターのモーツァルトそしてミュージカルを色々と。ウィーンでは国立歌劇場でフィガロの結婚を聴いた。他にも色々と印象に残っている演奏会が有るが割愛する。
 
 60年以上クラシックを聴いてきて次第に聴き方や考え方が変化してきた。最近確信をもって言えることを幾つか発見した。
第1は、「最高級のオーディオ機器を駆使しても実際のコンサートを家で再現することは不可能」

 体感的に言うと私の機器と部屋では再現率は50%位。最高級環境でも70%位か。
どんなファクターが再現できないかについて検証していくと本が1冊書けてしまう程だが、オーケストラのトゥッティ(迫力や楽器バランス等)、ホールの響き(残響時間や全空間から聴こえてくる音等)、ダイナミックレンジ(ラベルのボレロやサンサーンスの交響曲3番等)・・・・・
ということで、家で聴く音楽はコンサートとは全く別物という割切りをしてそれなりに楽しめばよいと。

第2は、「近年(特にここ5~10年の)録音が飛躍的に良くなったレーベルがあり、以前聴かなかった曲、演奏者も聴くようになった」

 例えばブルックナーのような長大な曲は録音が悪いと退屈で聴く気がしなかったが今最も聴く作曲家になっている。以前は著名な演奏家、オーケストラ等しか聴かなかったが、今は録音が細かい所まで再現してくれるので無名の演奏家も聴いて新しい発見に驚いている。

長くなるので今回は取り敢えずこのあたりで。

 

ハイドン チェロ協奏曲第1番、第2番
 
キャメロン・クロズマン(チェロ) ニコラス・エリス(指揮) レ・ヴィオロン・ドゥ・ロワ (1CD)
 
録音 2023年6月   ステレオ・デジタル録音
録音場所 カナダ、ケベック州、パレ・モンカルム
 
 上記の曲は通奏低音の無い編成が主流だが、このCDではアーチリュートの音が良く聴こえリュートを弾くものとしてはついつい手が伸びてしまう。ハイドンの活躍した時期に管弦楽の通奏低音が次第に無くなっていったようだ。
 録音時期が最新ということで音はクリアで隅々まで良く聴こえる。15人程度で小編成の室内楽団のハーモニーに独奏チェロの音が溶け込んで自然なバランスを保っている。
 レ・ヴィオロン・ドゥ・ロワという初めて聞く名前の楽団は多くのCDを出しており更に聴いてみたい気になった。キャメロン・クロズマンの独奏チェロも歯切れのよい演奏で魅力的だ。
 
もう一枚のCD
 
ハイドン チェロ協奏曲第1番、第2番
ナタリー・クライン(チェロ) ミヒャエル・ホフシュテッター(指揮) グラーツ大管弦楽団 (1CD)
 
録音 2017年11月   ステレオ録音
録音場所 ライヴシュテファニーザール、グラーツ、オーストリア
 
 こちらは通奏低音の無い編成でクロズマンのCDとは相当異なるテーストを持っている。
 ナタリー・クラインのチェロは、ガット弦を張った1777年製のグァダニーニだそうだが良い感じと音だ。
 モダンオーケストラの録音でよくあるパターンの独奏楽器を近接マイクで拾い音量も大きめの録音。