先日事務所内の全国研修に参加しました。年に一度くらい研修や大規模ジョブで他の事務所の人と顔を合わすことがあるのですが、今回も他事務所の同年代の仕事ぶりが窺えて非常に刺激的でした。


 研修の題目はリソース管理と時間管理の話で非常に退屈なものだったのですが、時折それらの足りない時の例外対応に話が及んだときは興味深いものでした。問題はリソースや時間が足りない時に何を優先してどう形にするかです。どこを捨てるかということです。


 しかし私が一番感動したのは締めに研修講師をしてくださったパートナーの言葉でした。専門的な部署にいたり海外駐在したり何も特別なキャリアはないとは言いながら、インチャージ時代の経験を語ってくれました。GCの注記を巡ってメインバンクに電話した話、英語もできないのに海外出張に行って現地の経理担当と見積もり項目について議論した話、債務超過をかけて減損の議論を一日中やって夜十時になった話(これは衝撃で最後結局減損してCEOは引責辞任したそうです。)と正直スケールの大きい話に聞き入ってしまいました。物腰穏やかなパートナーです。しかし、一見穏やかな人ほど百戦錬磨で厳しい場面を潜っていたりするものです。裏を返せば何も特別なキャリアが無くてパートナーになったわけですから、それをカバーして余りあるヒューマンスキルを持っておられるのです。


 「君たちの目標をそれぞれ考えてもらいたい。」


 と言って研修は締めくくられたのですが、間違いなく今後数年で私が成し遂げなくてはならないと思ったのは語れるほどの成功経験です。語れるほどというのはすなわち全力プレイであり、挑んだことに満足するのでなく結果を出すということです。特別なことはいらなくて、基本を大切に逃げずに仕事することが大切になってくるのだと思います。

 半沢ブームもありメガバン女子と食事していました。
 いくらか興味深かった話を列挙します。
 
・NISAみたいにCM多いものほど銀行内では人件費かけたくないという背景がある。カードローンも然り。本当におすすめの話は人が丁寧に説明するので窓口にある。
・投資を富裕層に薦めるものの実は日本の実態経済は何も変わっていなくてアメリカに振り回されているだけでは?希望はテクノロジーよりクールジャパン?
・いかにマニュアル通りというだけの理由の不毛な作業を解釈で消すかにわりと頭を使う。
・リテールは女子社会。
・リテールの高齢者向けサービスの需要は拡大するが果たしておもしろいのかといわれると。
・例えば企業の海外進出支援など様々なサービスを実はしているが融資という結果に結び付いてナンボでよそで資金調達されると意味ない。
・サザエさんシンドロームならぬ半沢シンドロームが一部金融機関には見られた。リアルすぎて仕事思いだし気分悪くなったそうだ。
 
 その他監査法人との比較ネタなどもいくらかあり、やはり似て非なる職場との印象を覚えました。
 リスクモンスターという会社が倒産度チェックアプリなるものをリリースしました。

リスモン初のスマートフォンアプリ

 無料だそうです。有料パックでは決裁やモニタリングのサービスも行っているようです。普通の財務諸表分析のチェックポイント、いや教科書よりは実践的で使えるもので、また一つITに人間の仕事は奪われたというところです。

 またスマホアプリの有料コンテンツのハードルはとんでもない秒速でアップしているように思います。
 ジョブ採算が直近の課題である。

 昔からそういう考えはあったが今特にヒートアップしている。2,3年前くらいまで私には経験値バイアスというのがあった。元々サボりぐせのある私は不要なものを見抜く技術は高く、即座にこれは重要じゃない仕事だと思えたものもいっぱいあった。しかし一方で経験値不足と圧倒的な機会の枯渇を認識していたので気づかないふりして一生懸命取り組み経験値を稼いでいたのである。

 今日もまたジョブとして重要ではないが私の成長には重要であった業務が一つ消えた。何が重要かは個人とチーム、組織で異なる場合がある点に留意しなければならない。そして立場に応じて対応を変えないといけない。もう経験値バイアスは卒業で、これからは人に役立つ重要な仕事に時間を割くのです。
 半沢の最終回でした。ラストは本気と本気のぶつかり合いでドラマとして非常に質が高く面白かったです。

 ところで半沢さん、なぜ目的を果たしたあと辞めなかったのでしょうか。もはや大和田さんに土下座させたらあんな銀行、長居は無用では?と思いました。起業したり会計士になったりすればいいのにね。

 半沢さんはグループ内の証券会社に出向を命じられました。私が頭取なら、不採算だったり疑惑があったり、まあ問題のあるところに彼を出向させるでしょう。やられたらやり返すって言って面倒をことごとく解決してくれるならそんな便利な人材はいません。頭取に彼が従うことが前提ですが。きっと出向させられたら倍返しのモチベーションで誰もやりたがらないような問題解決してくれるのでしょう。

 世の不合理に倍返しするというのは極めて正しいことだと思います。でも私はもっと違ったストーリーを秘めて正しいことをする人の方が好きだな。倍返しが目的になってしまい倍返しの螺旋にはまるのは、正しかったとしてもどこか虚しいのだと思います。

 でも半沢さんは満足そうでした。いわゆるどや顔です。この辺に彼の認めてもらいたい誉めてほしいオーラが漂っており、器の小さいやつだなと思ってしまったところでした。

 どんな大義があって仕返しをしたとしても、仕返しは所詮仕返しです。自分の欲望が満たされる、ただそれだけです。