原発事故以来、2つの春を耕作されなかった田んぼは土が乾き、せいだかあわだちそうが好む環境となり
3メートル近くにもなる程生い茂ったそうです。
放置すると来年あたりからネコヤナギが1面に生え、耕作地が雑木林に戻る自然の第1歩が始まってしま
うのです。
除染ではありませんが、田んぼを守る為の努力が地域でなされています。
せいだかあわだちそうが刈り取られ、すっきりとした田んぼは風が渡り空間線量は低いようです。
但し、間違わないように付け加えると、飽くまでも今現在流れて行く空間線量だけの事であって、既に
放射能を吸着した田んぼの土は汚染されたままなのです。
検問をすり抜けて入り、隣家の鉢植えの薔薇や山草を畑や木陰に随分移植しました。
でも、草に覆われ見る影もありませんでした。
色づく事もままならず、必死に花を咲かせた薔薇に出会いました。
草取りまでは来れなかった! ごめんね‥。
馬屋に泊まる(違法)なら明日迎えにきてやるぞ‥とからかわれたけど、やっぱり今は怖い感情が先立ち
やめました。
レスキュー当時は1人で灯りも点けられず息を潜めて2泊位しても、緊張していたせいか、かえって楽しか
ったけど。
帰り道、捨てられて2~3日しか経っていないと思われる綺麗な猫を見かけました。
最近、捨てに来る人がいると聴いていましたが、正に目撃してしまいました。
もう小高の山沿いにはレスキューの人達は来ません。
あの猫はこの秋~冬~遅い春までを生き延びるのは難しいでしょう。
原点に戻り、怒りを力にと思って来て見たけれど、どうしようもない時の流れの前に為すすべも無く、
すごすごと仙台へ帰ってきました。