朝のりんちゃんの散歩。
気温は低くても、梅の蕾が細い枝先までびっしりと付き、花色が覗いています。
雪でも氷点下でも凍結しないで着実に春の準備をする木々達の姿に勇気を貰いました。
晩秋の頃、冬の到来を告げる恐ろしいゴーッという風音に、その年の緑葉を全て剥ぎ取られ幹や枝先
までもが顕わになった山の頂きも、微かに春の色をまといはじめています。
私が愛してやまない東北地方の美しい風景です。
死の世界を見るような灰墨色一色の恐ろしげだった山が、木々の枝先に春を待つ色をまとい
ぽ~っとした温かさを見せ始めます。
ピンクに薄紫に灰色が混ざったような、何色とも表現しにくい「春の色」 です。
この風景は常緑樹の森には有りません。
この景色が幼い頃の私の原風景となり、いろいろ土地を見て歩く中、自然が豊かな阿武隈山系の
恵みの有る福島県をついの住処に選んだのでした。
津島、浪江、葛尾、飯館 等々美しい山々に抱かれ清流が流れる美しい大地は、木々の春色衣に見入る
住民が居ません。
大地と僅かに残った人と…残された動物達だけ。
山に命が動き始めるのは5月です。
あと2ヶ冬と命の攻防戦の時間です。