その年も天狗雲や龍神雲に逢えず拝殿前でうろうろしていたら、丸坊主の外人さんが法螺貝を抱えて


参拝しています。


アメリカ人で日本語ペラペラ、仏教に帰依したお坊様で宗教学の教授でした。


その方は下へ降りると言って林の中へ消えていきました。


さぁ~て帰るか‥と思ったら法螺貝の音色が響いてきます。


大好きな法螺貝の音色を聴いては、じっとして居られません!


杉林の中の急な坂道を800メートル降りると、お寺が有りました。


それが今回火渡りに来た秋葉寺だったのです。


その年は日帰りの予定の為、夜9時からの火渡りに参加する事は不可能で、後ろ髪を引かれながら


帰京せざるおえませんでした。


そして翌年から宿泊しての火渡り行事に参加するようになったのです。


奉られているのは秋葉三尺坊大権現という方で、修行を積み人間で初めて大天狗になったと伝えられて


います。


そして2年目にまさかの奇跡的体験をして、秋葉三尺坊大権現への畏敬の念をしっかりと持つようになり


ました。


奇跡的体験については、ここで語るのは相応しくありませんので割愛させて頂きます。


秋葉山信仰の真髄は神社では無く、秋葉寺なのですが、明治政府の神仏分離政策による寺の破壊で


壊滅的状態に追いやられてしまったのです。


お寺は山頂を神社に明け渡して下り、杉平に再建されましたが、秋葉三尺坊大権現出現霊場としての


信仰の寺であり、葬式などをあげる檀家を持たない寺ですので荒廃が進み悲しい限りです。


しかし、まだまだパワーが有るお山です。


そして今年‥… 被災して9ヶ月、心が悲鳴を上げ初めていました。


りんちゃんも居るし、とても参加は不可能と諦めていたのですが、周囲の方々の暖かいご協力で出掛け


る事ができました。


そしてまさかの御分身を戴く事もできました。


そして、何より疲れた体にエネルギーを補充して頂きました。


マイカーやバスで乗り付ける事が出来ない秋葉寺。


だからこそ静寂が保たれ、清い場所のままで有り続けているのでしょう。