お家の全てを見下ろすあなたの小屋は、番犬としてのプライドを発揮するのに最高な場所でしたね。


キリリと尻尾を巻き上げた芝の若犬は清く凛々しく、警戒してなかなか水を変えさせてくれなかった…


けど…未だ若くお腹ペコペコなあなたは、甘い玄米ご飯の魅力に勝てず、日々なついてくれて散歩を


してあげられるまでになりました。


ある日、私の貼った連絡票が剥がされ、あなたの前におにぎりの残りが転がり…


リードが外されていました…どんなに切なかったか…


飼い主が最後の別れに訪れたことがわかりました…


あなたは未だお家を守っていたけど、「もうご主人は帰って来ないよ!一緒においで」 とリードを付けると、


素直に車に乗り馬屋にきましたね…賢く可愛いあなたの事だから、きっと良い里親さんに巡り会えたと


信じています。


馬屋で一緒に暮らしたかったけど…諦めたの…


かなり後で飼い主の親戚の方から電話が有り、あなたのご主人は老夫婦で奥さんが避難所で体調を崩し


てしまい、もうあなたが待つ家には帰れなく、親戚の人に頼んでリードを外してもらったんだって…


あなたが保護された事をとても喜んでくれましたよ…


あなたの山の家は質素ながら整頓され無駄が無く、そのまま借りて住みたい位でした