原発事故の後、友人から「犬や猫の命を繋いでビックリマークと頼まれ、真っ先に頭に浮かんだのが山で


番犬として飼われているあなた達でした。


まだ雪が舞う寒い中、馬屋仕事を終えてから午後の3-4時間を使い、国道114号に向かいました。


燃料が未だなかなか買えず、20リットル買っては10リットルを使う旅でした。


僅かな時間を給油の為にも浪費して…


そう…まるで毎日スリリングな小旅行をしていたようなものでしたね…。


山のお家は離れて点在しているため、国道沿いのお家を覗きながら、姿を見つけると降りて餌と水を


あげていました…。


リードが絡まり雪に埋もれるようにしてガタガタ震えていたあなたは、飢えきって凶暴で、とてもリードに


手をかけられる状態じゃなかったね…。


可哀想だけど餌と水を与えて三日目にやっと絡まったリードをほどきました。


人の家の椿の樹を切るわけにもいかず…絡まらないように工夫して…


次のお家は小高い山肌に建ち、裏の斜面にはミツバチの巣箱が有り、お家の裏には山水がとうとうと


流れ、南斜面には猪除けのトタン板で囲まれた小さな畑…畑の隅にはコンポスト…


あなたのお家は全てを見下ろす一段高い所に有り、眼下には渓流が流れる様が一望できましたね…


(続く)