あの時なんで追いかけなかったんだろう
なんで手放してしまったんだろう
そして今、俺の目の前にいる潤は俺の事を知らない
「桜井さん、いつもお世話になっています、紹介します私の手伝いをしてくれている松本です、たまに会社の医務室にも顔を出すと思うので、これからよろしくお願いします」
「松本と言います、先生のお手伝いをしています、まだ新米ですがよろしくお願いします」
「・・・・」
「桜井さん?潤と知り合いなのかい?」
「いえっ、随分ハンサムなので見とれてしまいましたよ、すみません」
「そうでしょう、松本くんは美男子だ」
「先生ったら」
そう言って潤は頬を染めていた
潤はこの先生に恋してると直感でわかった
何故?俺だと分からない、わざと知らん顔をしているとは思えない、それにここの会社に何度も来ているはずなのに、今日初めて来たかのように
潤、この1年でなにがあったんだ
ふたりの後ろ姿をずっとみていた
潤との最初の出会いは高校時代、俺が高校3年、潤が新入生として入学してきた時
女子が可愛い子が入学してきたと騒いでいるから一度見てやろうと、友達数名と1年の教室を覗きに行った
その子は探さなくてもすぐに目に入った、他の奴らが霞むほど輝いて見えたから
「松本?」
声を掛けるとこちらに顔を向けた
正面で見ると一段と目を見張る可愛さで、ずっと見てくる瞳に吸い寄せられそうだ
「松本、下の名前は?」
「・・・潤です」
「可愛いじゃん」
松本はほっぺを膨らまして
「可愛いは女の子に言ってください、僕、っ俺、男です」
そう言って教室を出ていこうとしたから
「ごめんごめん、悪気はなかったんだ、俺3年A組の櫻井翔っていうんだ、よろしく」
「・・・よろしくお願いします」
それからというもの廊下ですれ違う時はお互い挨拶を交わすようになり、下校に偶然会ったりすると一緒に帰ったりもした
仲良くなるのにそんなに時間はかからなかった
ふと、出てきたので書いてみましたが、なんたって続きを思いついたまま書いてるのでごめんなさい
良かったら読んでやってください┏○ペコ