イランの核施設攻撃 | 鬼川の日誌

イランの核施設攻撃

  中東情勢の緊迫化

 

 

 

  12日、インド航空機事故に驚いていたら、13日イスラエルが

 イラン攻撃を開始し不穏な気持ちが一挙に増した。

  イスラエルはイランの核関連施設、核科学者や革命防衛隊、

 軍のトップを狙って100ヶ所以上を攻撃した。それらの居場所を

 諜報機関が事前に把握していたということだ。

 

  やられ放題のイランは当然報復を宣言し、テルアビブ他への

 無人機やミサイル攻撃を開始した。ほとんどは防空網により撃ち

 落としたとイスラエルは言うが、何発かは着弾したようで市内に

 被害が出ているようだ。(100発以上の一気の攻撃で防空網を

 かいくぐる「飽和戦術」。人口密集地を狙い相当本気のようだ。)

  双方ともさらなる報復の応酬にならざるを得ない。

  中東は一気に緊迫してきた。

 

  イスラエルはトランプの思惑を蹴飛ばしてのイラン攻撃でトラ

 ンプの手綱が効かずメンツを潰す格好になったが、それでも

 トランプはイスラエルを支持せざるを得ないことを見込んでの

 攻撃開始だったようだ。しかしイランはミサイル攻撃などだけで

 収まるはずもなく緊迫の度合いは高まる。

 

  トランプは米国内も掻き回している。

  不法移民の排除のノルマを課せられた当局の強引な捜査と強制

 退去に抗議するロサンゼルスのデモ隊の一部が暴徒化したことを

 口実としてトランプは、州知事の権限を無視し、その抗議を無視し

 て州兵を動員しこれの鎮圧を開始した。さらに州兵の数を増やす

 だけでなく、海兵隊の派遣も決定した。(明らかに民主党の州知事

 ニューサムを潰したいようだ。)

  移民政策についてはまだトランプへの支持が高いのを支えに

 トランプは内乱を挑発している。

  更に自分の誕生日にワシントンで軍事パレードを強権的に決行し 

 当然のことながら全米各地でこれへの抗議デモが広がっており、

 アメリカの政治的分断がいよいよ深刻化している。

 

  

  * ネタニヤフの思惑

  トランプの要請を蹴って、ネタニヤフはイラン攻撃を開始した。

 トランプは完全にコケにされた。イランが報復攻撃を開始するのは

 確実で中東情勢がが一気に緊迫する。ネタニヤフの思惑は何なのか? 

  ネタニヤフは長年、イランの核兵器開発をイスラエルにとっての

 「存在の脅威」と位置づけ、その阻止のためには軍事力行使も辞さ

 ないとしてきた。トランプのイランとの新たな核合意がイランの核

 能力を十分に制限しないと懸念し、軍事的手段に打って出た。

  ** 他方ネタニヤフは、国内で汚職疑惑やガザ地区でのハマスとの

 紛争を巡り、強い批判にさらされ国民の支持率が低迷し、退陣を

 求める声も高まっている。

  イランへの強硬な軍事行動に出ることで、国内の世論を「国家の

 危機」に集中させ、目を逸らせるいつもの手だ。

  ネタニヤフは、イランが弱体化していると判断し、今が軍事攻撃

 の「絶好の機会」であると考えた。イランの報復能力が一時的に

 低下していると見ている。

  トランプがイランとの直接協議を進めようとする姿勢に対し、

 ネタニヤフは不信感を抱いていた。

  イランの核能力を削ぐことで、中東地域におけるイランの影響力

 を低下させ、サウジアラビアなど、イランと対立するスンニ派諸国

 との連携を強化する。

  これらの思惑でネタニヤフは今回の攻撃に踏み切ったと考えら

 れる。しかし、イランの報復は避けられず、中東地域全体が大規模

 な紛争に巻き込まれる可能性が極めて高まり、国際社会に深刻な

 影響を与えることは必至です。 

     (*以下はジェミニの分析を借りて要約したものです。)