トランプ大乱
トランプ関税が引き起こす世界の大混乱
トランプは2月4日に中国からの輸入品に10%の追加関税を掛け
たのを手始めに、3月4日にはメキシコとカナダにも追加関税を
発動。
12日には鉄鋼、アルミニウムに25%、4月3日には自動車にも
25%の関税を発動した。
さらにトランプは「相互関税」を強行。
5日から全ての国に10%の関税。9日から各国ごとにこれにさらに
上乗せの関税を掛ける。日本には+14%で計24%。中国は34%。
日本は米国に46%の関税を掛けているからその半分だという。
この46%という数字が根拠が全くないもので「相互」などデタラメ。
(どうやら米国の対日貿易赤字額を輸入額で割った割合らしいが、
こんなものは関税とは関係もない。しかしトランプは根拠などどう
でもいいらしい。)
強気な中国は早速同じ34%の関税を米国からの輸入品にかけると
報復措置を打ち出した。カナダ、EUも報復を検討している。
対米従属国日本はそれどころではなくトランプの顔色を窺うばかり。
当然激化する世界中を巻き込んだ貿易戦争と世界経済の混乱を前に
ニューヨーク株式市場では米国株が劇的に値を下げて、釣られて日本
を含めた世界中の株が大暴落した。
特に米国債が暴落し長期金利が上昇し始めたことに危機感を持った
トランプは相互関税の上乗せ分の発動を開始してからわずか13時間後
これを90日間停止すると発表せざるを得なかった。
しかし中国とは関税の報復合戦を繰り広げ中国への関税は145%
とし、中国も米国へ125%の関税を掛けるなど応酬が続いている。
だがほぼ中国で生産しているアイフォンなどの電子機器の値上がり
が問題となり、一旦はこれらは除外するなどと混乱している。
(この関税は半導体などと合わせてどうするかこれからだとか。)
基本方針がブレにブレながらもトランプは各国が関税の引き下げ
を求めて「こびへつらってくる」と自慢している。
お得意の「ディール」に持ちこめているというわけだ。
そのトップバッターが日本だ。
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これをトランプは世界中の首脳が「私の尻にキスをしている
(kissing my ass)」と表現したそうだ。「媚びへつらう」のスラング
らしいのだが、これでケネディ暗殺後大統領になったジョンソン
(黒幕の一人と言われる?)のことを思い出した。
ジョンソンは部下に「俺が欲しいのは俺のケツにキスして何と
かぐわしい香りだという(ほど媚びへつらう)奴だ」と言ったらしく、
米国大統領というのは知性のかけらもない下劣な奴がなるものらしい
と感心した覚えがある。今のトランプ政権の閣僚どもは皆トランプ
のケツにキスする奴らばかり。
イラク戦争を始めたブッシュ大統領のあの「下卑たケタケタ笑い」
もそうだが、トランプも彼らに負けない歴史上の反知性人物という
わけだ。
問題なのはこうしたものの方が支持を集めて大統領になれるという、
半数の米国民のテイタラク、衰退にある。そして一番の支持基盤と
なっている、未だに「進化論」を学校で教えることにすら反対する
キリスト教原理主義者という「反動」たちが根強いという現実だ。
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一日でいや半年で終わらせるとしたトランプの放言は何処へやら、
ウクライナ戦争では、プーチンにいいように手玉に取られている。
「停戦」交渉など何処かに消えて、むしろロシアのウクライナに対
する攻撃が激化するばかりで、苛立つトランプはゼレンスキーに
八つ当たりする始末で、プーチンを喜ばせているだけ。トランプは
本当は「ロシアの代理人」ではないかという憶測があるくらいだ。
ガザでも「停戦」が崩壊した後、イスラエルはガザ全域を分断する
「回廊」を引きまくり、ガザ全体の5分の1ほどを占める地域(南部の
都市ラファを含み、約20万人が住んでいた)一帯を住民の立ち入りを
禁じる緩衝地帯にする準備(ラファの全ての建物を破壊する)を進め
ているらしい。
事態は深刻化するばかりだ。