大喧嘩 | 鬼川の日誌

大喧嘩

  ノーベル平和賞が欲しいトランプ

 

 

 

  プーチンと取引してロシア優位だろうがお構いなしで、ともかくも

 一時的な「停戦」をウクライナに押し付け、しかもこれまでの援助

 と引き換えにウクライナの鉱物資源の開発権を米国の手に入れようと

 する強欲さをむき出しにし、「和平」を実現した大統領としてあわ

 よくばノーベル平和賞をもらいたいとするトランプの露骨な策謀は、

 停戦後の保証が何もない事に反発したゼレンスキーの抵抗に合いもの

 の見事に頓挫した。

 

  「停戦」がともかく実現したとしても(これ自体が多分ウクライナ

 の望まない形で)、その和平を持続させる力がない限りまたプーチン

 の再侵略に怯えなければならないウクライナとしてはあまりにも

 当然の反発である。

  

  しかしこれまでの軍事支援は米国(バイデン政権時代)が圧倒的

 であり、米国の支援なくしてロシアの攻勢を抑えることは先々困難

 を極めることが明白なウクライナとしては、今権力がトランプに

 ある以上(トランプ政権内で早速支援打ち切りの強行案が取り沙汰

 されている。しかし米軍産複合体がこの巨大な儲け口を手放すとは

 到底思えない。)これとの関係修復をEUの仲介で模索せざるを得ない。

  ゼレンスキーは窮地に追い込まれているし、当面はトランプほど

 停戦を焦るまでもないプーチンは高笑いだな。

 

  * ガザ

 

  ガザの停戦は第1段階が終了(3月1日)したが、第2段階への

 協議入り(恒久停戦とイスラエル軍の完全撤収)を巡り、何も合意

 がないまま期限をすぎてしまった。ただイスラエル、ハマス双方共

 即戦闘再開は望まず危うい停戦状態は続いている。

 

  2日イスラエルはガザの停戦を4月後半まで(イスラム教のラマ

 ダン期間とその後のユダヤ教の祝祭期間、4月20日頃まで)延長する

 米国の提案を受け入れると発表。

  しかしハマスは第2段階の協議入りを回避する試みだとして反発し

 ている。(実際トランプの「ガザ住民追い出し」提案以降イスラエル

 は「ハマス壊滅」方針を強め恒久停戦協議入りは当面やるつもりも

 ないようだ。)

 

  イスラエルはハマスが米提案に応じないとして、ガザへの支援物資

 の搬入停止を決めたとし双方の駆け引きが激化している。これでは

 ガザの深刻な人道状況は改善されないが、ともかく停戦状態はなし

 崩し的に続いているようだ。これまたどうなるやら。

 

  * 令和の米騒動

 

  政府の備蓄米放出決定にもかかわらずここに来ても米の値段が上が

 り続けている。どうやら一部業者の流通段階での高値転売目的での

 買い占め、備蓄、隠匿などの動きで簡単に米がなくなってしまうほど、

 そもそも米が本当に不足しているということらしいのである。

 

  政府による減反政策は中止されたことになっているのだが、事実上

 の生産調整策がずっと続いており、ここにきて明白に米の需要が生産

 を上回ってきていたのに、政府(農政)がこれへの対応を誤って生産

 を増やすことが出来なかったことが明らかとなっている。

 

  米農家の高齢化、人手不足、米を作っているだけでは食えないなど

 米農業の危機はずっと叫ばれ続けてきていた。だが政府(農政)は

 文字通り「無策」でそれに対応できなかった、それが米不足として

 露わになったということのようだ。

 

  米に限らず食料品全般、またほぼ全ての商品の値上がりが続いて

 いるし、掛け声にもかかわらずほとんどの中小企業では賃金は上が

 らず、実質賃金の目減りは続いている。エンゲル係数は高くなる一方。

  先々トランプ関税で、またトランプによる一層の防衛費増要求で、

 日本の経済は追い詰められかねないのだから、庶民の生活はますます

 苦しくなるばかりだ。