マイクロプラスチック
マイクロプラ人間の体内へ
「温暖化」は嘘だとして、石油やガスを「掘って掘って掘りまくれ」
とするトランプは、「環境問題」などは左派のでっち上げだとする。
当然のことながらプラストローから紙ストローに替えることなどは
どうでもいいことだとして、トランプはこれを止める大統領令に署名
したとか。
一事が万事この調子だがそこには現代社会の抱える矛盾に対する
底知れぬ無知が、恐ろしいほどの鈍感さが露出している。これが
トランプ派の言う「常識に基づく革命」(一時代前の常識に戻す革命、
要するに反動)ということだ。
今海はプラスチックゴミで溢れかえっている。プラスチックストロー
が鼻に刺さったウミガメの映像はこの問題を象徴していた。
このゴミが波に砕かれ極く微小な破片(マイクロプラ)となって魚
が餌と一緒にこれを採り込み、そして人間が魚を食することにより
結局人間が体内にマイクロプラを取り込んでいることがとっくに問題
となってきた。
先日富士山頂での空気の採取で、空気中にもマイクロプラが検出さ
れたことがニュースになっていた。富士山頂でということは下界では
さらに濃い濃度でマイクロプラは漂っているわけであり、当然ながら
我々は呼吸で体内に取り込んでいる。
プラ製品自体からも微量ではあれ溶出していると言われているし、
プラスチックの成形に使われる有毒な添加剤(化学物質)も、プラの
劣化に伴い溶出し、人間の体内に取り込まれている。
既に人間の血液中からマイクロプラは検出されている。
問題は血液中にそれが蓄積していった場合どんなことになるのか!
その毒性である。
今水質汚染でPFASが大問題になっているが、要するにこうした
日常生活を「豊かにする便利なもの」に取り囲まれて生活している
現代に生きる私たちは、あまりに化学物質にまみれてしまっている。
結局私たちはそれらを体内に取りこみ、そしてその影響がどのよう
に現れるか?の壮大な人体実験のモルモットにされているようなもの
なのだ。
もちろんトランプ自身や先がない老人はその毒が体に回り影響が出
る前にあの世行きだから心配するまでもないのだが、問題は世界中の
これからの若い人たち、特に異物、化学物質に敏感な子供達だ。
マイクロプラは動脈硬化症の人の「プラーク」からも検出されて
いるらしいから、少なくとも動脈硬化などを引き起こす引き金の
一つなることは確からしい。
当然いい影響などあるわけはないことが分かっているからこそ、
儲けるから、便利だから、今が良ければ、などという無知蒙昧を超
えて(トランプはプラで儲けている奴ら、石油業界などの代弁者で
しかないということだ)、どうすればプラスチック製品の製造、
使用を減らせるか、それに代わるものはないのか、プラごみを減ら
せるか、海のプラゴミをどうすれば回収できるのか、マイクロプラ
を取り込まないためにどうすればいいのかなどが模索さなければなら
ないのである。
紙ストローはそのうちの極く小さな試みの一つでしかなく、それで
なんとかなるわけもないのは当然だが。
これまでの世界中の政権がプラ問題の解決に少しは前進したとは
とてもいえないとしても、トランプのような業界の代弁者が米国の
トップでは矛盾がさらに蓄積、深刻化するしかない。