通信機器の爆発 | 鬼川の日誌

通信機器の爆発

  イスラエルの非道

 

 

 

  レバノン各地で17日にはポケベル、18日にはトランシーバーなどの

 通信機器が相次ぎ爆発した。数十人が死亡数千人が怪我をした。

  死者のほとんどはヒズボラの戦闘員といわれているが子供たちも

 巻き込まれ死んでいる。その他太陽光発電機器なども爆発したとか?

 

  爆発した通信機器は数ヶ月前、スマホ、携帯電話などの通信機器が

 イスラエルに傍受(諜報)され、動きを掴まれることを懸念したヒズ

 ボラの指導部がスマホなどの携帯を禁止する指令を出し、代わりの

 連絡用にポケベルやトランシーバーを使うことにして発注したもの

 だったらしい。

 

  爆発したポケベルはこの動きを掴んだイスラエルの諜報機関モサド

 が、台湾製のポケベルをベースに(模造?)して、ハンガリーに設立

 したダミー会社で中にプラスチック爆弾を埋め込んで製造したものと

 いわれており、トランシーバーは既に生産を終了した日本製品(模造)

 が使われたらしい。これらが遠隔操作により一斉に爆発した。

  

  イスラエルの諜報機関にヒズボラが完全にしてやられたのは間違い

 ない事だが、一般市民が日常使用するものが武器に使われたのであり

 非戦闘員、子供が巻き込まれることを前提とした無差別テロそのもの

 である。今も止む事のないパレスチナ人の虐殺で遺憾無く発揮されて

 いるイスラエル指導部の非道、非人道性がますます露わになった。

 

  国連がこれに懸念を示したが、欧米、日本などはイスラエルを完全

 に容認している。

 

  *

 

  イランテヘランでのハマス指導者ハニヤの暗殺や今回のヒズボラへ

 の通信機器爆弾の送りつけ、などのイスラエルの諜報機関の動きを見

 ていると、今なお続く今回のガザ戦争の発端となったハマスによる

 イスラエルへの越境攻撃の動きを(エジプトですら掴み警告したと

 いわれているのに)掴めず、むざむざとそれを許したということが

 ありえないことだと思われてならない。

 

  ネタニヤフはある程度動きを掴んでいながら、ハマスによるイスラ

 エル人攻撃に対する憤激を煽り、「反撃」の得難い口実を作るために

 あえてやらせた、しかし想定以上のダメージを受けてアタフタしたと

 いうのが本当に近いに違いないのである。

 

  この自国民の犠牲が出るのをあえて黙認した犯罪的手口を隠蔽する

 ためこそ、ネタニヤフは何としてもハマス攻撃、パレスチナ人虐殺を

 止めるわけにはいかないのだ。(少なくとも越境攻撃を許したことは

 イスラエル国民に告発されている。)

 

  *

 

  それにしても通信機器といえば傍受される危険性を念頭に置くこと

 だったが、これに爆弾を仕込み相手を個別に殺すという手口は何だか

 一線を越えたようで気がかりだ。何せ日常一般に使用するものだ。

 

  この手口は権力者(諜報機関)が今回やったように相対立する戦争

 当事国の一般市民に襲いかかってくるだけではなく、紛争だらけの全

 世界のどこでも色々な組織に真似され、形を変えながら爆殺攻撃など

 に使われるだろうことは明らかだからだ。

 

  爆発テロの直後からイスラエルはレバノン南部を徹底的に爆撃して、

 さらにヒズボラの司令官、戦闘員を殺害したと得々と発表している。

  ヒズボラもイスラエル北部へのミサイル攻撃で応戦しいよいよ緊張

 が高まっている。イスラエルはガザからレバノンへ比重を移している

 ようで、ネタニヤフはともかく戦争を続けられればどこでもいいという

 構えのようだ。戦争が続く限り戦時内閣は続投できるからだ。

  そしてこれだけの武器を供給し続けているのが米国だ。

  

  イスラエル軍は21日にも多数の戦闘機でレバノン南部を「大規模に

 攻撃した」と発表した。まさにやりたい放題。