処理水放出1年
これも見通しなし(「破綻」の続き)
トリチウムを含む処理水の海洋放出が始まり24日で一年になる。
これまで7回、5、5万トン(今8回目が始まっている)が放出され、
敷地内の汚染水や処理水は現在約130万トンで、3万トンほど減った
そうだ。
処理水放出に対する中国の反発などで漁業被害は続いている。
22日核燃料デブリを微量取り出すことすら失敗して廃炉の展望は
何処にもないことが露呈したが、この大量のデブリに原子炉建屋内に
流入する地下水や雨水が触れることにより今も汚染水が増え続けて
いる。昨年平均で1日あたり80トン、年間3万トン弱。
要するに増える分+少々を捨てたに過ぎない。これまで基準値(?)
を越えるトリチウムは検出されなかったとはいえ、デブリは取り出せず、
増え続ける汚染水を止めることができない以上これでは先の展望は何処
にもない。基準値内とはいえ海を汚染し続けることは変わらない。
更に汚染水を処理し取り除いた放射性物質で高濃度に汚染された
汚泥が増え続けることになる。今これを保管する容器が4500基以上
あるそうだが、既に95%以上一杯で、東電は増設するとしている。
(高レベル放射線で容器が劣化するので絶えず新しい容器に移し
替える必要もあるという。)
これも最終的にどうするのか、東電は脱水、固体化を考えている
らしいが、何ら具体化していない。これもまた先送り。
高レベル放射性廃棄物が行き場なく増え続ける、これもその一つ。
* 使用済み核燃料再処理工場完成目標の27回目!の延期
日本原燃は23日に「核燃料サイクル」なるものの中核で、93年に着工
した六カ所村の再処理工場の完成目標を24年上期から26年度内と2年半
程度延期すると表明した。
なんと27回目の延期で30年以上になる。こんなのを延期というのだ
ろうか?ふざけた話だ。
同時に同村で建設中のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料
加工工場の24年上期の完成目標も延期が表明されている。
要するに「核燃料サイクル」政策なるものは何処にも展望がないこと
がとっくに暴露されているのに、あたかもまだ望みがあるかのように
取り繕うことだけが目的なのだ。
原発を稼働することが全ての悪循環の始まりである。地震列島に原発
は危ないというばかりではなく、原発の運転こそが諸悪の根源である。
(「東京新聞」8、24)