破綻
嘘の上塗り、原発稼働、米軍基地
自民党の総裁選ほど有象無象(数が多いだけでつまらない人や物)と
言う言葉がぴったりなことはないな。「セクシー」とか言ってその言葉の
意味を自分でも説明できなかったかなり危ない小泉が人気とか?次に
危ないのがデジタルファシスト河野とか、格好つけてるが実は安倍派と
知られればそれまでといわれる小林とか。
それにしても見事なほどバラバラ。問題はこの話題作りにマスコミが
手を貸して賑やかし明確に自民党の延命工作に加担していることだ。
しかし立民も似たような怪しげな情けない状態だな。
* 原発再稼働
22日、東電は柏崎刈羽原発の1〜5号機の廃炉の「検討時期の前倒し」
と引き換えに柏崎市長から6、7号機の再稼働容認の言質を引き出した。
そもそも検討時期の前倒しなどという訳の分からないことで容認する
なんてのは、東電と市長との露骨な馴れ合いでしかない。
原子力マフィアは柏崎刈羽原発の再稼働を当面の目標に、規制委に
敦賀原発2号機の再稼働申請を不適合とする布石(推進委ではないよと
面を被ったつもり)を打たせ、また柏崎刈羽原発の使用済み核燃料を
むつ市の「中間処理施設」に受け入れ(「最長50年」!)させた
ばかりである。
原子力マフィアは両市長の頬を札束で張り倒したに違いない。
次に規制委が柏崎刈羽原発の再稼働を容認する手順だったのだろう。
その途端福島原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の微量の取り
出し作業が「初歩的ミス」で中断された。880トンといわれるデブリを
数グラム取り出すことすら思うにまかせない。
福島原発事故炉の廃炉が「復興の大前提」とかいわれ、東電は廃炉を
30年と目標にしているらしいが、そんな目標は単なる誤魔化しで嘘だと
いうことが白日の下に曝け出された。
「廃炉作業を『やってる感』を出す」ことすら破綻した。
「核燃料サイクルの確立」だとかそのための「再処理工場」の稼働など
が何十年も(数年ずつ先送りを続け)結局上手くいかず引き伸ばされ
続けているが、まだ展望があるかのようにいうのと全く同じ誤魔化し
スタイルを取ろうとしている。
「廃炉検討(!)時期の前倒し?」「中間ではありえない中間処理施設」
(展望がどこにもない核燃料サイクル、再処理工場、高速増殖炉)
「出来もしないデブリの取り出し」など原発稼働は虚偽の上に虚偽を
重ねてかろうじて成り立っているに過ぎない。
「南海トラフ地震」注意報についてはいつこれが震源域にある伊方原発
などに対する危険信号に燃え移るか、原子力マフィアは気が気でなかった
に違いない。大地震注意をいうなら当然震源域の原発に注意意識を振り
向けるべきなのだが、これを避けることにマフィアどもは必死だった。
日本は地震列島で原発などを稼働する余地はどこにもない。
* 辺野古基地建設
20日、辺野古沖の軟弱地盤に杭打ち作業が開始された。文字通りドブ
に金を捨てるような理不尽。この基地建設は12年ほどかかるといわれて
いるがそれも単なる願望以上のものではなく作業の変更延期は不可避。
しかも出来る滑走路が普天間基地のそれより短いという。
だから米軍関係者自身が辺野古移設は最悪の選択と言っているらしい。
現に普天間基地自体の整備にも多額の金(日本側の負担)が注ぎ込まれ
ていて、これではお題目の普天間基地返還すらどうなるか分かったもの
ではない。
日米軍は沖縄における軍事基地の強化だけが眼目であるから、辺野古
がどうなろうと当面普天間基地機能が強化される、しかも最低でも12年
先までは保証される(ほぼ先に伸びる)ならそれでいいのだろう。
多額の税金をドブに捨てるだけ。こんなバカなと思うなかれ。
日米政府にとっては基地強化、同盟強化のためならなんでもありなのだ。
それにしてもドブに金を捨てる明白な理不尽を修正する一言すら
(米軍側も最悪と言ってるのに)米側に言い出せないポチ根性は不思議
ですらある。それだけ米側が強欲なわけだ。
* 浦添市にも
更に沖縄県庁近くの米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の返還と引き換え
名目で、浦添市に代替の軍港を建設するというもう一つの移設計画が
あり、防衛省は月内にもボーリング(掘削)調査を始める見通しとか。
これも返還、移設名目で新たなより強化された(原子力空母などの
大型艦が入港できる)軍港を建設するのが目的なのは明らかだ。
一体沖縄県を丸ごと基地化しようとでも言うのだろうか!
(「東京新聞」8、23)