アジサイと日本の土 1 | 鬼川の日誌

アジサイと日本の土 1

  アジサイと日本の土(黒ボク土)

 

 

  * 能登半島地震

 

  能登半島地震から5ヶ月が経過。石川県で災害関連死30人を含め260人。

 (3人がまだ行方不明)

  仮設住宅は4443戸が完成したが、避難者は3300人以上(まだ学校や公

 民館など1時避難所に1700人以上)もいる。

  最大11万戸に上った県内の断水は当初3月末復旧を目指したが、2ヶ月

 遅れて困難な1800戸強を除き解消したと発表された。

 

  膨大な被災家屋の解体が手続き上の問題もあり未だにほとんど進んで

 いない事が大きな問題のようだ。

  そもそもの公的支援を受けるための住宅の被害認定に不服が相次でいる。

 1次調査約13万件、2次調査1万8千件(1万5千件完)、更に3次調査が始

 められているそうだが、調査する側、自治体側の人手不足が大きい。

  生活再建の出発点の遅れが際立っている。

 

  * アジサイ

 

  アジサイの季節です。アジサイの花は酸性土壌では青色、中性で紫色、

 アルカリ性で赤色と変化することが知られています。そして実際にはほぼ

 同じ場所でも色が違ってます。(下の写真)

  (実はこの花びらのようなものは装飾花で、ガク片が変化したもの。

  真花は掻き分けないと見えない。ガクアジサイは真花が真ん中に集まり

  周りに装飾花が額縁のようにあるからこれがよく分かる。)

 

     

     

 

  アジサイの発色のベースはアントシアニンで、酸性土壌でアルミニウム

 が根から吸収されると反応して青を発色するのだそうだ。

  日本には酸性土壌が多いからアジサイは青色が一般的に見られる。

 

  アルカリが強くなったり(または木が弱ったり)するとアルミニウムの

 吸収がないので赤くなるのだとか。

  白はアントシアニンを持ってないからだそうだ。

 

  アントシアニン自体は酸性下で赤、中性下で紫、アルカリ性下で青

 (緑)色を呈する。

  寒くなると葉のクロロフィル(光合成、緑色のもと)が分解されアント

 シアニンが合成されることで葉が赤く色づく(紅葉)のだとか。

 

  * 土壌の酸度と必須元素

 

  一般的に降水量の少ない草原や砂漠の土は中性からアルカリ性になり、

 降水量が多く森林が発達した地域の土は酸性になる。

  雨が土壌のカルシウムやマグネシウムを洗い流すからだそうだ。

 

  日本は森林が発達した多雨地帯で酸性土壌が多い。そして土が酸性と

 いうことは植物体を作るカルシウムやマグネシウムが失われているからで

 あり、土の成分のアルミニウムが溶け出し(イオン化)、植物の根の発育

 を阻害する。また酸性だと土壌生物、微生物の働きが低下し、養分供給

 が鈍り植物の生育を阻害する。 

  だから酸性土壌の改良には石灰(炭酸カルシウム)や牛糞堆肥などが

 使われる。 

 

  逆にアルカリ性が強くなるとマンガン、亜鉛、銅などの微量元素の吸収

 が悪くなりこれも根の生育障害を起こす。

 

  農作物の多くは中性を好み、酸性やアルカリ性の強い土壌は農業には

 適さない。植物が育つための必須元素が中性で増えるからである。

  

   必須元素(植物そのものの構成元素)9種類(10とするものもある)

  肥料の三要素 リン酸(P)、窒素(N)、カリウム(K)

  二次要素 カルシウム(Cα)、マグネシウム(Mg)、硫黄(S)

  これに炭素(C)、酸素(O)、水素(H)  

 

   * C、O、H  は二酸化炭素や水から供給されるので肥料として与え

    る必要はない。ちなみに糖はC、O、Hの化合物である。

    (C*6 H*12 O*6)がブドウ糖

 

   必須微量元素(8種類)

  鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ホウ素(B)、亜鉛(Zn)、

  モリブデン(Mo)、銅(Cu)、塩素(Cl)、ニッケル(Ni)

   有用元素

  ケイ素(Si)、ナトリウム(Na)、コバルト(Co)等

 

  参照

 

 
  (2に続く)