焼身自殺 | 鬼川の日誌

焼身自殺

  米空軍兵士 アーロン・ブッシュネル

 

 

 

  米政府はイスラエルとハマスとの人質解放と6週間の休戦をめぐる間接

 交渉の行方を「イスラエルも前向きだ」と盛んに展望があるかのように宣

 伝する。

  しかしその宣伝の次の日にはイスラエルはこの間接交渉の場に「代表団

 は行かない」と発表するなど交渉の進展は絶えず裏切られる。それも停戦

 ですらなくわずか6週間の休戦とかいう何ら問題の解決にもなりそうもな

 いものだ。もちろんほんの少しの時間でも虐殺攻撃が収まって欲しいのは

 誰にも異存はないのだが。

 

  だいたいこの1ヶ月以上同じようなことを繰り返し、その間にもイスラ

 エルはガザでの虐殺攻撃の手を緩めてはいない。結局バイデン政権は国内

 の若者やアラブ系住民の反発を交わすためにアリバイ作りをしている以上

 ではない。

  支援物資の空中からの投下などもバイデンの手詰まりを示す小手先対

 応策以外の何者でもない。このまま大統領選に突入したらバイデンに勝ち

 目はない。

 

  こうした中2月25日、米空軍兵士でまだ25歳の若者「アーロン・

 ブッシュネル」さんが「パレスチナに自由を!」と叫びながらワシントン

 のイスラエル大使館前で抗議の焼身自殺を遂げた。

 

  火を付ける前「これ以上、虐殺に加担しない。今から過激な抗議を行う

 が、侵略者たちがパレスチナの人々におこなってきた行為に比べれば全く

 過激ではない」と冷静に語っていたそうだ。

 

  かつて自分も若かった頃、ベトナム戦争の時、東南アジアの僧侶たちが

 米国の侵略に抗議して「焼身自殺」したときの炎をあげる写真を見たとき

 のことを思い出した。

 

  わずか25歳の我が身を捨てて抗議する、それも米国の兵士であった人が。

  どんな世であれ人間社会は凄い人を生み出すものだ。

  彼のような人が生み出されるということがお先真っ暗な社会に見える

  わずかな光なのかな。

 

  彼のような無限の無私の力を持つ若者こそ、反戦運動の先頭に立つとか

  それを組織する側にいて生きてもらいたかったし、現代社会を変革する

  立場に立って生きてそれを組織してもらいたかったものだ、と悔やむの

  は私ばかりではないと思う。