大災害 | 鬼川の日誌

大災害

  能登半島地震

 

 

  災害の酷い様相がいよいよ明らかになってくる。

 地震による家屋の倒壊が際立って多いのは、浅く近い震源で地震エネルギ

 ーが大きかったことはもちろん、地震動周期が1〜2秒くらいと最も家屋に

 被害が出やすいものだったこと、そして古い建屋が多かったことなどがあ

 るそうだ。

 

  津波によって壊された家も多いが、震源が近く浅いところであったため

 津波が地震とほぼ同時(数分後)に到達したとみられる証言もある。輪島

 市の200棟以上が焼けた大火災も凄まじい。地震で消火栓などが壊れ消化

 活動もまともにできなかったらしいし、担い手も被災していた。

 

  多くの人が目の前で家族を失い、怒りのやり場がない様子で見ていられ

 ない。とりわけ正月で帰省し家族が集まりお祝いをやっている最中に家が

 潰され亡くなった家族を悔やむ人たちがかなりいる。「死にに帰ってきた

 ようなもんだ」と悔やんでいたな。

 

  死者は今日(6日)一挙に増え126人、安否不明者は確認が難しく222人

 となかなか減らない所に救助の困難が見える。避難者は3万人以上。

  いよいよ寒さ厳しく辛く不自由な避難生活が長期化しそうだし、衛生状

 態が悪く避難所に感染症が広がっているらしい。

 

  6日120時間以上後に高齢女性が救助されたという。これは本当に凄い。

 まだ余震(それも結構大きな)は続いている上雨が降りだし、これから大

 雪になりそうで寒さと土砂崩れなどの2次災害が心配される。

 

  半島ということもあり、ネックの重要な部分で道路が寸断されると半島

 全体が孤立してしまいかねない。重要な道路が一部回復しても今度は渋滞

 が余りに激しく、思うような救助の手がなかなか届かない厳しい所もまだ

 まだ多い。雪が降り除雪困難の所が出ればまた救助が困難となる。

 

  ネックの部分にあるのが志賀原発である。外部電源の喪失や変圧器の油

 漏れなど相当問題があったようだがどうも隠蔽に近い扱いをされているよ

 うである。そもそもは今回壊滅的被害を受けた珠洲市に原発が予定されて

 いて、地元の根強い反対で撤回されたという。もし珠洲市に稼働中の原発

 があったなら福島原発級の事故が起こっていたに違いない。志賀原発も本

 当に問題なかったのか明らかにされなければならない。

 

  日本列島は地震の巣であることを肝に銘ずるしかない。

 

  *

 

  日航機と海保機の衝突事故は海保機の滑走路への誤侵入によって引き起

 こされたようだが、こうした滑走路への誤侵入は2010年以来12件も起きて

 いるらしい。にもかかわらず誤侵入をチェックする体制がなかったりする

 (今回)など、長年問題が放置されてきたらしいことには驚いた。

 

  最大の問題である羽田空港の日本一(世界でも3番目とか)の過密運行、

 これには何ら手をつけられないし、つけようともしないかららしい。

  このままではまた不測の事態が必ず起きてしまう。今回は日航機側に犠

 牲者は出なかったのは本当に奇跡的だった。