歪な国、中国 1 | 鬼川の日誌

歪な国、中国 1

  習近平独裁が強まる一方

 

 

  ガザでは24日以来続いた一時的戦闘休止がとうとう12月1日で終わり、

 またイスラエルによるガザ空爆が始まった。ハマスもロケットを飛ばして

 いるようだ。北部だけでなく南部にも激しい空爆があり、イスラエルは南

 部への侵攻を開始するつもりのようだ。避難民で溢れかえっている南部へ

 の侵攻は更に大規模なパレスチナ市民の虐殺となることは避けられない。

 

  「白紙運動」から一年

 

   習近平が固執したロックダウン(上海などの都市封鎖)を伴う「ゼロ

 コロナ政策」に抗議して、昨年11月下旬上海市で始まった「白紙運動」は

 次の日には北京に飛び火し、白い紙を掲げた市民で広場が埋め尽くされた。 

 市民から「習近平退陣」などの声も上がった。

 

  抗議運動の拡大を恐れた習政権は12月7日には行動制限を一気に解除した。

 このデタラメな政策の急転換により今度はコロナが感染爆発し病院や火葬

 場が大混乱、火葬場に並ぶ車の大行列の写真が掲載されるなどした。当局

 は感染死者数を余りにも少なく発表し、火葬件数の統計発表を辞めてしま

 う等いつもの「習インペイ」の手に出た上、「白紙運動」に立ち上がった

 市民を炙り出し弾圧してきた。

 

  今や「白紙運動」は新たなタブーとされネットでも検索できないとか。

 

  *

 

  この間中国の外相に続き、国防相が更迭されるなど、習近平政権内部で

 異変が続いている。軍内部でも粛清の嵐だという。とりわけ李克強前首相

 の突然死はこの事態の最中で憶測を呼んでいる。

 

  習近平の強引な「ゼロコロナ政策」ですっかり疲弊した中国経済は、その

 後も大規模な不動産不況が続き、若者の就業率が回復しない(これを隠蔽

 するため就業率の発表を取りやめた)など、低迷が続いている。

 

  すっかり余裕を失った習近平は一層の国内引き締めと対外強行路線の強

 化に突っ走り、海外からの中国への投資を及び腰にさせ、むしろ自らの首

 を絞めている。

 

  * 更に統制を強化する習近平

 

  「3月に中国当局にスパイ容疑で拘束された50代のアステラス製薬の日本

 人男性が10月に正式に逮捕された。」詳しい容疑内容などは明かされてない。

 既に7ヶ月、拘束が長期化するのは不可避だ。

  中国の反スパイ法容疑で14年以降日本人17人が拘束され、現時点では5人

 が収容されているそうだ。

 

  この反スパイ法の「改正」などに続き、「治安管理処罰法」「愛国主義

 教育法」などともかく中国共産党による統制、締め付けを強化するための

 おかしな法案が続々と作られ「改正」強化されている。

 

  治安管理処罰法では「中華民族の感情を害する服装」その他を罰すると

 いう。既に「和服」を着ていると誤解された女性が公園から追い出された

 り、アニメのコスプレ若者が市民とトラブルになるなどの過剰反応が起き

 ているそうだ。

  当然ながら「何が中華民族の感情を害するのか曖昧で恣意的に執行」さ

 れるのは間違いなく、さすがに「厳格な統制国家の構築」の真の狙いを

 危惧した多くの(10万件余)意見が寄せられたという。

 

  (反スパイ法などはどうにでも外国人を引っ掛けられる。アステラス製

 薬の日本人などはむしろ親中国の人で中国社会に入り込みすぎたが故に

 ひっかけられたといわれている。)

 

  (続く)