一年半 | 鬼川の日誌

一年半

  ロシアのウクライナ侵略一年半

 

 

 

  この24日でもう一年半になった。ウクライナの反転攻勢が続いているが、

 ガチガチに守りを固めたロシア軍の防衛線を前に、遅々として進んでない

 ように見える。これまでにロシア、ウクライナの兵士50万人近くが死傷した

 そうだし、ウクライナの民間人の死者は分かっただけで1万人近く、行方

 不明者は2万5千人にも及ぶと言われている。とんでもない悲惨な事態が

 続いている。この様子では2年それ以上の声を聞くことになりそうだ。

 

  ちょうどこの時プリゴジンの反乱から2ヶ月、ワグネルと通じていたと

 思われていたロシア軍トップの一人スロビキンが解任され、それと同時に

 プリゴジンと軍事司令官ウトキン他のワグネル幹部の乗ったジェット機が

 墜落し搭乗者は全員死亡した。

 

  爆発物か何かが仕掛けられた暗殺であることはほぼ間違いない。プーチン

 は同じように敵対する者を次々と暗殺してきたからしれっとプリゴジン死亡

 の事実を発表した。

  この2ヶ月近い時間をかけたのは、どうやらワグネルが握るアフリカ諸国

 の権益その他をプーチンが簒奪する目処をつけるためだったのではないか?

 と思われる。

 

  *処理水放出を開始した日本

 

  そしてこの24日から我が日本では「関係者の理解なしにいかなる処分も

 行わない」としてきた約束を公然と反故にして、原発事故処理水の海への

 放出が開始された。問題は処理水が近いうちにどうにもならなくなるのを

 知りながら、これを減らすための技術開発を金がかかるからと放擲し、こ

 れには口を拭い、「廃炉のため」というこれまた嘘のため、放出が唯一の

 道とする政府東電の嘘八百にある。

 

  そもそも処理水といえど「トリチウム」以外の核物質が「基準値内」と

 されているだけでないわけではない。また「基準値」これが信用ならない。

  現状でも貯蔵タンクの約7割は処理不十分な汚染水である。いつこれが

 処理不十分なままに放出されるかも、これまでの東電のやり口を見る限り

 分かったものではない。

 

  いつの間にか「30年」で処理水放出に目処がつくかのようなことが言わ

 れているが、そもそも汚染水が発生する元である溶け落ちた核燃料デブリ

 を取り出す技術も展望もどこにもないのだから、(この12年で1gも取り

 出せてないのにデブリは880tもある)汚染水とその処理水は半永久的に

 出続ける。

  30年なんてとんでもない嘘だ。「半永久的」を覚悟しなければならない

 大事故だったのだ。

 

  現実的にはチェルノブイリと同じく事故炉を封じ込める(「石棺」)し

 かない(だからデブリは半永久的に冷やし続けなければならない)のに、

 原子力マフィアどもは「廃炉」の展望があるかのように装う。

 

  これはまだ「核燃料サイクル」が可能な技術であるかのように先延ばし

 し続けるのと同じだし、処理の展望も何もないのに、使用済み核燃料の

 「中間!貯蔵」施設を作ろうと画策するなどと全く同じである。

 

  そして「トイレのないマンション」で汚染物が溜まり続け、やがて溢れ

 どうにもならなくなるのを承知の上で、さらに使用済み核燃料を増やす一方

 の「原発回帰」に踏み切ったのである。マフィアどもは日本を放射能汚染

 地帯にすることを厭わない。

  マフィアどもはともかく嘘に嘘を塗り固めていくだけである。