老朽原発再稼働
福井高浜原発1号機
関電は28日国内最古(48年超)の高浜原発を12年ぶりに再稼働させた。
9月には次に古い2号機も再稼働を予定している。稼働中の美浜3号機を
加えて40年超が3基動くことになる。こいつらは事故のリスクをなんとも
思わない。この地震列島で何かあれば関西圏(に止まらないかもしれない)
壊滅の危険を承知の上で無責任に突っ走る。
実際福島原発事故でも原子力マフィアどもは責任を一切負うこともなく
逃げた。そしてそれが許された。
関電は県に対して今年末までに県外に使用済み核燃料の中間貯蔵施設を
確定し、30年頃には2000トン規模の施設を作ると約束。守れない場合は
3基の運転を停止するとした。
しかし今年末の目処はどこにもなく20年代後半に使用済み核燃料を
「フランスへ約200トン搬出」ということでお茶を濁そうとしているらしい。
これは約束違反は明白で県の判断によっては3基が運転出来なくなる可
能性もあるが、県が政府の稼働方針を押し切れるかは危ない。
今福島事故の処理水の海洋放出の危機が高まっているが、事故でメルト
ダウンし取り出す展望などはどこにもなく、永久に冷やし続けなければな
らない核燃料デブリと、これを冷やすためにこれまた増え続ける処理水、
第一原発内に残る膨大な使用済み核燃料など、「核のゴミ」をどう処理す
るのかの展望はどこの原発でも一切ない。
ないままに無責任に原発稼働を続けているのが原子力マフィアどもであ
る。「トイレのないマンション」状態をそれでも続けようとするのである。
問題を後回しにし続ける無責任さは極まる。
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福島原発事故は大地震と大津波という「予測不可能な自然災害」による
ものと喧伝されそう思いこまされている人が多い。
しかし大津波は予測されていたのであり、それに対する対策が必要なこ
とは分かっていたのに、これを具体化するのは金が掛かるからと妨害し潰
したのが原子力マフィアども(この本では原子力村)であること、そして
対策を潰した結果として未曾有の大事故が起こった後は、己の妨害により
大事故となったことには素知らぬ顔をして「予測不可能な自然災害」だと
主張し続けて、責任を回避してきたのがマフィアどもであること、これを
告発した本がある。是非目を通して欲しい。
『3、11 大津波の対策を邪魔した男たち』(島崎邦彦 青志社)
読んでいて情けないと思わないでもないが、元日本地震学会会長として
政府機関の一員でもあった人だからこれが精一杯なのかもしれない。
しかし原子力村の実際が非常によく分かる。