恵能野川から滝子山
恵能野川から滝子山 22、11、11
滝子山にはいくつもの登りのルートがある。南稜(寂ショウ尾根)や東稜等
登りごたえのある尾根が多い。その内であまり登られていない恵能野川から
のルートを登ってみる。恵能野川が何本もの支流に別れながら食い込んでい
く沢沿いの道を辿り、アモウ沢の上流の堰堤工事のための林道に上り、そこ
から見るからに急な尾根を登るようだ。気心の知れた頼もしい仲間と4人。
大月駅からタクシーで恵能野神社まで。9:20前くらいに歩き始める。
昔ここから登り始め恵能野川が大きく回り込む手前から左手の山腹に取り
付き、クラコ山ー東稜と登ったことがある。初狩駅からクラコ山ー東稜と
登ったこともある。今日は川沿いの登山道を進む。何回も渡渉がある。
30分くらいで滝が見えてくる。登山道は崩壊気味である。
もう少し登ると綺麗な紅葉が見られた。
また渡渉したりしながら進むと朽ち果てた山の神の残骸があった。多分
岩の上にあったのではないか?もう屋根が残っているだけで今にも消えてし
まいそう。背後の御神木かと思われる大木も大きな空洞を抱えている。
10:30頃。
この先で登山道は尾根を回り込みもう一度沢を渡りその沢沿いに進むのだ
が、その尾根に取り付くルートもあり、明瞭な踏み跡が入っていたので、こ
ちらを進んでみる。
道は明瞭だが尾根に上がるところを見つけられずに進んだのが失敗だった。
尾根との差が広がり道は行き止まる。沢が何本も合流する所を渡って目標の
右手の尾根を目指すと取り付き?にテープが沢山ついていた。しかし鹿柵が
あり稜線へは鹿柵沿いに登るしかない。尾根上で鹿柵が切れているのか分か
らない上結構な急斜面。鹿柵は全く予想外だった。
柵はこの斜面を囲うように沢沿いにずっと続いているがかなり先で切れて
いることは分かったので柵沿いの道を進んでみる。
しかしこの道は悪かった。柵が終わった地点でもう登るしかないので急な
崖に取り付き登った。少しだが結構やばい登りだった。
上がった尾根の稜線の向こう半分はまた鹿柵に囲われていた。その柵沿い
に道が続いていたから、柵沿い、稜線沿いに歩けるのだと思われる。
あのテープの所を登れば良かった?のかもしれないがともかく登山道から
離れたら早く尾根に取り付くべきだった。鹿柵がどう張られているか分から
ないので、まあこの尾根ルートはやめた方が一番無難。
ここから柵沿いに登ると直ぐに林道に出た。11:15頃だから山の神から40分
強も掛かってしまった。(古いレポでは登山道沿いだと20分とある。)
林道で標高1130mくらい。
林道の少し先からまた左手尾根の鹿柵沿いに進み、目の前の顕著な尾根に
取り付き登る。かなり急な尾根をひと登りすると先はヤセ尾根のアップダウ
ンになる。幾つかピークを越え目の前に大きな壁が現れたところの小ピーク
で昼飯休憩とする。1255m付近。11:50過ぎにはまた登り始める。
これからが核心だった。目の前は立った壁としか見えず、所々で露岩を登
ることもあり、踏み跡らしきは全く分からない。所々の露岩登り自体は難し
いものではないが、進退極まらないよう登れそうなルートを見極めることに
集中する。
なるべく小さな尾根のトップを登るように気を配り、木の根っこを掘り出
しては掴み、脆い立木に注意を払いながら掴み、這い上がる登りが結構長く
続いた。
ここだけで約50分、高差200mくらいの壁を登った事になる。クライミン
グの壁とはもちろん違うが、ロープも出さなかったし不安定な200mの壁は
そうそうないと思う。(急斜面に慣れない人にはロープで繋がりコンテで登
る方がいい。)ここで高度を一気に稼いだ。
12:40頃、斜度が緩くなり登山道へ続くトラバース尾根に(1450m付近で)
飛び出した。目の前に滝子山の山頂が見えた。林道からだと320m差、1時間
20分くらい掛かった。東稜の露岩帯よりもはるかにきつかった。
(続く)