超監視社会
中国、コロナ超監視社会
日本でのコロナ感染者は斬減してきてはいるものの、このところ高止まり
でなかなか減っていかない。しかし全体としてはコロナ騒動は落ち着き始め
ている。それでも日本人はなかなかマスクを外そうとしない。熱中症の危険
な季節になり、いつマスクを外すのかが話題になっている。
中国ではゼロコロナを続けるため、都市部で市民が「2〜7日に1回程度
のペースでPCR検査を受ける『常態化』政策に踏み切った」。北京市内では
3日以内の陰性証明がないと、ビルや飲食店、公園、地下鉄など、どこにも
入れず日常生活が送れない。5月下旬時点で北京、上海など31都市、河南省
では省全体で導入した。
仮に主要都市(約5億人)が2日に1回の検査を義務付けた場合、検査所
は17万ヶ所、人員は120万人が必要となり、常態化となるとかかる費用は試
算では最大年約34兆円とか。(中国の国防費を上回る。)
多分党大会で習近平が再選されるのがメドだとは思うが、コスト度外視の
無謀な力業で後々ダメージが出てくるのは必死だ。
中国ではスマホアプリで日常の支払いが全て出来るキャッシュレス化が進ん
でいる。
コロナ対策もスマホが使われる。事前に氏名電話番号等を専用のアプリに
登録しておけば、PCR検査結果や行動履歴などが把握(表示)されるように
なっている。このコロナの陰性証明もスマホアプリに表示される。
感染リスクの高いところに行ってない人はスマホアプリ上で「緑」のコー
ドが表示され、ビルや駅などに入れるが、感染者や濃厚接触者は「赤」に
なり強制隔離される。その際詳細な行動履歴も公表される。
河南省で一部の銀行が預金の引き出しを突如凍結したことがあり、これに
抗議に行った人の健康コードが突然「赤」に変わり強制的に隔離されたとい
う。これらの銀行の預金者のコードが軒並み「赤」に変わったそうだ。地元
当局がこのアプリを悪用して、預金者の行動を制限しようとした疑いがある。
コロナ対策に名を借りて全ての人の行動履歴が当局に把握、管理されてい
るわけだ。
如何様にも利用することが可能であり、中国はとんでもない超監視社会と
なっている。
一つ大きな特徴はワクチンを打ってはいるらしいのだが、この免疫効果で
コロナに対応するということが少しも聞かれない。中国製ワクチンの効果の
程が少しも見えないということである。ワクチンでは抑え込めないことを前
提に「ゼロコロナ」政策を強行している。
またこのシステムは中国の携帯電話番号でないと登録が面倒で、外国人を想
定していない。登録して全ての行動を把握されるなんてやりたくはないが、
日常生活のほとんどに関わるため、観光など短期滞在の外国人はやらない限
り身動きが取れない。しかしひどく面倒らしい。
19年の外国人の出入国者数が9800万人近かったのに比して、21年には(発
表してないようだ)推定で500万人に過ぎず、このコロナ対策が高い壁になっ
ていることが分かる。「まるで海外貿易を厳しく制限した数百年前の海禁政
策のようだ」と言われている。
アメリカとの対立からだけでなくこの面でも世界の潮流から孤立しかねな
いのにこの強権政策をやめられないのだ。