三ツ峠 2
三ツ峠クライミング 19,10,31
31日の朝の富士山。もう朝方は結構寒いのでゆっくり出る。
今日は中央カンテとクーロワールを登りその後岩場のトップに登って、
紅葉おろし(Ⅵ・5.8)や大根おろし(Ⅴ+・5.7)などで練習する予定。
メンバー少し入れ換えたがやはり3班を編成しO2の班から取り付く。
1ピッチ目第1バンドまで、O2。第1バンドからの展望。この時はいい天気。
2ピッチ目を今日の相棒Eさんがリード。
2ピッチ目をフォローで登り、中央カンテの核心部、3ピッチ目にO2がとり
つく。ここは垂直の壁の左右がクラックだがジャミングしなくても越えられる。
しかし手足ともジャミングした方が楽だ。越えて支点を作りフォローをビレイ。
2ピッチ目の登りあたりからガスが出てきた。
第2班が3ピッチ目を終えて登ってきた。フォローも続く。その頃また
ガスが取れて下の紅葉がきれいに見えた。
4ピッチ目Eさんのリード。
難なく4ピッチ目を登ったEさんのコール後O2がフォローで登り終了。
終了点からすぐ上にある懸垂下降支点に移動して降るのだが、ちょうどすぐ
下にロープが挟まるくらいの岩の割れ目がある。以前ここで仲間がロープを
スタックさせ往生したことがある。その時は幸い上にいる別Gの人が外して
くれたが、このロープをスタックさせないようにすることが懸垂下降の場合の
大きな問題である。
私たちはなるべく割れ目から離れる右側の支点を使って降った。後ろに
仲間がいるが、万一に備えて途中早めに1ピッチ目を切る。ここでのロープ
回収は上手くいった。
(ここまでなら50mロープ1本でつまり25mで届く。ロープスタックは
結び目で起こすことが多いから、25mで届くならこの1ピッチ目は1本で
やった方がいい。後ろの班にはその旨伝えた。)
私たちは結局懸垂3ピッチで降ったが、途中にもう一つ下にも支点があり
1ピッチ目をここまで(25mで届く)降れば、一番下まで2ピッチ目50mで
届くようだ。(第2班は2ピッチで)
終了後軽く食べてクーロワールを登る。ここは実質第1バンドの上1ピッチ
だけなのでリーダーピッチを1ピッチ目としてEさんリード。
O2もフォローで第1バンドまで登りクーロワールに取り付く。ここでの
問題は取り付き付近と最後棚に上がるところ。これが垂壁の左右クラックで
棚の上のガバに手が届くまでが難しい。また非力だと身体を引き上げる
のに苦労する。
棚の上から見下ろす。フォローのEさんが登ってきた。
この終了点からもう一つ目の前の手掛かりのない岩に乗り上がると懸垂
支点がある。この時第2班のリードが最後の棚に必死で上がっているところ
で第3班は取り付いてもいない。まだ後の班が時間が掛かりそうで岩場の
トップの大根おろしなどには行けないかもしれないので一旦降ることにする。
ここにある懸垂支点これがサビ錆の支点で他にないか探すが適当なのが
ない。仕方ないので補強のスリングを2重に巻いて支点として降る。ここは
クーロワール取り付きの近くの第一バンドに降りる。
第2班のフォローの登り。(第3班のSさんの写真)
O2が降りた頃第3班が取り付いていた。O2班の相棒が降ってくる。
第3班リードが登りフォローも無事登る。
第2班の二人も降ってきたので、O2班は下まで降りて皆の降りを待つ。
まだ14時前だった。しばらくすると第3班も第一バンドまで降りるのが見えた。
ところが第3班がなかなか下まで降りてこない。どうやら一番恐れていた
ロープスタックをやってしまったようだ。どうしても動かないというので
O2がリーダーピッチを登りかえして第3班にロープを渡す。
二人は右手に回り込んだ所にある易しめのピッチを登り返してロープを回
収しに行く。これで大幅に時間が掛かりこのロープの回収で今回の三ツ峠
クライミングは終了となった。
四季楽園に登り返し駐車場まで降り着いたときは暗くなる寸前だった。
今頃は暗くなるのが早い。
今回は他の班がいたので別のロープを使えたが、懸垂時に何らかの原因
でロープをスタックさせてしまうと基本そのロープで登り返して回収する
しかない。スタックさせないよう細心の注意と工夫を払うことが第一では
あるがこれはありえないとはいえない。登り返しの練習も必要不可欠だ
と痛感した。
そしてこれは相当な時間が掛かる。マルチクライミングでは万一の場合の
余裕をもって行動しなければならない。
(了)