鎌倉散歩
鎌倉散歩 19,9,17
私たちも年齢を重ねてきて足、腰が弱くなってくる。これが故障の領域に
入ってくると通常の山登りも難しくなり山岳会は引退ということになる。
山岳会なんかは実際は自然消滅のようにいつのまにか顔を見せなく
なったわね、でいいと思うのだが中にはそれでは気が済まない潔癖な人も
いる。
今の山岳会でその瀬戸際にいるのが私を筆頭に私の周りの何人かの
仲間達である。
まだ歩ける今のうちにと反ってせっせと山に通い出した人もいるが、いず
れにせよどのように店じまいするかを考えなくてはならない。80歳を越え
てばりばりに元気な人もいるがそうした超人たちは凡人の参考にならない。
ともあれ私はこれまでのかなり長い年月時折ではあれ、思い出の山行を
共にしてきた仲間とは山岳会を越えて何らかの楽しみをこれからも共有で
きたらといいがと思っている。
山スキーは無理でもゲレンデスキー、アルパインクライミングは無理でも
ジムやゲレンデでのクライミングなど、そして軽い散歩はまだしばらく続け
られる事の筆頭かな。
先日そうした仲間から久しぶりに連絡があった。もう1人の膝痛仲間とも
連絡が取れたので足萎え組で鎌倉で会うことになった。もう一人達者な人
を加えて4名。ところがこの日は先日の15号台風が持ち込んだ暖気のせい
で猛烈に暑かった。
最初北鎌倉から源氏山公園を抜けて大仏ハイクコースを歩こうかと思い
(途中に素敵な展望レストランがある)浄智寺を抜けていく。
ところがこの先で台風の後片付けをしていた人たちから源氏山に抜ける道
は倒木で通行不可になっていると教えられた。それでは天園ハイクコースに
するかというと鎌倉全域山はどこも通行不可だと言われた。
ともかく明月院裏手の天園ハイクコースの取り付きにどんな様子か行って
みることにする。明月院の入口の門柱の上に置いたかのように杉の大木が
倒れ、ここから入れないので臨時の入り口が空いているという具合でこれは
かなり酷いようだ。途中の道にも土砂崩れの土砂が脇にあった。
住宅地の奥の天園ハイクコースの藪状の入り口に入ってみると直ぐ広葉
樹の大きな枝が道を塞いでいた。一本の木が横たわっているくらいなら越
えて行くかと思っていたが、これでは生い茂った葉を掻き分けて越えなけれ
ばならずドロドロになる覚悟でなければ完全に通行不可。
足萎え組でもありどこか遠くに移動して歩く元気もないし、ここから近くて
久しく中に入ってない円覚寺境内を散歩することにする。ここまででも汗
みどろと本当に今日は蒸し暑い。
私も境内散歩は何年ぶりの事か?ぶらりと散歩しただけだが大きなお
寺の佇まいは見て回るだけで日影は涼しいし気持ちがいい。紅葉が見事
な時は特に一見の価値がある。
平日だが外人さんが多いこともあり結構人がいる。さすがに境内は台風
の影響は見られずきれいに片付けられていた。茅を荷台いっぱい積んだ
トラックがあり、茅葺屋根のお堂の茅の葺き替え作業がやられていた。
山門
仏殿(本堂)。若い外人さんたちが沢山いた。彼らは結構神妙な面持ちで
参拝していて少し驚いた。
円覚寺開山無学祖元禅師坐像と達磨大師像
宝冠釈迦如来坐像と白龍の天井画。
ダウン症の若い女性書家の揮毫
選仏場(修業僧の座禅道場)の薬師如来立像(伝、運慶作)
居士林。在家信者の座禅道場。
外人さんと若い人たちが多かった。
仏日庵(北条時宗の廟所)。 拝観料を払えば抹茶と菓子を中で食べられる。
白鹿洞。開山の時白鹿が群れをなして出てきて祖元禅師の説法を聞いた
とか。確かに穴は上に貫通しているが狭い穴だ。
茅葺屋根の葺き替え作業が仏日庵の奥の方でやられていた。(木の間の
向こうに小さく見えていた時には気づかなかったが、望遠で写した写真を
見て、今作業している一人は外人さんのようだと気がついた。古いお寺の
茅葺屋根の葺き替え作業をやるのが外国人労働者だというのも、何とも今
の時代を象徴しているようで妙に感心した。)
一番奥の黄梅院まで行き戻る。
方丈とその庭。
柏槇
高台にある洪鐘(梵鐘)
一巡りして大汗をかいたので大船に出て喉を潤す。
その後まだ時間も早かったのでいつも電車から眺めるだけの大船観音に行き
50年前の誰かと言われるふくよかな観音様を拝観してきた。
原爆の火が燃えていた。