巳ノ戸谷 | 鬼川の日誌

巳ノ戸谷

  奥多摩、巳ノ戸谷  19,7,29    

 

 

 

  7月中酷い天気でした。予定の変更が続き2日に渡る計画は何度も延期。

 日帰りでも行ける沢ということで急遽巳ノ戸谷が候補に挙がった。以前から

 私には気になっていた沢ではあるが、「忌山の悪場」とかいう恐ろし気な

 ゴルジュがありそうそう簡単ではない。しかもこの間雨続きで増水している

 ことは間違いないから少々不安ではあった。

  29日当日も若干大気の状態は不安定。

 

  日原林道ゲート前に着き装備を付けて歩き出したのが予定通りちょうど

 9時頃になった。今日は4名。10分ちょい歩くとテープと消えかかった

 ペンキ印のある日原川への下降点に着く。

 

 

  この下降が結構悪いが懸垂するほどでもないか。河原に降りると少し上流

 に巳ノ戸谷の入口が見える。

 

 

  やはり日原川は増水していて簡単には渡れない。深い分だけ流れの比較的

 緩いところを選びO2が渡る。腰までの深さがある一歩を越える。

  こういう時は流されないようストックを身体の下流側に突くのが有効だ。

 ロープを出す。

 

 

  スタートからこれでは厳しそうな予感。狭い谷の水の流れは当然速い。

 少し進むと倒木で沢全体が塞がれていた。倒木も凄そうだ。

 

 

  谷に入って10分ちょいで沢が狭まった奥にF1(20m)巳ノ戸の大滝

 が現れる。これは登れそうもない。少し手前右手のザレの斜面を巻き登る。

 

 

  ここで先頭のO2が上がり過ぎて小尾根を越えてしまった。それで懸垂で

 降る羽目になった。沢に戻ると滝上からしっかりした踏み跡があるのが見え

 た。確認に行くと巻き登る途中から滝の方に寄ればこの道に出て楽に登れた

 ことが分かった。

 

                                                        ( 上から見た滝の落ち口)

                              (巻き道を確認して戻る)

 

  また沢を歩き始めたのが10:20頃。これからしばらくナメ小滝や普通

 のゴーロ歩き。

 

 

  この歩きが思ったより長く20分近く掛った。

 沢が曲がった所で如何にもそれらしくゴルジュが始まる。「忌山の悪場」と

 は誰が名付けたか随分怖い名前だ。それだけ険悪ということなのだろうが、

 実際増水しているので3段になった最初滝からして水がホトバシリかなり厳

 しそうだ。10:40頃。

 

 

  最初の4m滝。O2は中央部の張り出しに取り付くが完全に頭からシャ

 ワー。

  ホールドはあり水が少なければ難しい登りではないが水勢に押されるし、

 溺れそうなほどだ。なんとか顔を出すことが出来登れた。完全に滝の中に入

 る登りも久しぶりだ。O2の様子を見て後続はシャワー回避。

  左岸の壁を探った人もいたが無理で、皆さん右岸側に取り付いたので、

 落ち口に乗り上がる一歩をお助け紐で補助して登ってもらった。

 

 

  次の4m滝。すぐ上にハイライトの8m滝が見える。滝の左手の真っ黒な

 垂壁を登るらしい。

 

 

  この4m滝に取り付くがホールド悪く結構難しい。滝上に出ると支点が

 あったのでロープを出してビレイする。

 

 

  皆さん登り終えて8m滝(4級、A0)を見上げる。左の壁を登るのだが

 全体に黒っぽいコケで覆われヌルヌルな嫌な感じである。しかし支点が3ヶ

 所見える。

  取り付くと確かに悪いが慎重にロープを一つ一つ支点にセットして登る。

 支点の残置のスリングはボロボロで落ちてもいいとはとても思えないが無け

 れば登れる滝ではない。次のホールドを探すのにスリングを掴みA0で上が

 る。

  3つ目の支点後はこれがないしホールドも微妙で滝上に出るところが一番

 難しいかな。

  滝落ち口に上がりもう一段上に立ち木がありこれを支点にする。

  皆さんに登ってもらう。

 

 

  ハイライトの8m滝を登り終わりロープを収納して歩き始めたのが

 11:25頃だったようだ。忌山の悪場はまだ終わってない。

 

  (続く)