越沢バットレス | 鬼川の日誌

越沢バットレス

  越沢バットレス  19,3,20    

 

 

  マルチクライミング練習で越沢バットレスに行きたいという話は暮頃からあった

 のだが、ここは山の谷間で冬の間は酷く寒い。結局ようやく暖かくなり始めた今日

 となった。希望者が行ける日が一日では定まらず、この日と次の週の2回に分け

 て行くこととなり案内の私は連続。暖かい日だった。

 

  私はバットレスも久しぶりである。行きに近い方のガーデンキャンプ場の方から

 の道を選択したがここには結構怖い丸木橋がある。皆さんおっかなびっくりで

 無事渡れたが疲れた帰りはこちらは止めようという話になった。

 

 

  今日は6名3班の予定だったが1人が遅れた。それで私の班は3名として(右)

 一般ルート(滑り台)、ツルベの班が第2スラブと別れて取り付いた。ところが遅れ

 た一人が1ピッチ目のリードが終わる頃に到着したようで、第2スラブ組が待って

 急遽組み入れて3名で登った様だ。

  右ルート1ピッチ目(Ⅲ)(1ピッチ目は直登するハング越えのⅤ-のルートもある)。

 バットレスに行きたいと希望したSoさんから取り付く。

 

  

 

  3人なのでリードを交代する場合は結び変えが必要となる。

 

 

  2ピッチ目は棚の上からのフェースとなるがホールドが細かく意外と悪い(Ⅳ+)

 ので、バットレスでのリードが初めてのIeさんは止めてO2が行く。久しぶりだと

 確かに悪い。行けたとは思うが無理しなくてよかった。

  2ピッチ目終了点から。

 

 

  3ピッチ目(Ⅴ)はまたSoさん。2ピッチ目から上がり一旦左に曲がり、そこから

 右手に核心部に入るのでロープの流れに注意がいる。この核心の滑り台部分の

 登攀は2ピッチ目終了点からは見えない。ここはやはり相当厳しかったようだ。

 フォローで着いていってもホールド少なく、バランスも取り辛く難しい。滑り台と

 いわれるつるつるに感じるスラブだ。

 (『関東周辺の岩場』では第2スラブがⅣ+なのにここをⅤとしている。)

 

                        (下から見上げた滑り台)

 

  登りついた終了点に懸垂下降支点がある。ここは50m一ピッチでは届かない

 (ロープのすっぽ抜けに注意)。足りない部分をクライムダウンするか、途中にある

 支点で一旦切りロープ回収後もう一度懸垂する。

 

 

  午後からは予定通りの3班で、O2・Ie、So・N班は第2スラブ、A・Ⅰm班は

 右ルートに取り付く。1ピッチ目Ieさんがバットレス初めてのリードに挑戦。

  ここも途中ちょっと悪いところがある(Ⅳ)が見事突破した。

 

 

  2,3ピッチ(Ⅳ+)はO2のリードで行く。2ピッチ目のフェースも結構細かくバンド

 でピッチを切る。ここは2段になっていて後続がいる場合は上のバンドでピッチを

 切った方がいいがかなり狭い。

  フォロー(Ie)が登ってきて続けてO2が3ピッチ目を登る。バンドから右にフェース

 に移るところなど3ピッチ目はホールドがかなり細かい。さらにチャートの硬い岩

 は磨かれてつるっとした感じで滑りそうだし、何よりここは露出感が凄い。いつも

 ながら怖いところだ。ルートは一旦右に出てまた左のコーナーよりをボルトを探し

 ながら登る。

  3ピッチ目の終了点もフェースの上と右に回り込んだところとある。回り込んだ所

 の方が足場がいいしその後がやり易い。

  3ピッチ目フォロー到着。

 

 

  最後はIeさんに目の前の緩い岩を少し登り回り込んで安定した場所まで行って

 もらいロープを引いてもらう。下降の懸垂支点は最初の右ルートの終了点で同じ

 である。少し山道を歩く。行くと右ルートを終わったAさんが降り始めるところだった。

 私たちも続く。

 

 

  しばらくして第2スラブを終えてSo・N班が帰ってきた。こちらはNさんが3ピッチ目

 の核心部をやったようだ。全班無事終了した。  

 

 

  4時過ぎにはバットレスキャンプ場の方から帰った。

 

 

  (了)