烏帽子岩左稜線
小川山・烏帽子岩左稜線 18、9、17〜19
烏帽子岩左稜線にまだ行ったことがない人と、行ったけれども
前回あまりリード出来なかった人たち、そしてこの企画をまとめた
長老から声が掛かった。
左稜線は核心にクラックの垂壁登りがあり、事前にジムで
トレーニングはやったけれどもまだリードでカムをセットしながら
登るには程遠い人たち。
私と前回4年前一緒に左稜線に挑戦した人たちはジムだけでなく
あちこちの岩場で練習した。それから比べればまだ初挑戦の人たち
は全然トレーニング不足である。まあフォローなら可かな?
今回は天気が酷く微妙だった。今年は夏も含めてしばらく天気が
悪い。何とか晴れそうな18日をメインに設定し17日に小川山。
この日は着いてテントを張り近くのスラブ状岩壁で練習。
かわいい女(5.8)、ウルトラセブン(5.7)、小川山ショート
ストーリー(5.9)など。
ショートストーリーの足掛かりの小さな出だしは立つのが難しい。
(かわいい女)
(小川山ショートストーリー)
18日、まずは渡渉。靴のままでは渡れなかった。
林の中のケルンを目印にガレ沢を登るようになると烏帽子岩が見え
てくる。5:50頃。
ガレ沢から取り付きへ、手前に一つ踏み跡があるがこれをやり過
ごして登り、ケルンのある踏み跡に入るとすぐに取り付き下である。
ここで装備を付けて私から取り付く。溝状の脆そうな岩登りで
あるが手掛かり豊富で直ぐに棚に着くが、後ろに2班控えているの
で、2mほど上の松の木のある棚まで上がる。
1ピッチ目を終了して支点をセットしたところで撮った写真。
今回はトップをO2とRさん(左稜線初めて)、2班が女性二人
(AさんとNさん)組、2人は2度目である。そしてラストが長老
Sさんとやはり初めてのMさんの3班でツルベで登る。
私の班はトップだしアルパインの場合時折交差することもあるが、
後ろの班のことはほとんど分からない。また写真も飛び飛びにしか
撮れない。
そんな訳で以下は私の班の行動の覚書である。
私O2と組んだRさんは初めてということもあり、通常の1ピッチ
を越えて登ったり(もちろんこれ自体は何ら問題ではない)、ルート
ミスでより難しいルートに挑戦したりすることになった。
当然かなり苦労したようだが諦めず登っていくところが凄いとは
いえる。
しかしこの場合相当に時間を食って、後ろでビレイしているO2
や待っている後ろの班が心配になる。時間を食っているわけを出来
るだけコールなどでコミュニケーションをもっと取るようにした方
がいい。全体にコールの声が小さく聞き辛かった。
①、O2班は1ピッチ目は棚より少し上の松の木でピッチを切った。
後ろの班が続いて登ってくるので場所を開けるため。
支点のセットで6:50頃。
②、2ピッチ目はRさんのリード。出だしで少し苦労したがカム
やスリングを使ってこれを突破。
ところがその上に行き見えなくなってから何をしているのかロープ
もあまり伸びず長い時間が掛かった。コールもない。こちらから呼び
かけるが返事がない。
相当な時間の後ようやくロープが動き出し、コール後フォローで
登っていくと、Rさんは通常の2ピッチ目を越えて、3ピッチ目の
ダブルクラックの上でピッチを切っていた。このダブルクラックの
登りは結構難しいので手こずっていたようだ。
③、O2はこの3ピッチ目の残りを登り、一旦Rさんに終了点に
上がってもらい、そのまま4ピッチ目を登る。ここが前半の核心部
かな。5.8のピッチはここと最終のチムニーだけである。
後ろの班では偶数番のNさんと初めてのMさんが頑張ったようだ。
私たちには変則3ピッチ目となる。
私がピッチを切りロープをセットして下の班を見下ろした時で
8:40頃だった。
フォローでRさんが登ってきて直ぐに2班のNさんがリードで
登ってきた。Nさんにとってはここをリードで登る事が一つの目標
だったようだ。
4ピッチ目終了点で写真を撮った時で9:10頃。
2ピッチ目を登り始めて、ここまでほぼ2時間くらい。これは時間が
掛かりすぎです。
(終了点から、9:10頃)
④、4ピッチ目終了点はピナクルに支点を作っていたが、後ろが
登ってきたので譲る必要もあり、少し上で休むつもりでいたがいい
場所がなく、結局5ピッチ目の途中になる痩せ尾根のトラバースを
終えるところまでO2が先に進みここで少し休むことにした。
⑤、ここに後続班が到着した所でRさんに目の前の岩稜を登って
もらった。岩稜を上がったところで岩峰を直ぐに左に回り込んで
登るところだった。
しかしRさんは崖を下り登り返す難しいルートを選んでいた。
(「崖になって降りなければならない」という声は聞こえたが、
見えないしルートもよく覚えてなかったので、引き返してルートを
探したほうがいいという指示が出来なかった。)
この難しい?悪いルートに挑戦したためここでも大幅に時間が
掛かった。
私がフォローで登り、崖の先端に行ったところでこれはどう見
てもルートではないと思えたので、すぐ後ろの2班のリードのA
さんに岩峰を左に巻いて進んでみるように指示して登ってもらった
ところ、やはりそちらが本ルートだった。
私はフォローなのでRさんの難しいというかぼろぼろの崖ルート
通りにカム等を回収しながら降り、登った。
⑥、Rさんが林の中でピッチを切っていてその後を引き継いで、
O2が樹林帯を歩き、岩稜にぶつかったところでこれを登る。
この岩稜が途切れたところ辺りでロープが重くなってきたので
ピッチを切る。
フォローのRさんとしばらくして2班のリードのNさん。
Nさんが登ってくる頃で10:30近かったから4ピッチ目終了
点で写真を撮った9:10頃からでも1時間20分ということ
になる。
(続く)