南カドナミ沢
南カドナミ沢 18,9,9
どうも今頃は秋雨の季節でもあり天気がパッとしない。季節の設定を変えれば
いいのにと思うのだが会の集中山行ともなると何だかよく分からないがなかなか
簡単にはいかないらしい。そんなわけでパッとしない天気の中初日の設定は不可
になり行き先を変えて上越よりも少しでも天気のよさそうな南側の沢をリーダーが
選んで出かけた。
安蘇山塊にある小戸川渓谷という小さな沢を歩くはずだった。ところが渓谷沿い
の林道を入渓点まで車で遡り始めると「ヤマビル注意」の看板が沢山ある。道も
かなりのダートでヒドイところをリーダーと私とで車から降りて偵察で少し歩いた。
数10m歩いただけで靴を見るとヤマビルが4,5匹既に取り付いている。石で
これを落として潰すが回りをよく見るとそこら中にヒルが動き出していた。尋常で
はないヒルの巣窟のようだ。雨寸前の天気で一番ヒルが動く時でもあるし。
これでは入渓点で10人もが降りて沢装備を着ける準備などをしようものなら、
どれだけたかられ吸血されるか分かったものではない。女性陣6人は猛者ばかり
とはいえさすがにヒルは大嫌いで大騒ぎになるのは目に見えている。また沢中は
少なくても下山ルートがヒルだらけなのは明らかで大変なことになりそうだ。
そんなわけであっさりここは退散することになってしまった。
その後は泊りの上越の宿までドライブとなったが途中かなり強い雨が降ったり
もして無理に沢に入ったりしなくてよかったと思えた。
この晩の宿の宴会ではまたいつものように大量のお酒が出て、もうそんなに飲
めはしないのだが長い時間飲むので結局酔いつぶれ、翌朝目覚め悪く起きる。
今日も霧雨状に雨が降ったりする悪天だが、昨日沢どころではなかったので
リーダーはともかく行くつもりだ。本来は初日に予定していた宿から近い南カドナ
ミ沢に行くことになった。この沢もあまり有名ではない。
場所はJR土樽駅の対岸になる。
案内にある通り沢は橋の下のボサに覆われた小さな沢だ。沢沿いの仕事道は
直ぐ沢から離れるので藪を掻き分けて入渓する。8:15頃から。
藪が濡れていたので最初は合羽を着たが暑くなり直ぐに脱ぐ。
次々出てくる小滝を遡っていく。
ちょっとした小滝。直登したかったが水量多くもろ水を被りそうで巻いた。
こういった感じのナメ滝が多い。
直瀑の4mほどの滝、チョックストーン滝と皆登れないので巻いて進む。
9:10頃、7~8mほどの大きめの滝。ヌルヌルである。滝右手を直登出来ないか
探ってみたがあまりにもヌルヌルであきらめた。
その上のナメ滝、また次の2段滝を越えていく。
滑り台状のスラブ滝は巻きが結構大変だった。挑戦してみれば良かったかな?
この上の連瀑帯を過ぎ釜を持った斜瀑を越えると多段の大きな滝。案内に12mと
ある滝のようだ。近づいて観察するが下段は無理で、上はホールド豊富そうだが
完全に真っ黒な苔に覆われている。巻きながらこの滝の横に行って見るがとても
取り付く気になれなかった。そのまま巻き上がる。
これを巻き終えて入渓から2時間近く。ほぼ1時間毎くらいで少し休みながら進む。
緩い小滝を越えていくと4mほどの薄黒い滝。これがコケで微妙に滑る滝でお助け
スリングを出してほとんどの女性陣を引き上げた。
さらに小滝が続いてこれを登っていく。巻くような滝もある。
11時前頃に赤っぽいコケに覆われた逆層の4mほどの滝が現れた。ここは仲間の
1人が見事に登ってくれたので、ロープを渡しこれを固定してもらい後の人はフリク
ションノットでこれを登った。かなり微妙に滑る滝だったので結構時間が掛かった。
この頃は時折日も射すいい天気になり暑くなってきた。この滝登りを終えて急に
なってきたゴーロを遡るとこの沢の中では初めて開放感のある広々とした三俣に
出た。もう11時半ちかくで3時間を過ぎた。ここで少し休憩する。
(続く)