富士山 | 鬼川の日誌

富士山

 富士登山  18,6,29・30    

 

 

  いつものように富士宮口からの登山なので29日夜水ヶ塚公園でテント泊である。

 何台かの車に分乗して出かける。私の車も使うことになったが29日は月末の金曜

 日で迎えのための駅に行くだけで相当に混雑し時間が掛かった。また山に入る頃

 にはかなりの雨が降ってきた。水ヶ塚公園でテントを張るのも気が進まなかったが

 まあ4人が車の中では横になれないのでテントを他の組の近くに張った。ところが

 張った場所は後から分かったが一段と低くなったところだった。

  雨が激しく降ってきた。横になり寝付くかどうかというところでテントに水が侵入して

 きたので起きてみると一面15cm以上の水浸しである。ここは水の溜まり場だった。

 激しい雨の中テント毎引っ越して高台にセットしなおすが諸々濡らしてしまったので

 私の車を使うしかなかった。着てるものも濡らしうすら寒く結局うつらうつらするうちに

 夜が明けてしまいほぼ眠れなかった。

  他のテント組も似たような状態だったようだ。これでは登れそうもないなと思いつつ

 テントを撤収し朝飯を食べ出発の準備をした。

  朝焼けがきれいで今日の天気は間違いなさそう。しかし途中敗退かな?

 

 

  ともあれ出発して5合目駐車場(かなり車が一杯)に移動して6時過ぎくらいから

 歩き始める。まだ山開き前だ。

 今日は18名(+2名)の大人数。6合目までは団子で歩く。

 

 

  6合目を過ぎてから少し早く歩けそうなウサギ組4名が前に出る。私も眠れなくて

 アウトかと思いながら歩いていたが思ったより息も上がらず足も動くので、しばらく

 してからウサギ組の後を追うことにした。

 

 

  7:10過ぎ、6合5勺。ウサギ組は先に行ったが私の後を仲間2人が本体カメ組を

 抜けだして追ってきている。カメ組はもう見えない。(6合目から約40分)

 

 

   7:50分頃7合目小屋に着いた。相変わらず2人は遅れず追ってきている。

 雲海が素晴らしい。(6号5勺から約40分)

 

 

  8:15頃、宝永火口を見下ろす。

 

 

  8:25前8合目小屋に到着。ウサギ組が出発するところだった。4人いたはずが

 1人いない。どこかで脱落したらしいがどこで追い抜いたか気が付かなかった。

 (8:30に8合目を出る。休みを入れ7合目から約40分)

 私の後ろの2人は5分遅れくらいで到着した。着いたところで私も歩き始めた。

 

 

  9合目9時少し過ぎ。駿河湾が雲の切れ間から見える。後ろの2人も頑張っている。

 9:05には出たから8合目から約35分。

 

  

 

  9:30過ぎに9合5勺。山頂が見える。後ろの2人も見える。

 9:35頃出たから9合目から約30分。高度も上がってきて、これからが睡眠不足で

 歩いてきたつけが出て息が上がってきてきつかった。高山病症状が出易いところだ

 が幸いこれはなかった。

 

 

  9:50頃、この辺りが斜度も一番きついところか足が進まない。

 

 

  山頂の鳥居が見え前のウサギ組3人がちらと見えてから鳥居まで10分もかかった

 から相当によれよれである。こんなに足が上がらないのも記憶にないくらい。

  10:10前富士宮山頂に着いた。9合5勺から約35分。多分普通なら30分で登る

 間隔なのだと思う。今年はもう全く雪が残ってない。

  5合目出発から4時間と少しで、前夜眠れずに歩き出したことを思えば、最後が酷く

 きつかったけれどまあまあの時間で登れた。昨年とほぼ同じだ。敗退するかもと

 思っていたからこれは予想外だった。

  (5合目-20分-6合目-40分-6.5合目-40分-7合目-40分-8合目-40分-

   9合目-30分-9.5合目-30分-富士宮山頂でちょうど4時間、休みを入れて

   今はこんなペースかな。それにしてもいい間隔で小屋がある。)

 

 

  私の後を追ってきていた80を過ぎた長老が10分と遅れずに到着した。私が若干

 早めに前に出ただけの違いでこれは凄い。何せ前夜ろくに眠らずである。10年後

 の自分を考えればあり得ないことだ。昨年の富士登山では私と同着であったから

 衰え知らずだ。もう1人もまもなく到着した。

 

 

  自分も昨年よりさほど衰えてはいないことは証明できたがそれにしても疲れた。

 昨夜の浸水で靴下を濡らしてしまいそのまま絞るだけで履いてきたので足裏が不調

 で脱いで足を休める。

  カメ組が登ってくるまでおよそ1時間、さらに遅れたカタツムリも何名かいたようだ。

 昨夜の不眠で疲れたか結構アップアップの人がいたようだがともかく皆登ってきた。

 皆が到着したところで記念写真を撮り、全員で剣ヶ峰に登る。

 (水ヶ塚ではなく別の場所で泊り私たちより1時間遅れで出発して、私のすぐ後に

 到着した-つまり3時間で-+2名のツワモノはお鉢巡りをやると直ぐに出発して

 いった。)

 

 

  剣ヶ峰到着11:50頃。

 

 

  全員登れたから御の字でしょう。9合目まではブル道を下る。

 

 

  9合目からは普通に登山道を下る。まだ登ってくる人も多い。

 13:25頃8合目。

 

 

  沸き立つ雲を眺めてきつい登山道を下る。今日は雲海が素晴らしい。

 富士山は降りもきつい。

 

 

  今年もフジハタザオの花が見られた。15:30頃には5合目に到着したようだ。

 

 

  その後全員で水ヶ塚公園に移動して帰り支度を整え、足柄SAで車代を清算して

 解散した。

 

  前夜のハプニングでどうなることかと思ったが、自分も含め全員が何とか山頂

 剣ヶ峰まで登る事が出来たのは素晴らしい。

  富士山はあまり登って楽しい山ではない。しかしヨーロッパアルプスの4000m級

 の山に挑戦するつもりなら高度順化のためには富士山で訓練することが不可欠だ。

 これ以上の高さの山が日本にはないのだから仕方がない。そして富士山で十分だ。

  私は昨年春にオートルートツアーに出かけたのだが、そこは富士山の高さを越す

 場合もある山を登り、滑り降りる過酷なツアーだった。その前の年富士山に登って

 なかったことも多分影響したのだろう、酷く疲れ果ててしまい、事前の訓練不足を

 痛感した。まあ富士山には関係なく一般的に訓練不足だったことも間違いないし、

 単に年を取って衰えたのだということも言えるが。

  ヨーロッパアルプスとは関係なくとも現在の己の足前、心肺機能を点検するという

 意味でも富士山に登るとその様子がよく分かる。年に一度くらいは登って今の己の

 力を確認するのには非常に役に立つようだ。

  

   (了)