二子山西岳中央稜 | 鬼川の日誌

二子山西岳中央稜

  西岳中央稜マルチクライミング  18、6、25

   

 

 

  いつもは前夜発で龍勢会館前駐車場などでテント泊だったが、

 日の長い今頃なら朝発でも可かなと出かける(かなり早めだが)。

 

  今回7名とマルチにしては少し多いし、うち3人はここ中央稜

 マルチは初めて。だが2人はツルベ可。また経験者4名中2人が

 まだ核心の3ピッチ目のリードをやってないのでこれに挑戦する。

 

  そんな事情を勘案して、3,2,2の3班に編成する。

  O2の班はO2と今回核心3ピッチ目に挑戦する人とツルベと

 するが、1人マルチこれからの人を間に挟む3名班。

 

  3名の場合で1人リード専門、後2人を引き上げの場合はロープ

 の扱いはそう問題ないが、3名でリードを交代するとなるとロープ

 の結び変えが必要となる。

  後の二つの班はツルベだがここは初めての人と経験者(うち1人

 が核心3ピッチ目に初めて挑む、もう1人は何度もリードしている)

 とが組む。

 

  ともあれ朝早く都内を出発して9時前には荷を担いで取り付き

 目指して登り始めることが出来た。

 

  

  取り付きで準備を整えO2の班から取り付く。O2班のもう1人の

 リード者が3ピッチ目をやりたいということなので、通常のツルベ

 なら1ピッチ目からということになるが、いの一番は何かと緊張す

 るのでここは変則でO2が1,2ピッチを続けてリードすることに

 して取り付く(間の1人は今回はフォローのみ)。

 

  1ピッチ目終了点手前に張り出した岩を身を乗り出して越える

 ところがあるがこれを越えて終了点の棚の大岩にビレイ支点をセット

 する。ここで9:50頃。

  O2班のフォロー2人。

 

  

   第2班のリード者と2ピッチ目。

 

 

   2ピッチ目もO2のリード。ここは途中から右手のカンテに早く

 移った方が楽なのだが今回はスラブ壁中央にある穴を越えて出来る

 だけ上に登り最後はホールドないので右の方に走っているクラック

 を手掛かりとして乗りあがった。フォローはこの上のクラックに手

 が届くまで大分苦労していた。

  下の写真では左方のクラック。

 

 

   第2班の2ピッチ目リードが追い付いてきたが4人いる広さが

 ないので(支点は二ヶ所あるのだが狭い)リードが出発するまで

 少し待ってもらうことになった。

 

  さて今日のメイン課題、Tさんが初めて3ピッチ目リードに挑戦

 である。(第2班の3ピッチ目もCさんが初めて挑戦する。)

 

  3ピッチ目は始めるとすぐに長い大きめのクラック登りとなる。

 難しくはないがこれまでのカチを掴んでの登りとは一変するから

 結構厄介だ。Tさんはじわじわと慎重に登って行った。

 

 

  登るクラックと左側のクラックが合流した所の上、左手の岩が被

 さってくる辺りがホールド少なく3ピッチ目で一番難しいところ。

 使えるならとカムの1番とO.75を貸してやったのだが、スラブ

 にボルトが二つ連打されているし、Tさんはカムも使ったがA0も

 交えて突破したようだ。

 

 

   核心を越えても3ピッチ目はまだ先があり長い。やはりここは

 大変だ。

 

 

  Tさんが登り終えて支点をセットしてフォローの2人が登り始め

 たのが10:50を過ぎていたようだ。

  マルチこれからのEさんはクラック登りに手こずってたが何とか

 突破した。O2ももちろん一生懸命だがフォローなので気楽である。

 後ろの班のためにTさんが怪し気にセットしたカムをしっかり噛

 ませなおし(残して)登った。

 

  もちろんO2班が登る後から第2班のCさんが3ピッチ目に取り

 付いただろう。

 

  私たちが登り終えて棚の広場で休憩しているうちに第2班のC

 さんが3ピッチ目を登り終えて上がってきた。さすがです。

  登ってくる様子を撮っておけばよかったのだが残念なことに

 失念して撮れなかった。11:20頃。

 

 

  O2班は第2班リードが上がってきたところで4ピッチ目に取り

 付く。このピッチから日を遮るものがなく猛烈に暑くなった。

  4ピッチ目のフォロー。カンカン照りです。

 

 

  4ピッチ目は簡単なので続いて5ピッチ目もO2がリードする。

 高度感のあるところです。

  5ピッチ目のフォロー。

 

 

  6ピッチ目はまたTさんのリード。ここはルーファイだけでそう

 問題ない。Tさんが登っているうちに第2班リードが5ピッチ目

 を登ってきた。第2班はツルベ。

 

 

  フォロー2人が6ピッチ目を登り終えたところで西岳山頂に人が

 いるのが見えた。

 

 

  7ピッチ目は歩きです。O2がロープを引きずってそのまま登り、

 上でロープアップして支点にカラビナを付けロープを巻くだけの

 ビレイで2人に登ってもらった。

  登り終えたのが12:45頃かな。

 

 

   ともかく暑くて仕方がないので早々に頂上の一角の木陰に逃げ込む。

  10分くらいして第2班が登ってきた。

 

 

  第3班は私たちからはほぼ見えなかったので様子が分からなかった

 が無事最終ピッチを登ってきた。3班も中央稜は初めてのMさんが

 偶数ピッチとはいえリードし登った。長老Sさんが全面的にフォロー

 し核心はリードして引っ張ってくれた。

  

  13:30近かったが途中2ピッチ目が狭いので大分待った

 らしい。とはいえ取り付きから全3班の終了まで4時間かからな

 かったわけでかなり順調だった。

 

 

  ご苦労様でした。

 

 

  下山。

 

 

  今回はマルチこれからの人、中央稜は初めての人、そして核心の

 3ピッチ目に初めて挑戦する人と多くの課題を抱えての登攀だった

 が、無事完了して実り多いマルチクライミングとなりました。