八幡平山スキー 2
八幡平バックカントリースキー 18,3,12・13
12・13日は八幡平在住の伊藤ガイド(サブ田村ガイド)に案内し
てもらう。山スキー(バックカントリースキー)でガイドしてもらうの
は私はオートルートツアー以来だが国内では初めてである。
昨日は天気は良かったもののほぼカリカリ斜面の登りと降りだったが、
宿に帰り宴会を始めた頃から上手い具合に雪が降り始めた。これで明日
は少しはましな雪質になりそうだし天気も回復するという予報でおあつ
らえ向きである。
12日は昨日とほぼ同じ御在所の辺りから旧八幡平スキー場を登って
いく。旧スキー場トップの大黒森から屋棟(やのむね)岳、西森山をツ
アーして安比高原スキー場まで行く予定である。歩き始めは雪もまだ降
り風も強くかなり寒かった。しかし足元には昨日からの雪が積もってい
ていい感じである。同じく9:10頃から。
メンバーのビーコントラブルで若干時間を取られたが広い元スキーゲ
レンデの斜面を登っていく。この元ゲレンデを回りこんで上に登ったと
ころで、ガイドが今登ってきた斜面を滑ろうという(当然もう一度登り
返し)。登り返しは疲れるという人にはここで風が強いのでツエルトを
張りサブの田村ガイドと待機・休憩して待ってもらう。2人が待機する。
滑り出したのが10:25頃かな。
斜面降り口は結構な斜度である。斜面は昨日からの雪が載っていて下
は硬いが昨日のカリカリとは大違いで気持ちよく滑れた。皆さんも気持
ちよく滑っていた。
そしてシールを着けてまた登り返し待機組みのところに戻ったのが
11時頃だった。まだ雪は止まず風も収まらない。
待機組みと合流して直ぐまた元ゲレンデを登っていく。大黒森山頂に近
くなった頃から天気も大分回復してきて時おり青空も覗く。
大黒森山頂付近でまだ少し風があるので樹林の中に入って昼飯休憩。
ガイドさんがコーヒーやチョコなどを用意してくれていた。
12時を過ぎてまた歩き始める。地図を見ると分かるがこれから屋棟
岳に向かって緩く降り緩く登り返す。この間には小さなアップダウンが沢
山あるので、シールを着けたままで登り滑り降りる。シールを着けて滑
る場合靴を滑走モードにするかどうかが問題だがこれもいちいちは面倒
なので私は歩行モードのままで滑る。
ちょっとした斜面の滑りだがそれなりにスピードも出る斜面もある。
歩行モードのままでシールで滑るのもやはり板のいいところに乗れてな
いと滑れない。特に突然何かに突っかかったりすると靴の踵が浮くので
前にぱたりと倒れてしまうことになる。
これが気になり苦手とする人が結構いる。まあ怪我をするようなとこ
ろではないので見ていて面白い。本人は起き上がるのに大変だが。
ガイドは途中この青森トドマツ(オオシラビソ)とダケカンバの森に
ついていろいろとレクチャーしてくれる。屋棟岳は近かった。樹林中の
小さな高みで小さな看板がなければまず分からない。12:40頃。
屋棟岳からは少し戻り降り易いところから今度は西森山に向かう。
これも緩く降って緩く登り返すコースだが倍くらい距離がある。ここは
森の中のツアーコースになっているらしく樹木にルートナンバー標識が
付けられている。
13:30前頃から鞍部になる辺り広い平坦地のダケカンバの大木の前
で休憩する。
記念写真。この頃には完全に晴れてきた。
これから思ったより緩く登り返すと安比高原スキー場を下に見おろす
西森山山頂である。ここでも記念写真を撮ってもらった。
ここからはシールを取り滑走である。ガイドは直ぐにスキー場に降り
ず森の中を案内してくれた。直後に結構な急斜面がありここでは順に
滑って各自の滑りの様子をカメラに収めることにしたのだが、ガイドさ
んの滑り以外は格好いい滑りの場面は撮れなかったようだ。まあ急斜面
で格好良く滑るとは行かなかったようだから無理もない。
私も滑ったのは最後の方で待っている間上から皆の滑りの写真を撮れ
ば良かったが目の前の大木が邪魔で撮れなかった。
この後は森の中を滑走する。この森の中も急斜面あり密な樹林帯あり
で昨日よりは格段に雪が良くて楽しめた。森を抜けるとスキーゲレンデ
の一角に出る。ゲレンデに出てからは一気にスキー場を滑り降りた。
ここはあっという間だ。皆さん早い。
15時過ぎにはスキー場センターに到着し今日のツアーは終了した。
この後ガイドさんたちと運転者が御在所に車を回収に行く。これが往
復で小1時間掛かったし、安比から宿までまた4、50分掛かり結構夕
暮れのいい時間になった。
宿ではいい温泉で汗を流しまた宴会とおいしい夕食が待っていた。
**
13日は最終日だ。今日は帰京する日だから短めの行程で宿から直接
歩いていける源太ヶ岳をガイドさんに案内してもらう。朝食も早めにし
て8時過ぎには林道をシールで歩き始める。
30分ほど林道を進み右手山腹に取り付き登り始める。少し硬い斜面
などではガイドが足場の悪い所で雪を掘ったり登り易いように調整して
くれる。今日は雪が少し湿り気味なのかベテラン女史のシールに団子が
付き歩きにくそうである。これがかなり酷いのでシールにワックスを塗
りなおしたり、水気を取ったりしたけれども、また直ぐに団子がくっ付
く。とうとう最後まで団子に悩まされたらしいが頑張って登っていた。
(シールが少し毛足の長いグリップ力のいいものだったこともあるのか?
他の人に団子被害はなかったから、微妙なものである。)何かの拍子に
私もシールに団子が出来たことがある。そのときはさほど長引かず付か
なくなったが、団子が出来ると踏み潰しながら歩かなければならずとて
も歩きにくいものである。
少し立ち休みを入れたりしながら進むと、9:30頃には源太ヶ岳が
高く聳えて見える。遠く感じるが裏手の緩い斜面を登ればさほどではな
いという。気持ちのいい樹林帯を進んでいく。
しかし10時に近くなってきた頃から強烈な風が吹き始めた。しばら
く歩いて休憩場面で、樹林の中ならまだましだがこの先で稜線に上がり
山頂に行くのは厳しいし時間も掛かりそうだし、山頂は無理なようで諦
めるとガイドから告げられた。後ろの時間が区切られていることもある。
これまでは上着は脱いで歩けるくらいだったが一気に寒くなってきて
着込む。
山頂下の斜面へトラバースする。ルートが風の抜け道で下はカリカリ
の斜面。吹き降ろしてくる風に転がされた人がいるほど、時おり台風姿
勢を取らないと飛ばされそうだった。
頼りなげにまばらに生えた木の風下側に各自思い思いに陣取ってシール
を取り、収納して滑走の準備をするがこれがなかなか大変である。しかし
この間何回もこれと似た強風の場面に遭遇しているので皆さん用具を飛ば
されたりすることもなく準備を整え滑降を開始する。滑り始めたのが
10:45頃からか。
カリカリ斜面をトラバースして山頂からの尾根のほうに回り込む。
するとなかなかいい雪質の斜面に出てこれを滑走する。さすが地元のガ
イドは何処がいいか良く知っている。短かったけれど最後の気持ちの
いい斜面だった。
この後樹林帯の中のなかなか手応えのある気持ちのいい斜面を滑り降
りて休憩する。ブーツがどうも合わなくて足に靴擦れを起こした人が大
分痛そうだった。
ブーツが足に合わないというのも辛いものだ。痛みが気になっていて
は楽しみも半減である。テーピングや靴下などで調整不可の場合は靴屋
で合せてもらうしかない。
その後少し滑ると林道に出る。ツボ足で歩いているハイカーがいた。
林道を滑り降りて宿に帰る。これで今回のバックカントリースキーは
すべて終了である。昼頃には帰り着いたようだ。最後思いがけない強風
で源太ヶ岳に登れなかったのは残念だし、山頂からの斜面は良さそう
だったから惜しいことをした。
まあしかし3日間とも山に入れたのは幸運だったというしかない。
宿で風呂に入り荷物の発送の準備等を済ませお世話になったガイドさん
たちとお別れである。いつもながら帰りの準備はばたばたして忙しい。
帰路高速道路はそれほど混雑する所もなく順調だった。あまり遅くな
らずに帰ることが出来たがやはり岩手県・八幡平は遠い。運転手さんの
頑張りに負うところが大きかった。ご苦労様でした。
リーダーの素晴らしい企画に感謝。
(了)