阿弥陀岳・北稜 | 鬼川の日誌

阿弥陀岳・北稜

 阿弥陀岳・北稜登攀  17,11,25・26   

 

 

 八ヶ岳ヴァリエーションはシーズン中は混み合うのでプレシーズンのこの時期に計画された。八ヶ岳の1,2月は本当に寒い。以前大同心稜の登攀で-20度を越す寒さの中で長時間の順番待ちを強いられ震え上がったことがある。あの時は待ちの後良く身体が動いたものだ。もうあの元気は私にはない。プレシーズンならと参加することにした。今回は冬山ヴァリエーションのこれからの人材の訓練山行でもある。8名の参加。

 私の班はこれからを期待される新リーダーと冬山ヴァリ新人の男3名組、第2班は女性新リーダーと地力ある女性の2人組、そして3班は今もっとも力をつけているうちの会では若手のリーダーとヴァリ好き女性と今回の企画をしたリーダーの混合3名組、に編成する。半分は会のリーダーである。この順で登って行くことになるので私が老いぼれ突撃隊長となった。これまでも私が突撃隊長を努めることが多かったがこれからは代わってもらえそうで期待している。

 

 出発前から今年は雪が早く八ヶ岳にもたっぷり降ったという情報が入っていた。いつものように美濃戸口から歩き出して美濃戸を過ぎるとしっかり道路は凍っている。堰堤広場はすっかり雪景色。ここから各自軽アイゼン(チェーンアイゼン等)を着ける。

13:20頃。

 

 

 北沢を遡っていく。本格的シーズン並みの積雪である。

 

 

 今回山は荒れ模様という予報だった。大同心は見えていた。14時頃。

 

 

 14:30頃赤岳鉱泉に着いた。大同心、小同心も白くなっている。時おり晴れ間も覗く。風は強いようだが。アイスキャンディーはまだこれからのようだ。

 

 

 今回は8名で一部屋貸しきり。明日の登攀の重要事項確認・打ち合わせ後部屋でさっそく宴会開始。最近は飲み物はワインが主流で皆さん結構持ってきていてとても飲みきれなかった。結構飲み食いした上で夕食は鉱泉名物の豪華ステーキでおなか一杯。

 

 朝飯は6:30からでちょっと遅かった。並んで待つこともなかったから客はまだ少ないようだ。確かにプレシーズン。準備して歩き始めたのが7:30を過ぎた頃かな。外の冷え込みもさほどではなかったから寒さ慣れしてない身体にはよかった。

 

 

 中山峠から大同心(雪は消えている)を見て行者小屋に着く。8:15頃。阿弥陀岳が白く輝きいつもながら素晴らしい。予報に反していい天気のようでそれほど風も強くはなさそうだ。

 

 

 余分な荷をデポして歩き始める。阿弥陀岳分岐を過ぎて(8:35頃)林の中深い雪の踏み跡を追っていく。直ぐに北西稜への踏み跡と別れ尾根を直登気味に登っていく。ほぼこの尾根を真っ直ぐ登っていくはずである。雪が深いし訓練もあり先頭を交代しながら進む。

 

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 ところがしばらく登ると踏み跡は尾根を巻いて隣の尾根の山腹を登っている。他に踏み跡はない。隣に行かず適当な所でラッセルして登ろうかとも思ったのだが積雪が凄く深い。ラッセルはとても大変そうだ。多分巻いてはいるが北稜への踏み跡には違いないはずだからと踏み跡を追うとやはり上で元の尾根の方に戻っている。少しうろうろしたのでしばらく登り休憩。分岐から50分くらい。

 

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 この辺りもかなり雪が深かった。

 

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 もう少し登って元の尾根の稜線に戻ったようだ。9:45頃。それにしても素晴らしい白銀の世界だ。この時期こんなに深い雪の中を登るとは思わなかった。

 

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  元の尾根の稜線に戻ると結構厳しい雪壁が待っていた。雪が深いし柔らかいのでアイゼンを蹴り込みピッケルを射しても雪は崩れるばかりでほぼ保持してくれない。効きが悪く登るのはなかなか大変である。

 

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  これを登ってもまだ中岳よりかなり低い。先を見ると北稜取り付き岩峰が見えるがもう一登りある。これで10時頃だ。

 

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 この先の雪壁を登れば北稜取り付きの岩峰下に出るはずであるが最後の10mほどが結構立っているのでロープを出して私が登り、上でハイマツを掘り出してこれにロープを固定して皆に登ってもらう。

 

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 ここまで登ると中岳がほぼ目の高さくらいになる。取り付き岩峰は目の前だ。

 

 

 第2班、3班と続いて登ってくる。

 

 

 張ったロープを収納して取り付きへ向かう。

 

   (続く)