毛無岩 2
毛無岩 17,10,27
千ヶ岳分岐から毛無岩の岩峰は近い。しかしヤセ尾根を辿りいくつかの小ピークを越えていく。毛無岩を飾る紅葉が素晴らしい。
そしていよいよ岩峰の北西のナイフリッジに取り付く。このナイフリッジの全貌が見えるところで写真を撮ればよかったのだが今の季節は葉が茂っていていつの間にか直下に来ていた。しかもちょうど太陽の光が正面からで上に向けては撮れず足元のみの写真となった。
確かに急な登りでザレで足を滑らせないように注意する必要がある。しかし潅木が周りにあるのでそれ程怖くはないし岩登りのつもりなら問題ない。山頂に出ると辿って来た全山きれいに紅葉した千ヶ平分岐辺りのピークを前景に雪を被っている浅間山が見えた。荒船山も結構近い。ちょうど11時頃で約3時間の行程だった。
周囲は遮るもののない360度の大展望だが、遠景はかなりぼやけていた。浅間山と荒船山の間にかすかに北アルプスのごく一部が見えていたが写真には写らない。妙義山群はかなり近くに見えるが丁須の頭のトンカチが分かる近さではない。立岩は直ぐ傍。はるか下に登り始めの集落も見えた。
山頂は幅の狭い岩稜の頭で片側は絶壁、足元には潅木が生い茂っている。山頂で少し休憩する。休んでいると誰かが通過するのは困難なほど狭い。
そのうち尾根コースの方から人の声が聞こえてきた。しかし声の主たちはなかなか上がってこず、私たちが弁当を食い終わりさて降ろうかと歩き始めた所でようやく上がって来た。下で挨拶した人がリーダーのようで他に4人のジジババが登ってきた。私達と年齢構成は変わらない程度だ。11:25頃かな。
彼らは尾根コースを登ってきたので沢コースを降るといいのだがちょっと難しいかなと言っていた。リーダーはここは何度も来て慣れているようだがメンバーの足に不安があるようだった。
約束どおり山頂で会うことが出来て良かった。挨拶をして私たちは尾根コースを降りに掛かる。降り始めは相当に急でそのまま降りられなくはないのだが、用心のために立ち木にロープを巻いてごぼうで降る所が何ヶ所かあった。このために15m(と10m)の補助ロープを用意してきた。
何度かのアップダウンを繰り返して毛無岩の東のコルらしきに11:55頃に着いた。昔はここにも案内板があったらしいが今は何もない。しかし立ち木にテープが三重に巻かれていて少し下にもテープがある。皆さんのスマホでも確認する。下をよく見ると縦走路らしきがある。
縦走路に降りて戻り気味にこれを辿っていくと縦走路と尾根コースとの分岐に出る。ここにも看板があったはずだがいまはただポールが倒れてあるだけだ。まあここだと分かるので問題はない。ポールの先端方向が毛無岩の下を巻く縦走路。私たちはポールの右手から降って来たので尾根コースはそのまま直進、ポールの左手になる。コルから10分ほど。
黄紅葉を愛でながら降っていく。
12:20頃顕著な岩峰にぶつかりこれを登る。展望岩というだけあって毛無岩の迫力ある大岩壁(300mはあるという)が見渡せる。山頂看板の横にボルトのネジが残っていたからここを登ったりした人たちがいたのかもしれない。しかしこの取り付きに行くだけで大変な話だね。
展望岩は越えられないと案内にある。一見テッペンから降れるように見えるので探りで降りてみると危ない断崖となる。戻るのも怖かった。岩をコルに戻ると岩に向かって左手に踏み跡があり岩場の部分にはロープが張ってあった。展望岩の下から見上げると脆そうな絶壁になっている。懸垂下降でも落石を起こしそうで危なそうだし長いロープがいる。12:35頃。
その先もヤセ尾根が続く。ヤセ尾根を巻く場合も多いが踏み跡が薄かったり結構やばかったりする。ところどころで振り返ると紅葉に包まれた毛無岩が見える。
13:10頃。巻き不可のナイフリッジを通過する。難しくはない。
きれいな紅葉、黄葉。
13:35頃、沢に降りる。降りた沢を少し降ると左岸に登山道がある。
途中水は少ないが大きな滝を左岸に見て、青っぽい沢床を見たりしながら踏み跡を追っていく。そのまま沢沿いの登山道を降っていくと道が沢に降りて渡渉すると道場神社の裏に出る(神社の裏が尾根コース登山道入口だ)。14:10頃だった。
およそ6時間少しで往復して予定より大分早かったので登山装備を片付けて線ヶ滝を見物に行く。線ヶ滝はかなり水量が多かった。
帰り道の蝉ノ渓谷も迫力の大水量だった。
次の日からまた台風の影響で雨になったからこの2日間だけいい天気だった。久しぶりの秋の好天に黄紅葉と手応えのあるハイキングを楽しめて長雨のうっぷんを晴らしたかな。
(了)