八ヶ岳、赤岳主稜 2
赤岳主稜登攀 17,10,10
5ピッチ目終了点には岩に打たれたボルト、スリングが見つかり
ここで支点をセットする。
この5ピッチ目は雪の時には素晴らしい雪壁をなして上から見る
景観も見応えがあるところだ。
フォロー2人を追って師匠も登ってくる。この写真の時で
10:10頃。左手に阿弥陀岳が聳える。文三郎尾根の登山者も見える。
5ピッチ目終了点の少し上辺り、6ピッチ目の緩い草付きの登り
にかなり長い残置ロープが下がっている。目の上の岩壁途中に打た
れたボルトからだがここにロープがある理由は不明だ。
上の岩壁根元辺りで休憩を取るつもりでそこまでNさんにリード
してもらう。コンテでもいいくらいのところだが、ともかく岩壁下
まで2人がフォローで登った。
さて少し休憩しようかというところで、後ろの師匠組みを追い越
して2人組みが登ってきた。若者2人でロープは結んでなく私たち
も追い越して登っていくので、結局私たちも休憩なしで後を追う
ことにした。
岩壁下から少し登って岩壁を回り込んだ所に本来の6ピッチ目の
終了点があったが、これは中間支点にしてO2はそのまま登る。
これが7ピッチ目になる。
そしてこの上辺りからはこれまでよりはしっかりした岩壁になり、
クラックを抜ける核心部だ。岩壁を回り込んだりしたので中間支点
を長くしても屈曲してロープが重かった。ロープが1本の場合は
どうしても避けられないがまあ力をこめて引く。
クラックはアイゼンを履いてはそれなりに手強いが乾いた岩では
登山靴でもほぼ問題ない。クラックを抜けた所にボルト・スリング
の支点がある。支点をセットしてフォローに登って来てもらう。
写真を撮ろうと思ったがクラックの穴から少し下が見えるだけ
だった。皆がクラックを抜けるところを撮る。師匠組みフォローが
登ってきた所で11:05頃だった。
この上はまた草付き混じりの登りで上に見える大きな岩の門を越
える下までNさんリード。8ピッチ目。
その後O2がその門を越えてガレの岩溝を登り詰めると棚に上が
る。これが9ピッチ目でその上はまだガレ場の登りだがロープは
必要ないようでここが終了点のようだ。
そこに突き出ている岩に支点をセットしてフォローに登って来て
もらう。師匠組も直ぐに後を追って上ってきた。ここから赤岳南峰
らしいテッペンに人いるのが見えた。
この終了点は背後に阿弥陀岳がもう大分低くなって見えなかなか
素晴らしい。
ここまで結局ほとんど休まなかったのでロープ等を収納しちょうど
昼頃で少し腹に入れたり休憩する。
ガレ場を登山道に向けて登り始めたのが12:05頃。
登山道に出ると天望荘が下に見える。蓼科山までの八ヶ岳の全貌
が見渡せる。手前の顕著な稜線(重なっているが)奥側が登って
きた主稜である。
赤岳山頂です。12:20頃。
南峰山頂では記念写真を撮っただけで余り休まず下山開始。
12:40頃。
主稜へのトラバース開始地点付近から改めて取り付きのチョック
ストーンと主稜全貌。
望遠で引っ張ると6ピッチ目の残置のロープが見える。
斜面が随分寝て見える。13時頃。
赤岳主稜ともお別れ。13:40頃には行者小屋に無事帰り着
いた。ほぼ7時間の行程だった。
行者小屋で装備を解き、ガチャ類を交換してザックに収納する。
まだ長い南沢の降りがあるので少しゆっくり休憩する。
14:10過ぎくらいに歩き始めてほぼ2時間で美濃戸口の
堰堤を越えた。私は少し早く越えたのだが堰堤の直前で皆は真っ黒
なカモシカに遭遇したらしい。ほんの数分前の私は見なかった残念。
ここしばらく会えてないですね。
赤岳山荘近くに停めた車で帰途に着く。さすがに平日で高速道路
の混雑もなく順調に帰京した。暇人は混雑に輪をかけることはしな
いほうがいいし渋滞に会わないのは何よりだ。
赤岳主稜無事登ることが出来たけれど思った以上に岩が脆くて
危なかった。危なくて事故を起こし易い所をしかし慎重に克服して
登るということに価値を見出すことも出来るが、快適な登攀とは程
遠いからやはりあまりお勧めできない。
ここは雪のある季節に登った方が楽しいルートだと思います。
(了)