槍ヶ岳・北鎌尾根 3 | 鬼川の日誌

槍ヶ岳・北鎌尾根 3

 北鎌尾根を登る  17,9,10    (続き)

 

 

 直登ルートを行く人たちも見えたが私たちは巻き道ルートに入る。9:25頃。

入口にはロープが張ってあり足元はザレて下は切れ落ちている。危ないが慎重に行けば問題はない。

 

 

 少し進んだ所で直登ルートを行く人たちが見えた。

 

 

 入口から10分ほどで岩が出っ張り、逆コの字型に狭くなっている部分を通過する。巻き道で一番困難とされるが下が切れ落ちているとはいえ一段下に足場があり通り抜けるのにほぼ問題はない。振り返ってみてもそんなに狭いわけでもない。

 

 

 そのままトラバースルートを進むとクラックの岩場がありお助け紐がぶら下がっている。クラックに挟まりこまないように体を外に出すのに少し腕力がいる。下は落ちているしJさんが難儀していたのでロープを出した。

 

 

 上の写真からも巻き道はまだ続いている。しかし私たちはこのビレイした目の前のスラブを登った。スラブは直ぐにハイマツに遮られるのでハイマツに沿ってその際を登ったのだが、ハイマツの際も終ってからもかなり悪いザレで落石が避けられないような登りになる。石は小さいが下に人がいる場合は知らせる必要がある。15分弱の登りで稜線に復帰する。独標(P10)と次のP11とのギャップのP10側に登る。槍ヶ岳本峰がはるか先に聳えて姿を現する。いやあ行き着くのかなと思えるほど遠いです。そしてこれからP15(槍本峰前の大きな高み)辺りまでが北鎌尾根の核心部でしょう。既に5時間を過ぎて10:10頃。アップ写真では左にカニのハサミが見える。

 

 

 登りついた岩塔の下で少し休憩する。その間元気なYさんは荷物を置いて飛ぶように独標を往復してきた。そのYさんの写真。

 

(10:10)(10:10)(10:10)(10:19)

                    (直登してきた3人組が写っている)

(10:19)

 

 Yさんと入れ違いに独標を直登してきた3人組がやってきた。Yさんも直ぐ帰ってきた。3人組は声を掛け合っただけで休まず進んでいった。私たちも少しして後を追う。この先しばらく多分P11くらいまで彼らが先行した。P10側とP11側のギャップも結構悪いが全体としてほぼこんな感じの登り降りが多い。10:25頃。

 

 

 3人組を追う。振り返ると多分後ろが独標。

 

 

 10:45前後。

 

 

 多分P11のピークかな?この先で3人組と一緒に少し休憩した。

 

 

 独標を直登してきた3人組は私たちよりははるかに若い組み合わせのようだが、昨日ルートミスをしたとか大分時間を浪費して疲れたとかで、今日は途中ビバークのつもりのようだ。そんなわけでこの後は私たちが先に進む。多分11時少し前くらいから。

 

 

 この写真の後ろの岩塔に窓が開いているのが見える。P11だとかいう話だ。これが11:10頃。 

 

 

 そして11:20頃の写真がある。ピークを越えた所だが、地図によるとP11とP12はそれほど離れてはいないので、これからP12付近だと思われる。

 

 

 前の写真(3枚ともYさんの)から次の写真は11:35過ぎのYさんの槍ヶ岳ピークのアップ写真があり、次はまた20分以上経った12時前までYさんも写真を撮っていない。私はP11を出てからほぼ1時間ほど写真を撮ってない。多分この間がもっともきつく大落石を起こして危なかったりした辺りではないかと思われる。(P12辺り、P13・2873m表記の前辺り)

 11:35過ぎの槍ヶ岳アップ写真は多分Yさんが岩峰を登りきって撮ったものだろうし、次は11:55過ぎにP12辺りの大きなギャップを降っている先の3人組が写っている。(私たちとルートは違うかもしれないが。)そして同時刻ザレ斜面を登る後ろの2人(Jさんと私)を写したYさんの写真があり、これから向かうピークの写真がある。多分この写真を撮っているのがP13辺りと思われる。12時少し前である。

 

(11:57)

                       (赤い服を着た人が降っている)

(11:58)

 

 上の写真のザレ斜面は多分さほどではなかったようだが、Yさんの槍ヶ岳アップ写真のピークかともかくその前後辺りルート取りが少し悪かったらしい。浮石だらけでその上にザレが乗っていて酷く崩れやすい斜面にリードのYさんが入ってしまい、大落石を二度ほど起こした。足元が崩れたわけで自分も危なかったろうが一つは頭大、もう一つは一抱えありそうなもので下の私たちは肝を潰した。あの世に行き損なった。ルートガイドにも「P12付近の白くザレた小岩峰は特に脆い」とある。

 幸いこれは逸れてくれたが小さな落石は当ることもあった。それで私はYさんとは少し離れたルートを選びJさんをそちらに誘導した。しかしこの登りもザレているのは変わらず結構難しい棚があった。Jさんが登ってこれなかったのでお助けを出そうとしたら、棚の上に錆びたハーケンが見つかった。これにスリングを掛けてJさんに登ってもらった。ここは登られていることは確かだがハーケンを打つくらいだから難しい所だったようだ。それにしてもこの辺りは悪かった。Jさんも辛抱してよく登ってきてくれた。岩峰を登りきったところでYさんとまた合流した。写真は厳しい所では撮れないし、自分が不調でも撮れず、ボケッとしていても撮れず、出来るだけ撮っているつもりでも穴だらけなのがこれでよく分かる。この厳しい登りと分かる写真が一枚でもあれば少なくとも時間は分かるので、もっと場所が確定できたのだが。ほぼこの辺りは何処もザレていて危なかったという記憶しかない。

 ザレ斜面を登りこれから進む方向。多分P14・P15と槍ヶ岳。(今いるところが多分P13辺り。)

 

 

   (続く)