軍刀利沢 | 鬼川の日誌

軍刀利沢

 軍刀利沢往復  17,7,9

 

 6月に熊倉沢に来たし、2日前には天王岩クライミングでこのところ立て続けに武蔵五日市に来ることになった。奥多摩よりはましだがここも結構遠い。駅からのバスも南郷までは30分強時間が掛かる。今日も日曜日で駅前からの数馬行きバスには長蛇の列。いつものように臨時が出て3台が満員のハイカーを乗せて出発する。この暑い時に低山ハイクは大変だと思うのだが団体のジジババたちは元気だ。笹平辺りでかなり降りた。

 今日も矢沢の支流軍刀利沢だから同じく南郷バス停で降りる。今日は4名。矢沢と熊倉沢の合流点を過ぎて今回は矢沢沿いを遡っていく。それにしても暑い。40分強汗だくで歩いて軍刀利沢の入口に着き沢装備を着ける。

 

 

 バスを降りてからなんやかややはり入渓まで1時間近く掛かった。入ってすぐにゴルジュになる。14年関東地方に大雪が降ったときの5月にここに来たのだが、なんとこんな沢に雪渓が残っていてびっくりさせられたものだ。このゴルジュが雪に埋まっていた。あの大雪は樹木もなぎ倒してあちこちの沢を倒木だらけにした。ここも倒木だらけだった。3年たって少し良くなっている。ゴルジュもいい雰囲気になっている。ゴルジュ内は結構深いが暑いので足の付け根くらいまで入りながら進む。

 

 

 10:50頃、最初の2段滝。3mのナメ滝と4mほどの2条滝。4m滝は右から登ったがロープを出すほどではない。

 

 

 次には5mほどの逆くの字滝。滝の左壁際を登る。

 

 

 次のチョックストーン風の2mほどの小滝がボルダーチックで面白い。

 

 

 S字状8mほどのナメ滝は流芯を滑らないように直登する。

 

 

 流木が堆積した2段滝は釜が深いので左手を越える。

 

 

 この上が大滝である。中間部から上は直登出来るらしいが挑戦はやめておとなしく巻く。巻き道にはロープがセットされている。

 

 

 大滝の上で先行グループが休んでいたのでこちらも少し休む。大滝上の5mほどの滝の時点で11:40頃。写真は先行G。

 

 

 この上が落ち口に倒木が挟まりこんでいる7mほどのチムニー状の滝。落ち口を直登するのはちょっと難しいようだが、左手に棚状があり逃げられる。乗りあがるのに少しバランスが悪い。ここもロープは出さず頑張ってもらう。

 

            (先行4人G)

 この上の7,8mほどの滝は右手を直登出来る。先行4人Gがロープを出し直登していた。どうやら付き添いの男性がこのリードの女性を訓練しているらしく、この後ロープをセットしてビレイも訓練とか時間が掛かりますよということだったので、私たちは右手にロープがセットされている巻き道を登り先に行く。

 

 

 この後小滝を越え先ほどと同じような7、8m滝の右手を直登する。ここはロープはいらなかった。

 

 

 この後10数mの滝が最後となるのだが滝の写真を撮り損ねた。仕方ないので14年の時のそれを載せておきます。ここは中間部から上が難しく酷くヌルヌル状で登れそうもなく、14年の時と同じように巻いた。これを越えたのが12:15頃。これで登りでは結局最後までお助けくらいでロープを出すこともなく通過できた。沢初心者も頑張りました。

 

 

 少し休んでこの後水もほとんどない沢を詰めていったのだが結構距離があった。

 

 

 12:50頃。

 

 

 降りを熊倉沢左俣・左沢に取るつもりだったのでなるべく熊倉山に近いほうに出るつもりだったが、標高700m前の分岐で右に入らず、直ぐ上の分岐を右に入ったので、結局14年と同じようにグンダリ神社の手前(熊倉山に向かって)の登山道に飛び出した。最後の滝を越えてからほぼ1時間。ここで少し休んで急な登山道を登るとグンダリ神社。13:25頃。

 

 

 もともとこの位置があいまい(熊倉山の一つ前か二つ前か?)だったので、熊倉山まで行き鞍部に戻って左沢に入るつもりではあったのだが、神社が一つ前のピークだという情報があり確かめもせずこれを鵜呑みにして、神社のピークを越えたところで沢に降りてしまった。これが間違いの始まりだが沢に降りてしまったら即でなければもう修正は難しい。(今回の間違いでグンダリ神社は熊倉山の二つ前のピークにあることがはっきりしたわけだ。)

 この降りもなかなか悪かった。

 

 

                 (13:50頃)                (14:00頃)

 これを逆に詰めるとすると結構大変そうです。

 30分以上掛かってようやく水が出てきた。これもおかしい。そのうちなんとなく見覚えのある小滝を降るようになり何かおかしいな(デジャブ?)と思っていたら大きな滝が出てきて懸垂して降ったら、これは登りの最後の大滝で間違えて軍刀利沢を降っていると分かった。懸垂支点からではあるが30mロープで一杯だったのでこの滝は15m近くある滝だと分かる。私がトップで降りた時点で14:20頃。

 熊倉沢と違ってこちらは滝が多いのでこれは時間が掛かることになるとここで腹をくくる。

 

 

 登りで先行Gがロープを出していた滝で14:40頃。ここは巻き道にロープがあるのでこれを使う。

 

 

 が挟まった7mチムニー状滝の懸垂下降。14:50頃。

 

 

 この下の5m滝も懸垂して降る。多分その後、15時頃。

 

 

 大滝は巻き道のロープを使って降るが途中ロープのない部分があり補助ロープをセットしたりで登りのようにはやはりいかない。

 この後の小さな滝や直登出来た滝(8mS字状ナメ滝など)でも降るとなると、ロープを使わざるを得ない。8mもあれば当然懸垂下降だ。小滝の肩がらみビレイも頻繁にやる場合が多いので当然かなり時間を食う。懸垂下降はやり損なう即事故だから慎重にやらざるを得ない。それでも皆さんテキパキと懸垂下降をこなしてくれる。

 そんなこんなでボルダー小滝を降りたのが15:45頃、ゴルジュに戻ったのが16:20頃だから、林道に上がったのが16:30前頃だろう。最後の大滝を降り始めてから2時間以上掛かった。沢の降り始めから3時間、登りが2時間半くらいだからこれはかなりのものです。往復5時間45分くらい。

 

 

 熊倉沢を降るより1時間以上は余計に時間が掛かったかも知れない。まあしかし軍刀利沢を降るという経験はあまり出来ないことだし、今日一日沢を堪能することになった。沢初心者には厳しいが忘れ難いいい訓練になったでしょう。とても頑張りました。

 

 林道に上がり沢装備を解き着替えて南郷バス停まで戻ったが遅くなるほどバス便もいいのがなくかなり待つことになり更に遅くなった。そもそも武蔵五日市は遠いし残念ながら途中下車して打ち上げをやる時間はなく、コンビニで買い込んだビールで電車の中でご苦労さんの一杯で解散することになった。