丹沢の尾根 2
弁天尾根を降る 17、6、12 (続き)
本間ノ頭南東尾根を巨木に感嘆しながら登り予想より早く登山道に飛び出してそのまま本間ノ頭に登る。10分くらいだった。10:55着。
少し休憩して後無名ノ頭を経て、円山木ノ頭に着く。10:30過ぎ。登山道にまたすらりと伸びたホオの木があり下に花びらが落ちていた。これがほんのりと優しいいい香りがする。ホオの枯れ落ちた実(の殻)が見つかるとこれもとてもいい香りを放つ。部屋に置くと芳香剤代わりに使えるほどだ。円山木ノ頭の標識の裏から弁天尾根に入る。
踏み跡のないあるいは薄い広い尾根は何処でも歩けるので間違った尾根に入り易い。登りの場合は尾根はテッペンへと集約されるので上へ上へと登っていけばいいのだが、降りは下手をすると枝尾根に入り込み登り返すはめに陥ることもある。本間ノ頭南東尾根は丹沢詳細地図にも何も記載がないが、ここ弁天尾根はルート、目印が載せられている。それに従いまずは草原の大倒木にコンパスを合せて降る。樹林の中に大きな倒木があり、さらに少し降ると「草原の大倒木」らしきがあった。(こうした目印はこれ!と決めてしまわないほうがいい。似たものがありうるからだ。)標高1265m付近。この途中南に尾根が延びているのでそちらに入り込まないよう注意しながら降ってきた。11:50過ぎ。
次の目印も1100m付近の「巨倒木」だ。まだ尾根がかなり広い。コンパスで歩く方向を修正しながら12時頃。確かにこれはでかい。周辺にも大木が多い。
次は970m付近の「双立の大樹」とされている、大木がゲートのように立ち並んでいるところが目印。ここへの道がまだ尾根も広く尾根を真っ直ぐ進むとワサビ沢の源頭部へ延びていて間違い易いので、巨木ゲートにコンパスを合せて慎重に進む。所々踏み跡もある。12:20前にゲートを潜る。この辺りからは尾根も明瞭になってくる。これも相当な大木である。杉とモミかツガだ。
尾根を降っていくと根元少し上で折れた大木がある。これだけの太い幹がボキリと折れるのも凄い力だ。もう大分朽ちていて古い倒木だがその先端から葉を茂らせた木が伸びているように見える。傍によって確かめなかったのだが写真でそのように見えるだけかもしれない。
この先で「鹿戸」と目印になっているが鹿柵は倒れて残骸状態で扉などない。この先で杉の植林帯に入る。鹿柵は壊れているので根元を大分鹿に食われている。樹木は樹皮を1周剥かれると栄養分の行き来が出来なくなり枯れるしかない。ほぼ1周食われたものがある。12:30頃。
弁天杉に行くにはこの先で左手(東)に山腹を降る必要があったが、目印らしきテープを確かめず真っ直ぐ降りて登山道に出てしまったので、少し登り返し分岐を抜けて弁天杉に向かう。分岐から5分ほどで樹林の中に弁天杉が見えてきた。12:50頃。
(弁天杉分岐)
さすがに弁天杉は巨大である。しかし根本から10mほど半周樹皮が朽ち始めている。
反対側は樹皮もきれいで堂々たるものだが。
根張りも凄い。
上は到底見通せない。
弁天杉と別れ分岐を過ぎて鹿戸を潜り道を下るとワサビ沢の堰堤上に出る。ここでワサビ沢を渡るとコンクリート道の登山道に出る。そのまま降り塩水川を橋で渡り林道に出る。少し休憩。13:10頃。
林道を降っていくと尾根の樹林から頭いや胴体ほとんど抜きん出た弁天杉が見える。その巨大さが良くわかる。
林道歩きが結構長いが13:55頃、塩水橋上のゲートに着いた。
下山で間違った尾根に入り登り返したりするようなこともなかったし、極めて順調に歩けたので、5時間40分くらいで1周出来た。予定より大分早かった。樹木について知らないことばかりで名前は分からないけれど沢山の巨木に出会えて、身近にこんな尾根があると知ることが出来ただけでも楽しかった。尾根はカエデ類も多かったようだし雰囲気もいいし紅葉の頃にはまた楽しめると思う。