勘七ノ沢 2 | 鬼川の日誌

勘七ノ沢 2

 勘七ノ沢  17,5,6    (続き)

 

 

 この小滝を越えればゴルジュの核心部。1段目は問題ない緩い滝。その上は滝幅が狭くなるので手足のツッパリで上手く登ればそれ程濡れないが、非力だとたっぷり水を浴びることになる。

 

(Os)

(Os)

(Os)

 

 ここでは女性陣は皆さんたっぷり水浴びしたようだ。この先でゴルジュ出口の滝だがこれもまた黒いコケでヌルヌルで、取り付く釜が深く最初の一歩が悪い。ロープを持ってもらったOsさんには頑張って上がってもらい、その後の女性陣には最初の一歩だけ肩がらみで補助した。

 

(Os)

 

 次のナメ滝も滑りそうで滝左手を小さく巻いた。ここはいつもなら中央突破も出来るところだが。

 

 

 次が壊れた堰堤の下のF6である。ここもコケがたっぷり付いてヌルヌルだし釜も深そうだ。乾いた右手の方から登っても滝上をトラバースするのが滑りそうで怖い。滝の下の方の棚をトラバースしてヌルヌルの中のいいところを探しながら突破する。足をしっかり決めれば大丈夫だがタワシを持ってくればよかった。皆も後に続く。

 

(Os)

 

 この後12:45頃までこの壊れた堰堤の上で休憩する。まだ何段か堰堤が続いている。丹沢に限らずだがこんな沢奥に良く作ったものだと思うような古い堰堤が時々見られる。

 休憩後さらに歩いていくと右岸側の枝沢の崩壊地がある。本流には4mほどの小滝が掛かっている。これは快適に越えられる。

 

 

 この上にもいくつか小滝がある。それらを越えたあたりで滝登りの主なものは終わりなので、左岸の尾根に取り付き花立と堀山の家の中間点(ちょうどベンチのあるところ)に出ることも出来る。しかしOsさんなどが今後沢をリードするときのために、昨年に続き今回も最後まで登ることにする。

 更に10分ほど進むと左岸の岩に湧き水がある。勘七の沢で水を補給しようと思えばここくらいかな。春先の沢は動物の死骸があることが多いので下手な所で水は汲めない。ここは岩から染み出しているので安心なのだが多分上が沢になっているのでは?13時頃。

 

 

 この先が昔はF7とかF8があった所らしいが、その上の大崩壊のときに大岩で埋められて滝が無くなってしまったと思われる。小滝はある。

 

  

 この上が鍋割山側からの大崩壊地である。これも勘七ノ沢のランドマークである。

 13:15を過ぎた頃だが、この辺で1人がすっかりバテてきた。この間いろいろと身の回りが忙しくて山登りで鍛える間もなかったようで、ここまでの滝登りでも何度か滑り落ちたりしていたが、体力、体幹の力がすっかり落ちてしまったようだ。私たちの年代では心しないと今まで当たり前に登れていた滝が登れなくなってしまい、当たり前に登れた尾根が登れなくなってしまうのである。体力が落ちるのはあっという間だが、戻すことは容易ではない。まあこの沢登りが戻すための訓練になればいい。

 大岩ごろごろの所ではずっと登りにくい階段を登っているようなものだから当然余計疲れたのだろう。少し休む。

 

 

 崩壊地の終わりが花立への入口になる三俣である。13:25頃。

本流に2本の枝沢が左岸に合流している。その上の方の枝沢、三俣で言うと真ん中になる沢である。大概入口には何かの目印がある。迷う場合は少し入ってみて突き当たりの大岩の裏側に滝があれば間違いない。

 

 

 この岩裏の滝は水量は少なく上部はコケで滑り易い。(写真撮り損ねたので昨年のもの。)これで滝らしい滝は終わりである。

 

 

 これを過ぎて先に進むと(左岸に2本ほどの枝沢を見送る)、沢中に張り出すように生えているカエデの木がある。その上に左岸から入る枝沢が花立へ上る最後の枝沢である。入口に3本ほどの木を乗せている大岩が目印だ。

 

 

 ところが昨年の写真を見ると木に抱かれた岩の左にも大岩があったのだがこれが無くなっている。多分土石流で破壊されたらしい。これを打ち砕くのだから私たちの目に触れないところで凄まじい現象が起こっているらしいことが分かる。この辺りは毎年様相が違うのだ。昨年は5月15日で今回は6日で9日早いが、昨年と新緑が全然違うことも分かる。13:55頃。

 

 

 この最後の枝沢は酷く脆く崩れ易く、落石を起こさず歩くのは難しかった。それで出来るだけ離れないようにして登る。しかしへばった人がなかなか着いて来れないので一番元気なOsさんが荷を持ってくれた。

 これも昨年の写真と比較してみると、右岸側から大分崩壊したらしいことが分かる。何といっても先に見える半分浮いた大岩が怖い。上半分以上は埋まっていてこの状態で何年もこのままだと知ってはいるが、見た目とても怖く直ぐ下まで行きこれを巻き登るのは心臓に悪い。グラッときたら即墓石だ。

 

 

 ともかくこの大岩を越えれば一安心である。コザクラのような花とエイザンスミレかなと思われる花がこの崩壊地に咲いていた。

 

 

 最後の脆い涸れ小滝を越えて左手のこれまた脆く剥がれ易い岩場を越えれば悪場は終わりである。この頃ガスに覆われてきた。

 

 

 小尾根に出る。雨がぱらっとだけ降った。14:20頃。すっかりバテた人も荷を持ってもらって何とか登ってきた。タフネスOsさんがいてくれてよかった。

 

 

 花立山荘14:25頃。無事着きました。沢装備を解く。装備を解いたり着替えたりするのは休憩でもあるから結構時間が掛かる。15分強くらいはいたのかな?

 

 

 堀山の家15:15頃、大倉16:50頃。2時間強くらいで降りは早かった。

入渓が9:30頃で歩程7時間20分くらい。ちょっと余計に掛かったが一日行程としては結構きついコースです。

 

 

 いつものように渋沢に出て打ち上げです。沢始めも無事完了し乾杯のビールがいつになく最高。

 

 1人運動不足で途中へばったとはいえ降りは問題なく頑張りました。いつもながら花立からの大倉尾根の降りは長く疲れます。私は2日後くらいに筋肉痛になった。4月は北海道山スキー以外はほとんど歩いてなかったからでしょう。やはり継続的に歩いてないと筋力が落ちますね。へばった人と大して差はない。