城山西南カンテ
城山西南カンテクライミング 16,12,18
方角のことなら南西でも西南でもいいわけだが、開拓者たちが
西南といっていたらしいのでこれからは西南カンテとします。
ここはマルチクライミングの入門には適度なルートであり、私
たちの練習にはもってこいである。マルチにこれから手を染めたい
という人も含め声を掛けたら、入門者からベテランまで6名集まった。
ツルベで登るので3組に編成し、私(O2)が入門メンバーと
組むことにする。
日曜日で天気も良く案の定城山下の駐車場は一杯で、2台で
行ったので駐車ぎりぎりだった。
南壁には既に沢山の人たちがぶら下がっており、いつもジムで
見かける人が何人か連れて来ていた。壁の一番左手に西南カンテに
行くのではないかと思われるザックを担いだパーティーが登って
いた。私たちはここはパスして取り付きに直行する。
私たちがカンテ取り付きに着いた頃先の壁から登っていた3名
が取り付きの準備をしているところだった。
ところがこの組も初心者の訓練できたようで、1ピッチ目に取り
付いた人は初心者らしくひどくもたつきなかなか登れない。カンテ
の右外に新しく打たれたボルト(別ルート)に引き寄せられたよう
で、外にでたり内に戻ったり。
大体このルートの支点は古いハーケンだから、これがまともに
見つからないようだった。10時頃から登り始めたが1ピッチ目を
終了し、ようやくコールがあったのがなんと30分以上経っていた
ようだ。さらに下でビレイしていた2人もコールがあった後に靴を
履き替え始める有様でなんとも時間を使うこと。それはないで
しょうと思ったけれどまあ我慢。下は1ピッチ目の先行組みのトップ。
私たちはO2組がトップ、その後ベテラン女性2人組と最後に師匠
組の2人で閉めることにする。先行組がもたもたしているうちに
私たちの後ろにさらに3人組が上って来て待っていた。
O2が1ピッチ目を登る。たしかにここは逆層気味ではあるが、
手足ホールドとも難しくはないし、ボロイけれどハーケンも適度に
打たれていてカンテの外に出る必要はない。
短く切れば終了点に出来る支点を越えて二つ目のしっかりした
ボルトのところで、私たちの1ピッチ目とする。支点を作り狩野川
の写真を撮ったところで10:50頃だった。
先行組みのトップは何故かその横の立ち木に支点を取っている。
ロープも絡んでいるようだしO2が直ぐに追いついてきたので、
私たちに先を譲ってくれることにしたらしい。ともかく私はコール
してフォローに登って来てもらう。相棒は幕岩悟空スラブでの練習
マルチ経験はあるらしいので2度目のマルチ登攀ということかな。
1ピッチ目はセカンドでもあり順調。
次のピッチは10mほどの垂壁でその上は歩きとなるルートで、
相棒にこの垂壁部分をリードしてもらう。相棒は少しのリードと
はいえ緊張したらしく垂壁部分を若干右に外れて登っていった。
立ち木の方に引っ張られた。しかしビレイ支点はしっかり作り
コール後O2がフォローで登る。
その後O2が歩き部分を先に上がり相棒が続く。歩き部分の終了
までを仮に2ピッチ目とする。
問題は次の私たちの切り方で3ピッチ目である。まず取り付きの
大岩に乗りあがるのが結構大変で、その後若干被った岩横を抜けて
そのまま進むとトラバースルートに入ってしまう。
この被った岩を通過後その岩を巻き気味に上へ行くのがルートで
あるが、前の方にもハーケンがあるし分かりにくい。
現にO2組の後ろの女性組のリードは、何年かぶりだとかで結局
トラバースルートに行ってしまった。
上に登っていくと張り出した岩が被り気味の棚に乗りあがるのだ
がこれが結構バランスが微妙でこの部分があるからか、3ピッチ目
を5.9という人もいる。その上はまた結構立っているが濡れたりして
いなければ(ホールドになるところに泥が乗っている)そう問題ない。
下の写真は3ピッチ目の終了点を棚を上がったところにある立ち
木に取り、相棒が最終部の立った岩を登ってくるところを撮った
ものである。この時点で12時頃だった。
終了点は4ピッチ目取り付きより少し下に取ったので、上がって
きた相棒にそのまま歩きで取り付きまで行ってもらう。
4ピッチ目が見栄えのする垂壁である。今回写真を撮り忘れた
ので15年5月のときの私たちより先行組みの登りの写真を載せる。
写真で分かるように今登っている人の先にヌンチャクが掛けら
れているが、そのままロープ沿いに登るのはかなり難しく、ヌン
チャクを掛けた位置から一旦戻り、ロープの左に見えるクラック
に入り込んで登ることになる。
リードでは一旦ヌンチャクをかけてロープをクリップして後、
この戻る動作が力が要る。フォローでもヌンチャクを外した後同じ
動作をしなければならない。
ところがO2の相棒は私のその動作を良く見ていなかったらしく、
真っ直ぐ上がろうとして進退窮まったようだ。「登れませーん」と
声が掛かった。クラックに入るよう指示するとともに、下にいる
師匠たち後ろの組みに登り方を教えてもらうことにして、ようやく
登って来た。
いつものごとく最終支点を皆が登ってくる様子が見える位置に取り
皆さんの奮闘ぶりを撮った写真を載せます。
クラックを突破してようやく登って来たO2の相棒。
クラックの次に今写っている部分が身体を外に出さなければなら
ずリードではきついところ。相棒にはほぼ初めてのマルチクライ
ミングご苦労様でした。
女性2人組みの4ピッチ目のリード。
女性組み4ピッチ目フォロー。
師匠組は3、4ピッチとも師匠がリードしたようです。
師匠組みのフォロー。
全パーティーが上がってきたのが13:25頃になった。
O2組が上がったのが12:45頃だから2組で40分くらい
掛かった。
3組いるとちょっと困難だと1ピッチで1時間ほど掛かると
いうことになる。とはいえO2組で実質取り付きが10:40頃
だったわけで4ピッチ終了まで2時間。全組終了まで2時間4、
50分くらいだから順調だった。
上がったところで昼飯など少し休んでいたが、後ろのパーティー
は登ってこなかった。私たちの後から取り付きに来た3名は
どうしたのだろう?
休憩後今日は城山山頂に登って見ることにする。
城山山頂。なかなか素晴らしい展望です。富士山が真っ白できれいでした。
その後参加ベテラン女史に山頂から行けるクッキングワールドの壁
に案内してもらう。ここには10a、bクラスのルートもあるとか
でチャンスがあれば取り付いてみたいものだが、下の駐車場からで
はちょっと遠い。中間点まで車で上がれるらしい。
下山途中登った西南カンテを見るとまだ4ピッチ目に取り付いて
いるクライマーが見えた。どうやら最初に取り付いたグループでは
ないかと思われる。彼らは先を譲ったが登りを諦めたわけではな
かったようだ。
それから降っていくと南壁全面が見え、バトルランナーやダイレ
クトルートに取り付いているクライマーが見えた。遠くから見ると
壁の凹凸は分からないからあたかもつるつるの壁を登っている
ように見える。こうしてみると恐ろしい。
登山口に15時頃に着いた。
今日は私の相棒にはマルチクライミング入門でいろいろな課題が
見つかったろうと思われる。実際の岩場でリード出来る様にするに
はやはり何といってもリードクライミングの力をつけなければなら
ないし、フォローでもいいから岩場に数多く触れることが必要なの
だろう。ロープワークでもたつくことのないように、これからも
一緒に訓練していきたい。
一日いい天気で風もなく暖かくいいクライミング日和でベテラン
組みも楽しめたようでした。