東沢釜ノ沢 3 | 鬼川の日誌

東沢釜ノ沢 3

 釜ノ沢東俣  16,10,10   (続き)

 

 10日朝、朝飯を食べ、テントを撤収し、遡行の準備を整えて目の前の魚止ノ滝に取り付く。7:00頃から。昨日遅く到着した単独のおっさんは私たちより早く右手の尾根から巻いて登っていった。

 

 

 ここはつるつるスラブで結構厄介だ。いつもは流れに近い左の細く刻まれたクラックを掴んで登る。今回見たところ壁の左端が少し緩くなっており、ここから取り付いてみた。しかし私がある程度登ってみたところまで、後続の人がフリーでは登ってこれない。しかもその真上は結構立っている。結局いつものところまで右横移動してロープをセットすることにしたが、これがかなりやばかった。つるつる壁面の割れ目に微かに付いている草や潅木を足、手のホールドにするしかなく相当に微妙。ボキッと折れた潅木にヒヤッとしながらまあ何とか移動して立ち木にロープをセットする。ロープを掴んで登ってもらう。

 

 

 

 結局ここはロープをセットしたこのラインが一番登り易い。ただ最初の一手が届かないので、ショルダーで上げるかいつもはその直ぐ左の割れ目を掴んで登ったようだ。(もう6年前になる。)ここを上がれば明瞭な踏み跡がある。

 滝の上に出るともう一段の滝がある。これは左岸側にロープが下がっているのを見つけてこれを掴んで登る。

 

 

 これを越えると待望の千畳ノナメである。何度見てもここは素晴らしい。今回は紅葉に飾られたナメを期待してきたのだがこれは叶わなかった。ずっと悪天続きで寒暖の差が余り大きくなかったからかな。これはかなり残念。それでも何とも気持ちがいいナメに歓声を上げて歩く。

 

 

 流れの中を進み自然の造形をじっくり味わう。

 

 

 ナメが終わるとナメ滝が出てくる。

 

 

 これは3段くらいになっており、一段目はある程度まで滝左を登れなくはないし、過去は登ったと思うがまあ左手の巻き道を登る。

 

 

 滝上も少しナメが続く。

 

 

 ナメ、ゴーロを歩いていくと水量豊富な滝が現れる。巻き道の取り付き点に「野猿ノ滝」の看板があった。もうこの辺で単独のおっさんに追いついた。7:40頃。

 

 

 野猿ノ滝を巻き終わり、しばらくゴーロを進む。途中テント場になりそうないい台地が右岸にあった。焚き火の跡もある。

 

 

 そして8:10頃、千畳ノナメとともに釜ノ沢の代名詞である両門ノ滝に着く。右が東俣、左が西俣である。

 

 

 ともに20mを越える大滝でまあここも見応えがある。今回は東俣を遡る。西俣の滝の巻きも結構大変だったが、東俣も同じような滝だが少し傾斜は緩く見える。しかし大滝の巻きは慎重に行かなければ危ない。

 

 

  (続く)