散歩
鎌倉散歩 16,10,2
9月は酷い長雨だった。山の企画が次々と延期になり中止となった。手も足も出ないという感じだった。お陰でジムには沢山行くことになった。普段は月券のある行きつけのジムで、もう顔見知りも多いから1人で行ってもビレイヤーには困らないし、いなければボルダリングをやっていればいい。しかしボルダリングでも誰かと一緒に、ちょっと難しい課題に挑戦する方が楽しいし力も出るもののようだ。
18日仲間と日吉のビッグロックに行った。日曜日にしては空いている方だった。ここには他のジムにはほとんどないクラック登りの練習ルートがあるので、ここに来れば一通りクラックのルートを登ることにしている。
晴れ間を狙って湯河原・幕岩に行ったこともある。25日は日曜日だったので相変わらず混んでいて、お目当ての人気ルートはちっとも空かない。前日までの雨で岩は濡れて水が滴っているようなルートでは快適とは縁遠い。しかし本ちゃんの濡れた岩場ではこんなこともあるだろうと練習したが、びしょびしょのホールドでは力を入れる前に滑らないかの確認が欠かせないしやはり怖い。メンタルのコントロールのいい練習にはなるが。こういうところでは落ちないことが何より優先。
また行きつけのジムで知り合った仲間たちと丹沢大倉の山岳スポーツセンターの壁でクライミング練習に行く。27日はかんかん照りの夏日で、遮るもののない広場で酷く暑く体力を消耗した。暑いので半ズボンで練習したら、普段焼くことはないフクラハギを焼いてしまいしばらくひりひり傷んだ。ここの壁は高さが15mはあり1ルートが登りがいがあるし、左半分のハングの強いルートはかなり大変である。お互いのことも良くは知らないただのクライミング繋がりだが、交流は楽しい。
そうこうしているうちに9月が終わってしまった。ろくに歩きもしなかったのでこれからの計画に支障が出そうで心配になる。
2日は晴れそうだったので日帰りの山歩きも考えたが実現せず結局午後鎌倉を少し歩いてきた。丘陵地に開かれた畑の中を歩くと秋茄子が実り脇に次の花が咲いている。ナスの花は無駄少なく実に成るのだそうな(「・・千に一つの無駄もない」)。傍には栗の木が沢山の実を付けている。頭上には女郎蜘蛛が風に揺れながら獲物を待っている。秋ですな。
鎌倉の紅葉は12月に入ってからだからまだまだだが、中には少し色付き始めたイロハカエデもある。散在ヶ池(鎌倉湖)。
池周辺の森の散策路にはカエデも多く紅葉の頃はきれいだ。ホオの木やトチの木は大きな葉が目立つ。ホオ葉は既にボロボロで近々落ちるのだろう。ホオとトチは葉の付き方が違うのだが分かるだろうか?
散策路の樹木には樹種を示す札が掛けられ勉強が出来るようになっている。クヌギやコナラなど里山の木くらいは覚えておきたいと思う。山屋にはミズナラの方が馴染みかな。
散在ヶ池の森を上がっていくと住宅地が広がる。これを通り抜けると天園のハイキングコースに出られる。その前の広場にはコスモスが満開。花アブたちが忙しい。
ハイキングコースの分岐から覚園寺の方に降る。直ぐのところにヤグラがある。鎌倉時代からの墓地でもあり中に仏が祭られている。ヤグラはハイキングコースの至る所にあり全山がほぼ墓地なのだ。この頃には基本火葬はされていたらしいが、骨を放り込むだけだったろうから、暗い夜道は鬼火も燃えてさぞかし怖い幽玄な場所だっただろう。しかしヤグラを掘って葬送が出来たのは上級の武士たちだけであり、下級武士や庶民たちは海岸の砂浜に遺体を放置していたそうだから、もっと凄まじい。しかしそう感じるのは現代の私たちの感覚だからであって、死や死者がはるかに身近に溢れていた時代の人たちには、怖いには違いなくてもそれ程の異常とは感じられなかったのだろうと思われる。
山道を抜けると住宅地の一角にでる。出た瞬間に後ろで何かが飛び降りたような大きな音がした。一瞬動物かと思ったが3~5kgほどありそうな岩が三つほど転がっていた。崖から崩れ落ちたようで数秒の差で当たっていたかもしれない。結構危なかったが悪運が強い。この間の雨で緩んだらしい。
覚園寺に寄って見る。ここもモミジの名所である。
鎌倉宮の方に進むと住宅地のあちこちにキンモクセイが満開でいい香りを放っている。もうそんな季節かと驚くばかり。
鎌倉宮付近はいつも賑やかで結構人出がある。
瑞泉寺方向に進むと途中頼朝が造った永福寺(ようふくじ)跡地に出る。ここは昔はただの野原に跡地の看板があるだけだったが、20年ほど前までの発掘調査で二階堂、阿弥陀堂、薬師堂他庭園などの配置や規模が明らかにされたそうだ。(この辺りの地名二階堂はこれに基づく。)10年ほど前から建物の基壇(基礎)と庭園の一部が復元されている。今回は周りを巡ることもしなかったが、一度全体を見渡してみたい。
瑞泉寺の方には行かず二階堂の住宅地の奥に進むとモミジ谷に入っていく道がある。この谷は名前のとおりモミジ(カエデ)の林で紅葉のときは結構きれいだ。それなりに知られているらしくハイカーが沢山降りてくる。道はぬかるんでいた。
モミジ谷の急坂を登ると天園である。これくらいの坂で息が上がってしまうのだから相当足が衰えている。天園の上の茶店が更地になっていてびっくりした。これから元に戻ることも出来るが歩いてない方の栄区のプールの方に降る。プールにはバスが来ているはずだ。リンドウとススキと?。
全部で3時間ほども歩いたかなという程度。足の衰えを実感しながら歩いた。これでは訓練にもならないが秋を感じることは出来た。この日山に行けなかったのは次の日出来れば岩登りの計画があったからだが、結局天気悪く取り止めになり、またジムに行くしかなかった。皆が集まるに都合のいい所というとビッグロックになるのだが、さすがに平日月曜日は空いていた。近くの高校のワンゲル部だという生徒たちがクライミングの練習に来ていた。