源次郎 2
源次郎沢 16,9,10
右俣に入るとF5である。ここは滝左の乾いたカンテ状を登る。
少し高さがあるので15mロープを出しリードしてもらう。
登りは難しくはないが初めてのリードだし、やや湿っていて微妙に滑りそうということもあったか、リーダーは途中のハーケンを見落とし、上の大岩のボルトにランニング支点を取った。大岩を滝側に回りこんだ辺りに支点があったはずと思い、15mロープで登ってもらったのだが、支点がないとコールがあった。ともかくその先でビレイしているようだが、様子がよく分からない。やむを得ずそのままの状態で私が続いて登り、大岩の支点でロープを固定して後の皆に登ってきてもらうことにする。ここは難しくはないし、後続はベテランなのでロープは補助でいい。大岩を回りこんでみるとロープを固定できるボルトはあった。見落としたらしい。もう一段大岩を乗り上がったところに立派なビレイ支点があったから、30mロープを使えば良かったようだ。まあいい練習になったでしょう。
これを皆が登り終えたあたりでちょうど昼頃で昼飯休憩。
10分ほど休んで少し登ると直ぐに奥の二俣でこれも右奥にF6が見えてくる。
この滝はいつも苔むしてヌルヌルで直登はきわどい。特に滝の落ち口が悪く、私は前回ここで落ちて登るのを諦めた。
当然ここは無理せず滝左の壁をリードしてもらう。
ホールドは豊富だが結構湿っていて微妙だったらしいがリーダーはしっかり登りビレイ支点をセットした。皆が後に続く。
登り終えロープを収納した辺りで12:45頃になったと思うが、この後はしばらく荒れた感じのゴーロ歩きが続く。いつもは水が涸れてくるところだ。
12:50頃。
13:00頃。
13:10頃、F7滝。崩壊している。抜け口がちょっと狭い。
この辺りで水がなくなった。
13:15頃、これも崩壊したF8。看板が無ければ分からない。
13:25頃F9。ここは2段になっている。まず下段凹角を登る。
一見難しそうだがそう問題ない。
それでも一応ロープを垂らすが、皆さんほぼ使わずに登ってきたかな。
リーダーがロープを収納したりしているうちに登ってきた人から上段を登る。皆さんは上段凹角の右壁の一見登りやすそうな所を登ったが、私は凹角を直登する。難しくはない。ロープを仕舞い終えたリーダーも凹角を登って来る。これからのためにも練習しておいたほうがいい。
さてこの上がチョックストーンのF10滝である。この右の垂壁を登るのがこの源次郎沢の締めである。ここは是非とも今日の沢リーダーに登ってもらわなければならない。13:35過ぎ頃から。
慎重を期して私がビレイしたので残念ながらリードする場面を写真に撮ることが出来なかった。Ⅲ級程度でそう難しくはないが立っているし、今日はどこも岩が湿っぽいので緊張したと思うが、リーダーは問題なく登った。勇姿を撮れなくてちょっと失敗した。下は後続の登りの写真です。
これを登り終えれば大きな滝は終わりである。ここから先は進める人から先に登っていく。とっくに水は無いが涸れ小滝は続く。
こんな滝の中でも里からそう遠くは無いから携帯が通じて、急用の電話が掛かってきた人がいる。いろいろ抱えているわけだ。
待っている間私はF10から登ってきた崖を振り返る。
その上。
14:20頃、まだ沢状。
この上沢状が終わってくる辺りからコンパスを花立山荘に合わせて藪を進む。途中から山荘には登らず登山道に出ようということでショートカット。30分くらいで登山道に飛び出す。山荘のちょっと下のようだ。登山者が次々降りてくるので、少し避けて端の草むらで沢装備を解いていたのだが、リーダーが指に食いついているヒルを見つけた。少しくらい血を吸われても大したことはないのだが食われた傷口からしばらく血が止まらない。ヒルジンという化学物質で血液が凝固しないようにする作用がある。この血だらけの見た目がいやなのとその感触から生理的に受け付けない人が多い。その他帰ってから沢靴に2匹ヒルを見つけた人もいたから夏の丹沢はヒル用心。
15時過ぎに着替え終わり下山する。
およそ2時間くらいで大倉である。いつもながらバカ尾根の下山は大変である。階段が多く膝を傷める。このため私はストックを用意した。沢は思いがけない水量で結構水を被り涼しいくらいだったが水がなくなってからの登り、そしてこの下山でまたひと汗かかされた。しかしもう日が傾いてそれほどではなく助かった。
今回は沢登りのリーダー研修会のようなものでしたが、水量がかなり多くいつもとは違う源次郎沢を楽しめた。ゆっくりペースで歩き4時間(登りと降りで)の沢登り4時間、計8時間で日帰りコースとしてはまあまあ。歩き訓練の目的は達したでしょう。
大倉からのバスは登山者で一杯だ。
渋沢に出たらいつもの店でいつもの打ち上げ。ビールが旨い。飲兵衛にはこれが何よりの楽しみです。