桧洞沢 2 | 鬼川の日誌

桧洞沢 2

  桧洞沢から桧洞丸  16,5,22  (続き)

  桧洞沢の入り口。


  3年前も同じようにきれいだったが、とりわけ今回の新緑と光の競演は
 見事だった。緑がこんなにきらめくとは。これも新葉の緑色の育ち
 具合、光が射す角度を決める今という時間、そしてそれを眺める
 私たちの立ち位置などのいろいろな要素が合致した瞬間ということだ。
 コケも美しい。残念ながらカメラと腕がいまいち。




  きれいなコケの中を進む。コケ色に染まる。


  またしばらく大岩の間を抜けて行くと岩を真横にすっぱりと切った
 かのような、まさに大岩の舞台が現れる。8:00頃。
 それにしても見事に断ち割ったものだ。天狗の大刀で?
 相棒は濁流に洗われて粉々に砕け散ったか?
 どういう力が働けばこんな具合に割れるのだろう。私たちの想像
 を越える巨大な洪水、土石流が大岩を転がし衝突させて割った
 としても切断面が真横になる偶然も凄いことだ。
 後から出てくる鏡岩もそうだし他にも平に割れた石は沢山あった
 から、花崗岩はこういった割れ方をする性質を持っているのだろう。



  今日の舞台の演者4名。乗ってみるとかなり大きい。テント一張りは
 十分可能だ。それにしてもこんなものが出てくると楽しい。



  また遡っていくと天然のプールを持った滝。8:15頃。


  次に鏡のように朝日を反射する大岩が現れる。


  傍によるとその面はボルダー課題でも相当な難しさか。私なんかでは
 一歩も上がれそうにない。触りもしなかった。よく磨いたものだ。



  鏡岩の少し上でザンザ洞が合流する。8:35頃。


  先に進むと水に入らなければ突破できそうもない滝が現れる。
 ここは皆巻くらしく左手の崖に残置ロープが下がっていた。




  この滝を越え進むと正面からガレた沢が入り本流は左に曲がり4段の
 滝となる。8:55頃。



  1段目と上の3段。


  上の2段を右手から巻く。トラロープが下がっている。
 上がったところに山椒の木がありいい匂いを放っていた。



  また沢に戻りいくつもの枝沢の流入(ほとんど涸れている)を見
 送り進んでいくとゲタゴヤ沢が右岸に合流する。9:55頃。
 ここまでくれば最後の金山沢は近い。少し休憩する。




  休憩地点から先を見れば金山谷の頭からの尾根が見え、その右手
 の沢とこの尾根を挟むのが金山沢だ。3年前は入り口付近から
 倒木だらけで酷く荒れていたが今は少しましか。10:15頃。



  進んでいくとやはり荒れた沢だ。一つ目の右岸に合流する沢を見送り、
 二つ目の二俣は本流が左だが右に入る。直ぐにまた二俣となる。



  3年前はこの左の沢を詰めて奥で尾根に取り付いたが、地図では
 この二俣に張り出している尾根が一番傾斜がゆるそうでこれに
 取り付くことにする。取り付き少しは急だが。
 直ぐ上にきれいなシロヤシオが満開だった。このシロヤシオが
 今回もっともきれいな一本だった。



  急なのは少しで後は尾根は緩く登っているがしかしえらく細い。
 やせ尾根で怖いけれど藪もなく取り付いて15分掛からず登山道に
 飛び出したから楽な詰めとしては最高かな。10:55頃。
 金山沢の入り口からでも40分くらいだ。



  休憩を兼ねて登山道で沢装備を解く。沢山の登山者が通過する。
 11:15くらいから私たちも桧洞丸山頂へ向かう。
 青ヶ岳山荘までの登りがきつかった。ちょうど昼前で山荘前で休憩。




  山頂12:10頃。富士山はすっかり霞んでいた。
 山頂にはシロヤシオ目当ての登山者で溢れんばかり。山開きという
 こともあるか。



  私たちもシロヤシオを見物しながら降る。どうやら今年は当り年
 のようだし、もう既に満開。やはり少し早い。



  いつものコバイケイソウの群落を通り過ぎた先のシロヤシオの上に
 聳えるカエデの大木。このカエデの新葉が見事な黄緑色なのに
 日射しを受けて燃え上がるかのように見えた。



  更にシロヤシオ。白い宝石を沢山ぶらさげたかのようだった。


  ゴーラ沢出合。14:00頃。
 自然教室14:45頃でちょうどバスが出たばかり。
 1時間ほど待つことになったが、キャンプ場で買ってきたビールが
 最高に旨かったからこの時間は惜しくない。




  ここ数年で新松田駅前にも飲み屋が一杯だ。最近は飲みすぎると後が
 辛いので、飲み放題サービスなどというのには見向きもしないはずが、
 ちょっと心動いたか久しぶりに頼んだら結局飲みすぎたようだ。
 お陰で2,3日不調だった。日帰りの沢よりは荷が重くて疲れたのでは
 なく、どうやら飲み疲れだったらしい。

  (了)