勘七ノ沢 | 鬼川の日誌

勘七ノ沢

  丹沢、勘七ノ沢  16,5,15

  4月に大山川を登ったのだがここはいつも水がほとんど流れてなく
 登山靴で登ったから、沢靴は今回が初めて。実質沢始め。
 いつものようにタクシーで県民の森ゲートまで行き、二俣まで歩く。
 二俣で装備を付けるが、日曜日で大勢の登山者が通る。
 今日は沢慣れたメンバー4人だ。
 9:35頃入渓。


 

  最初の堰堤を越えて、小草平ノ沢を分けてほぼ直角に左へ曲がると
 F1(5m)だ。女性2人が取り付いていた。もう1人の男性は離れて
 眺めている。F5でこの人たちが追いついてきたときもリードも
 ビレイも女性陣にお任せのようだったから指南役ということでも
 なさそうだ。



  少し登りを待つかなと思ったらリードが何度か取り付きに失敗している。
 確かにここは最初の一手が難しい。私の準備が出来ているのを見て
 「先に行きますか?」と譲ってくれた。
 私は毎年来ているのでここで落ちているわけにも行かず何とか登る。
 滝の上に行くと頭上から降りてくるグループがいた。F1を巻くという
 ことはやったこともないのでびっくりした。これは5人のグループ
 (リーダーが沢初心者4人を連れている)でこの後ほぼ一緒に登る
 ことになった。彼らは巻きが多かった。
 ビレイ支点を作り3人に登ってもらう。師匠はフリーで登ってくる。



  F1を登ると直ぐ上がF2である。
 ここは高さがある(7mくらい)がホールド豊富で難しくはない。
 岩が脆いことを注意して皆フリーで登る。



  F2の上に大きな堰堤がある。先ほどF1を巻いていたグループは
 F2の上から堰堤を高巻いていた。しかし堰堤下の岩から取り付けば
 さほど難しくはないのだが。
 堰堤上から少し歩くとF3である。先ほどの5人が登っていた。



  F3(8m)は左の滑りやすい崖も、右手の回りこみも登れる。
 昨年は右のトラバースルートが混んでいたので左を登った。
 今回は滝つぼをトラバースするルートを行く。まだ寒いので落ちたくは
 ないところだから皆慎重に行く。



  その上はつるっとした岩で登りにくいがロープを出すほどではない。
 沢から見る新緑が気持ちがいい。滝上で10:30頃か。  




  F3を登り5分ほども沢を行くとF4が見えてくる。2段15m。
 先行の5人組はリーダーが先に行ってロープを出すらしい。後に続く4人は
 リーダーがそこを登ったのだろうが、どうみてもルート取りが悪い。
 流れの直ぐ横を行けば問題ないのに。



  4人が2段目のチムニーになかなか到達しないので少し待つ。
 そのうちロープの用意が出来たようで4人はチムニーを登っていった。
 私たちはフリーで続く。ここは難しくはないが濡れているので要注意。
 私たち皆が越えたのが10:50を過ぎていたか。




  F4を過ぎるとしばらく堰堤越えが続く。
 最初の3mほどの堰堤はいつもなら流木を足場にマントリングで越えるの
 だが結構難しい。ところが今回は足場になるものがない。右端から登った
 が堰堤に上がる1手が難しかった。
 後の人はスリングで補助して上がってもらった。
 5人組みは最初から高巻いていた。



  2番目はさほど問題ないが、3番目の堰堤は大きい。これは堰堤の
 左端を登る。5人組もここは同じところに来た。



  4番目の大きな堰堤はしっかり巻き道があり、5番目の堰堤を右手から
 越えれば堰堤越えは終わりだ。11:20頃になったから何やかや
 F4から30分弱掛かっている。
 GPSで調べると標高差でも100m近い。(650m~750m辺り)。



  これから5分も歩けばF5が見えてくるが、滝下までは10分くらい。
 さすがに大滝は迫力がある。 





  私は例年この大滝の登攀が沢始めの通過儀礼のようなものだ。
 3級上程度だが濡れながら登るのでそれなりに厳しい。しかしさあ
 これから沢の季節だという気持ちになれるから、私にとっては
 大切な儀式かな。

  (続く)