大山川 3 | 鬼川の日誌

大山川 3

  大山川沢登り 16,4,20 (続き)


  今日のメインのF6が見えてきた。11:35頃。
 前回ここに来たのは10年8月と随分久しぶり。そのときと滝の様子が
 全く違っていてびっくりした。そのときは滝横に茂っていた藪を掴んで
 滝横を登った。今回と同じく滝に降りるところが怖かった。ビレイなしで
 登ったので、滝上からロープを下ろして仲間2人に登ってもらおうとした
 がビレイしてもつるつる滝を登れなかった。結局ここで敗退した。




  今回はあれだけの藪が一切なくなり掴むものがない。しかも岩が脆い。
 ぐらつく岩を落としながらの岩登りとなった。滝の落ち口横をトラバース
 する前になんとか割れ目にカムをセットすることが出来た。ランニング
 ビレイ支点なしではこの先ホールド乏しく怖くて行けなかったかもしれない。
 滝落ち口上のトラバースはつるっとした花崗岩で手足ともホールドなく、
 登山靴のフリクションを信じて落ち口上にある岩に足を下ろすまでが
 痺れた。やり損なえばもろに滝に落ちる。
 ようやく岩に乗り滝上から写真を撮る。



  降りた滝の中にハーケンがあったのでこれで仲間をビレイする。
 これはしっかりしていたので滝落ち口上の岩に乗る最後の一歩が
 届かず落ちかかった仲間も問題なく支えることが出来た。



  今回は全員がF6を突破できた。12:05頃。そのままゴーロを進む
 と奥にまた二俣が現れる。



  F6から先は全く記憶がない。地図を見るとこの右俣遡るとその先
 は崩壊地のようだし、左俣の方に快適に登れそうな涸れ滝があるので
 こちらに進む。




  涸れ滝を登ったところで昼飯休憩。12:25頃から。
 その後また少し進むと右に枝沢。本流の奥を見ると突き当たりが大きな
 崩壊地(岩稜帯)となっているようだ。



  本流を進むとまた二俣で右にチョックストーンを持った割りと大きな
 涸れ滝。これも登れそうではあるが、奥の岩稜帯手前に右に入れそうな
 沢らしきがあるように見えてそのまま進む。



  最後の右俣に入る。これをそのまま上まで詰めていくのが正解だった
 のかもしれないが、少し詰めたところで左手の崖が登れそうでこれに
 取り付いた。ところがこの崖はひどくグズグズで崩れやすくえらく
 難儀することになった。

  危ないのでアンザイレンして支点コンテで進む。皆のあるだけのアル
 パインヌンチャクを集めて、先頭の私が立ち木に支点を取りながらじわ
 じわ登る。また立ち木の上を通り万一滑っても立ち木にロープが引っか
 かるように移動する。こういうとき頼りになるのが木の根っこ。しっかり
 したものを掘り出し、なければ手を突っ込み、登山靴を蹴り込みながら
 登る。ストックがあると刺し込んで補助になるが持ってこなかった。
 ヌンチャクがなくなったら最後尾で回収した人を待って受け取り、また
 支点を取りながら進む。

  ようやく傾斜が緩んだところで、登山道に合流するようにトラバース
 気味に進むと上に荷物運搬用らしきモノレールが見えてきて、これを
 越えると登山道にとびだした。このとき登山者が上から何事かと覗いていた。
 13:45頃。崖に取り付いてから1時間近く掛かった。
 この間は残念ながら写真を撮ってられなかった。




  ここにはちょうどベンチがあった。ヤビツ峠分岐より大分下で山頂
 まで600m、阿夫利神社まで1200mと3分の2地点。
 グズグズ詰めを突破するので疲れたしもう山頂に行く気はしないので、
 沢装備を解き少し休憩して下山することにした。
 そのうちちょうど14時頃私たちが越えてきたモノレールを貨車が通過
 していった。おもちゃのような貨車が通るのを見ることはほとんどない。



  豆桜が見ごろに咲いていた。


  神社に降る。神社から相模湾方面を展望する。天気のいい夜なら
 見事な夜景が見られるはずだ。
 神社の名水とお神酒を頂き、15時のケーブルに間に合いこれで降る。



  ケーブル駅下の沢に見事なカエデの大木。その新葉の萌黄色がとても
 すがすがしいいい色だった。ツツジ、ハナモモ、春モミジを愛でながら
 階段を降り今日の山行を終わりました。





  今日はF6を突破することをメインとして、いつも降ってしまっている
 ので沢を詰めあがることを目指した。大部下に出てしまい大山山頂には
 登れなかったが、厳しい詰めも堪能したしまあほぼ目標達成。
 満足な一日だった。伊勢原で文句なく楽しめた一日に乾杯です。
 これがなくては終わりません。
                    
 (了)