忘年クライミング | 鬼川の日誌

忘年クライミング

  城ヶ崎クラッククライミング  15,12、9・10


  城ヶ崎といっても難しいルートは私たちには登れないので、易しい
 クラックルートのある、フナムシロックとファミリーロックエリアである。
 東京、埼玉辺りからだと城ヶ崎に日帰りというのは少々遠いしきつい。
 城ヶ崎近辺にはいい宿が沢山ある。ということで昨年に続き、今年
 も忘年会を兼ねて泊まりがけで出かける。5名。

  私たちがクラッククライミングを始めたのは小川山烏帽子岩左稜線
 というマルチピッチのルートに挑戦しようという話になってからだ。
 ここの核心部分にきれいなクラックのフェースがあり、練習しないでは
 登れそうもなかったからだ。練習のお陰で1昨年左稜線を登ることは
 出来た。昨年も行きたかったが実現しなかった。

  しかしクラックを登るためのジャミング技術やクラックに不可欠な
 ナチュプロ(カム等)の扱いにまだまだ不安が一杯である。やはり
 ガイドに付いて講習を受けてきている人が一番上手であるから、
 いろいろ教えてもらいたい。
 
  初日、より近いこともありフナムシロックに行く。富戸駅から歩いて
 30分弱くらい。崖を降りると若い男女ペアだけで他には誰もいない。
 私たちはまず易しい初孫(5.5)に取り付く。
 私がリードで登る。ここは問題ないが皆はトップロープでアップ。
 初孫ルートは海に近く、この日は割りと波が高く、5人が登り終る頃
 には波が寄せてきた。
 

  次に鬼殺し(5.7)。ここは私は何とかリードで登る。(RP)。
 棚に上がってから、左手になるクラックにジャミングを決めて重心を
 移すところで前回テンションしたが今回は大丈夫だった。
 皆さんはトップロープを使い、カムの確認をしながら擬似リード。


  ここからの重心移動が問題。


  その間に私は隣の純(5.8)に取り付いたが、ここは右と左のクラック
 が合流する辺りが被っているので、これを抜けるのに苦労して前年に
 続きやはりテンションしてしまった。カムにぶら下がっているのも怖い
 ので、直ぐに登ったけれど、ここはまだ上手くいかない。
 皆はトップロープ、擬似リードで練習する。左純、右鬼殺し。



  純も少し離れてみると結構立っている。


  次はフナムシで一番人気のパープルシャドウ(5.8)。ここはルートが
 濡れている事が多く私も初めてなので無理せずトップロープを張る。
 ここはかなり爽快なハンドサイズのルートだが、上部が被っている。
 トップロープならそう難しくは感じずに登れたが、リードではカムを上手
 く決めないと怖いだろう。
 純を登り終わった人から取り付くが、皆さんほぼノーテンで登っていた。


  この辺が核心かな?


  今日は少々波が高い。


  核心を登る。


  この日は伊豆高原駅から30分ほどのところにある民宿に泊まる。
 前年とは違う宿だ。山の宿に比べると安いし、漁師宿だから魚料理
 がおいしい。持ち寄ったお酒で忘年会。これがメインかな。
 といっても私たちはもうそんなには飲めない。ごくささやかな酒量で
 酔っ払うだけである。要するにクライミング仲間と一緒に飲めるとい
 うだけで十分楽しいのだ。
 顔が赤くなる人は肝臓が危ないというが私も危ないな。

  10日宿でおいしい朝食を食べてから、歩いていけるファミリー
 クラックエリアに行く。橋立吊り橋の下である。今日もいい天気。


  ここで私が取り付いてリードできるのはビギナークラック(5.7)で
 これを登りロープをもう一本引き上げてビギナーと隣のシスター
 クラック(5.8)にロープを張る。支点はないから、崖の上にある立ち
 木にスリングを巻いて支点にする。長めのスリングが欲しい。
 皆さんはトップロープで練習する。



  私もシスタークラックは登ったことがないのでまずはトップロープで
 登ってみるとむしろビギナーより登りやすい。皆さんの練習が一段落
 したところでリードして登った。問題ない。皆もノーテンで登っていた
 からカムのセットに慣れればリードできるだろう。 


  次はファミリーの代表的なフィンガークラック、ファザー(10b)に
 トップロープを張る。以前来たときはどこかのグループが取り付いて
 いて登れず、またクラックで10bクラスでは私たちにはとても難しい
 のでこれまで触ってもいない。
 案の定私は最初真っ直ぐのフィンガー部分を上まで行けなかった。
 ここはガイド山行で取り付いたことのあるMさんに登ってお手本を
 見せてもらった。さすがに上手いもので楽に突破して上まで行く。
 しかし最後の薄被りの大き目のクラックは抜けられなかった。



  皆も上手いものでフィンガークラック部分は突破する。


  どうも女性陣のほうが上手い。


  私も2度目には皆を見習いフィンガー部分は突破できたものの
 やはり薄被り部分を上まで抜けることは出来なかった。
 ファザーの後皆さんは隣のブラザー(10b)のフィンガークラック部分
 も登っていた。大き目の薄被り部分は同じ。


  ファザーと平行してアンクルクラック(5.9)にもロープを張る。5.9
 とはいえこの最初の下向きのクラック部分をジャミングで突破する
 のはかなり難しい。以前は出来なかった。今回はここは何とか突破
 した。少しはジャミングの技量が上がったのかもしれない。
 その点やはりMさんは上手く楽に突破する。


  下向きクラックは突破したものの、次の厄介なハング部分で私は
 散々手こずった。テンションの嵐で何とか乗りあがることが出来たが
 これで腕の力を使い果たした。Mさんはここもうまく突破した。
 ジャミングの利かせ方がどうも違うようだ。


  皆さんも頑張ったがハング部分は厄介だったようだ。


  最後にまた皆さんファザーに再挑戦していた。


  ジャミングが良く効いているのだろう上手いものだ。


  私はアンクルで腕がパンプしてしまいブラザーはなんともならな
 かった。次には是非とも登ってみなければならない。
 もうひとつ隣にはマザークラック(10c)がある。ここは胎内に入り込
 むようなハングがある(だからマザー)わけでどんなものだか?
 マザーはトップロープでも私には先の課題のようだが、今回10bと
 いう難しい課題に挑戦できただけでも良かった。

  まあしかしクラックをジャミングという技術を使い、カム等のナチュ
 ラルプロテクションをセットして、支点を作りながら登るのは大変だし
 ナチュプロのセットがいい加減だと大変なことになる。
 その意味でも十分な練習を慎重に積み重ねる必要があるだろう。